本作品の最後に、本作品が制作されたあとに起こったことがエンドロールで流れる。そのなかに、「2029年、これまで非公開とされていた資料が公開される」とあった。あと5年後、はたして、真実は明らかになるのだろうか。
本作品は、主人公であるジム・ギャリソン検事自身の著作などをもとに制作された「フィクション」とのことだが、様々な実写映像を交えて制作されていて、大変興味深く見ることができた。JFK暗殺をめぐる唯一の公判となったクレイ・ショー裁判の検事弁論のシーンがクライマックスだが、監督のオリヴァー・ストーンの願いも込められている。リンカーン演説で有名な「人民の、人民による、人民のための政府は不滅である」の一節が引かれ、JFK暗殺は産軍複合体によるクーデターであるという。リー・オズワルドによる単独犯行説にたいする反証もまた合理的のように思える。JFKの頭部に命中した銃弾はどうみても、教科書ビルの6Fから(上部から)撃たれたものではなく、水平に撃たれたかに見える。
ディレクター・カット版は3時間25分もあり、見ごたえがあった。