本書を手にとったのは、先に読んだ『宿無し弘文:スティーブ・ジョブズの禅僧』の作者のことを知りたかったからだ。同時に今はなき両親とほぼ同世代の「二世兵士」に惹きつけられたからだ。
太平洋戦争(第二次大戦)を日米両国に分かれて戦い、名誉のために志願してヨーロッパ戦線や太平洋戦線で戦った彼らにたいし、父は日本陸軍の職業軍人だった。中国やフィリピンで戦い捕虜となった。母は女学校時代英語を志すも、国語教師になった。しかし、戦後、大阪のGHQで英語を生かして働いていた。
両親がなくなった2011年12年、しばらくは、両親の痕跡をさがそうとネットを探ったこともあった。時代が変わってしまったから、ネットだけでは容易ではなく、やがては放り出してしまった。今となっては両親が健在のうちに、もう少し話を聞いていれば、多少なりとも手がかりは多く見つけることができただろうと思うが。それでも、いつかは、なにかまとまったものにしたいものだと思っている。