『未踏の蒼穹』

久しぶりのジェイムズ・ホーガンか(2010年に『星を継ぐもの』『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』を読んでいる)。本書では、遠い未来、金星人による人類滅亡後の地球探検の物語。しかし、なぜ地球の歴史(文字で書かれたもの)や言語が金星人に理解できるのか(時間がかかって解読されたなどのことは、書かれていない)など、物語の発端近くから、疑問符がいろいろでてきてしまい、金星人は地球人の子孫であることが予測できてしまう。それは置くとしても、地球人が争いを好み結果として核兵器と生物兵器による最終戦争により滅亡したが、厳しい環境の中を生き抜いた金星人がそれを対称的にそのような争いを好まないとするにも関わらず、「改革派」と称する一派(地球人的陰謀を用いる)と主流派が争うという物語も組み込まれる。ラブストーリーも2つ組み込まれ、盛りだくさんではある。
解説の中でホーガンのストーリーに組み込まれる物理現象などが、疑似科学だとのべられるのだが、SFはそれはありの話しで、なんで、あげつらう必要があるのか、よくわからない。

