Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

不確かな表現に翻弄される

2023年02月22日 19時41分57秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 本日のがん検診は無事終了。午前9時半から15時近くまで横浜市民病院で過ごした。午前中は、採血、肺のX線撮影、肝臓・胆嚢・膵臓のエコー。午後からは大腸内視鏡の日程確定のための医師の問診と検査の説明。

 大腸内視鏡検査は既に過去20年間で20数回も受けているので、「慣れて」いる。しかし少しずつ変わってきている。
 今回変わったのは、前日の食事。「食事制限がなかなか守られない」ということで、「検査食」の購入を指示された。これを購入しないと検査が受けられないのか、購入しなくてもいいのかは説明では今一つはっきりしなかった。しかも説明をした看護師からは「院内のコンビニで、大腸内視鏡用検査食を購入すること」と言われた。コンビニの棚を探すと片隅に「検査食」が置いてあった。しかしこれが「大腸内視鏡用」の検査食なのか、具体的な表記がない。店員はレジに大勢並んでおり手いっぱいで声もかけられない。近くをとおった他の看護師に聞いたが内科の看護師に聞いてもらわないとわからないという。

 再度看護師に「商品名」を聞きに戻ったら、「商品名は知らない」あとは先ほどの言葉と「コンビニの店員に聞いて購入して」を繰り返すばかりであった。再度コンビニにおもむき、しばらく店内の混雑が解消するのを待ってレジで店員に聞いたら、「大腸内視鏡用」検査食というのではなく「検査食は一種類のみ」であると言って商品棚からではなくレジの奥から「検査食」を持ってきてくれた。

 「大腸内視鏡用検査食」という表現では、いくつかの検査食があるうちの「大腸内視鏡用」を示していると解釈するのが当然である。私もこのブログで意味を取り違えるようなことを記載している可能性もあるので、偉そうなことは言えないかもしれないが、こと病院内での患者に対する指示は正確を記してもらいたいものである。
 しかも一種類しか選択肢が無いというのも、また問題があるかもしれない。製品の販売と説明を押し付けられているコンビニの店員もいい迷惑であろう。

 他の患者からは文句などが出ないのだろうか。もやもやした気分で病院を後にした。


がん検診

2023年02月21日 23時16分02秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 明日はがん検診だというのに、1時間ほど前にようやく帰宅。お酒を飲んだのは内緒ということにして明日検診に臨む予定。先ほどようやく問診票等の記載が終わった。22時以降は食事禁止、お茶も禁止というところはクリアできている。
 明日は10時に受付開始で午前中に5個所の部位の検診が終わるとのこと。午後からは大腸がんの受信日を決める問診。結局15時過ぎまで病院にいることになる。胃がんは隔年なので今年は検診は受けられないとのことであった。
  本日は退職者会の取り組みの一環として、4月統一地方選挙に向けての集会。現役の世代もがんばってはいるが、退職者から見るといろいろと注文もつけたくなる。年寄りがしゃしゃり出てひっかきまわすわけにもいかない。行動力は未だに現役の世代よりもおおいにある、と自負しているが、傍から見るとどう映るのだろうか。年寄りの冷や水と言われないようにしないといけない。兼ね合いは難しい。


本日の一区切り

2023年02月21日 15時13分46秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 退職者会ニュースの原稿づくり、本日のところはひと段落ついたので、ひとやすみで、お茶を一服。だいぶ草臥れたので、これより出かけてみることにした。夜からの集会まではまだ時間がある。
 一昨日、昨日よりも気温は低いようだが、風は昨日よりは弱く穏やかである。昨晩の夜の北風はとても冷たく強い風であった。横浜駅でバスの乗ろうとしたら、ビル風に煽られ、前に進めなくなるような強さであった。

 本日はカラスの鳴き声が耳に障る。集団同士の諍いなのか、弔いなのか、猫などに対する警戒の声なのか、とても騒がしい。

 


明日は作業優先

2023年02月20日 22時21分20秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 ようやく帰宅。講演会終了後、夕食がてら参加した仲間と楽しく、但し軽くいっぱい。帰宅後は本日決まったさまざまな日程をスケジュール帳に書き込もうとしたが、たくさんあるので時間がかかりそう。ということでこのブログの記事を先に作成することにした。

 明日は夜に集会がある。午前・午後は退職者会ニュース編集のための貴重な時間である。友人にメールで近況報告でもしたいが先延ばしにさせてもらって、集中して作業に当たりたい。
 ほぼ毎日確保してきた読書タイムと書き写しのための時間の確保も絶望的。特に書き写しは毎日の継続が必要なのだが、断念せざるを得ないかもしれない。可能ならばごく短時間でも確保したいものである。

 


ねじり鉢巻

2023年02月20日 18時00分48秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

会議は17時に無事終了。日程が立て込んでいる。特に今週はほぼ毎日夜も輿地が入ってしまった。
22日は一日ガン検診。退職者会ニュースのための作業は、今週の昼間の4日間しかない。
入稿の締め切りギリギリである。

自分で立てた日程がこんなにも厳しい状況になるとは想定できなかった。

ねじり鉢巻が欲しい。

これより講演会。


春一番はお預け??

2023年02月19日 22時43分58秒 | 天気と自然災害

 「春一番」は基準となる都内で最大風速が8mを超えなかったので、発表にならなかったという。必要条件に「都内」という条件がなかったようだし、「関東地方」という枠があるとのことも私は知らなかった。私の頭の中は??となってしまった。条件があとから出てくるのでは、後出しじゃんけんのようなものとも思った。

 横浜の強風・波浪注意報は22時前に解除となった。次に「都内」で最大風速8mの南寄りの風が吹いて、気温があがるのはいつのことやら。その時は横浜では風が弱くても「春一番」ということなのであろう。不思議な定義に思えてしまう。
 あまり躍起になってああだこうだというようなことでもないが、ちょいと違和感がある。

 明日は午前中に役員会などの事前会議、午後から幹事会、夜には講演会。一日仕事である。10時前には組合の会館に出向かないといけない。
 私が持参する資料はA4の紙1枚。既にできており、1行だけ修正すれば完成。これより打ち出してコピーは会館にて。
 明日は夜まで予定があるので、読書も書き写しも残念ながらできない。字を書く機会があれば、丁寧にゆっくりと書くことを心がけたい。

 


ぐうたらな1日

2023年02月19日 18時02分41秒 | 読書

 強い風は15時ころにはおさまったようだ。しかし強風注意報は解除になっていない。
 本日は膝の休養日。家にいる分には痛みは出てこない。

 「知っておきたい地球科学 ビッグバンから大地変動まで」の第3章の4割ほどを読見終えた。
 さらに「古今和歌集仮名序」の冒頭の3段を一応読みこなしてから、書き写した。小さな字で本文に挿入されている古注は省略して書き写している。全部でノート3頁と半分ほど、550字くらいであろうか。割とスムーズに進んだ。

 本日から退職者会ニュースの原稿づくりを具体的に始めようと思ったが、乗り気がしなくて先延ばしにしている。これから寝るまでにすこしでも手をつけたいものである。
 まぁ、ぐうたらな一日も悪くはない。

 「知っておきたい地球科学」の次に読む本がまだ決まらないので、物色中。本来美術史関係か、美術評論を読みたいのだが、見つからない。既に購入している図録を物色することも考えている。


春一番のようだ

2023年02月19日 10時44分15秒 | 天気と自然災害



 強い風の唸り声で目が覚めた。外で何の音が絶え間なく聞こえてくるのか、理解するのに時間がかかった。起きてみると南側のケヤキなどの枝が大きく揺れ、その下で葉をつけている夏ミカンの枝の間から5つほどの黄色い夏ミカンが大きく揺れている。風がないときに2つの実を確認していたが、風で大きく揺れると5つ数えることができた。
 洗濯物や折れたケヤキの枝が南側の芝生に転がっている。ケヤキの枝は我が家のベランダの手すりに当たって外側に落ちたもの。ちょうど妻がベランダの植木鉢を片隅に移動している最中で、手摺りにあたった音に驚いていた。

  強風・波浪注意報が出ている。気象庁のデータでは最大風速が約11mの南西の風(最大瞬間風速は約18m)。もう立春を過ぎている。天気図でも日本海に発達した低気圧、太平洋側に高気圧がある典型的な天気図である。湿度が高そうな風で、乾燥注意報は解除となっている。
・立春から春分までの間
・日本海に低気圧がある
・関東地方で最大風速がおおむね8m以上の南寄りの風で気温が上がる
という必要条件を満たしている。

 これだけの強い風に見舞われると、外に出るのが怖いと感じる。またビルをかこっている足場などの倒壊なども心配である。

 


肺炎球菌ワクチン

2023年02月18日 23時18分27秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 肺炎球菌のワクチンを接種しに出掛けたが、いつもより大勢の人で混雑している病院にびっくり。昼過ぎてもなかなか患者が減らなかった。私のように肺炎球菌のワクチン接種を受ける方も多かった。
 接種後、遅い昼食は近くのうどん店で冷やし納豆うどんを注文。納豆好きの私にはとてもうれしいメニューであった。一昨日のカレー南蛮うどんとは違ったおもむきの細いうどん。どちらも私の好みのうどんである。

 昼食後、少し遠回りをして横浜駅まで歩いた。横浜駅は土曜日なので混雑が予想されるので、少し離れた喫茶店でコーヒータイム&読書タイム。先ほどアップしたように「知っておきたい地球科学」の第2章を読み終えた。

 横浜駅の地下街を覗いたが、思った以上の人出。有隣堂で新刊本の棚を一回り見て、バスにて帰宅。昼過ぎに遠回りをして歩いたこともあり、10000万歩も歩いてしまった。少々膝に痛みが出てきた。
 体をずいぶん動かしたことになるが、有難いことに肺炎球菌ワクチンの副反応、副作用と思われる症状は出ていない。

明日は特に予定はない。膝の休養日としたいものである。

 いよいよ春も間近。このようにしがみついている葉も落ちて新しい新芽の緑に交代する時期が近付いている。

 


「知っておきたい地球科学」 その2

2023年02月18日 21時38分36秒 | 読書

   

 「知っておきたい地球科学 ビッグバンから大地変動まで」の第2章までを読み終えた。
 ミランコビッチ・サイクル、巨大火山噴火による寒冷化、マウンダー極小期など懐かしい言葉が並んだのもこの章である。政治の思惑にとらわれることなく、地球の歴史を見つめることの大切さを教えてもらっている。

地球を数十万年という地質学的な時間軸で見れば、現在は氷期に向かっている。過去13万年前と1万年前には気温が高い時期があった。平安時代は今より温暖だったが、14世紀からゆっくりと寒冷化が続いている。現在は寒冷化に向かう途上の短期的な地球温暖化かもしれないのである。‥地球の歴史を長期的に見ると、自然界にはさまざまな周期の変動があり、現時点の予測が大きく外れることも考慮しなければならない。国際政治や経済に振り回されることなく、地学の目で捉えるかきらこそ見えてくるものもある。
人新世」が地球科学で最先端の課題であることは間違いない。我々がこの地球とどう関わるべきかを考える際に、人新世というテーマから地球科学の学習を始めてみてはいかがだろう。


「追悼」に代えて

2023年02月18日 10時37分09秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 本日の体温は平熱。肺炎球菌ワクチンの接種に支障はない模様。
 本日の夜から退職者会の3月号のニュースの作成を始める予定。
 先日亡くなった退職者会の元会長の葬儀の模様を裏面に記載予定。

 亡くなったのは、私がずいぶんと世話になったかたである。当時私のいた1000名ほどの職場の現業職場の領分がどんどん縮小させられ、職種そのものの存続の危機にあったときに、具体的に職域と人員と仕事を確保し、誇りを持って働き続けられるよう具体的にどうするのか、相談に乗ってくれたかたである。
 時期的にはちょうど、労働戦線の再編の中で、政治的・組織的判断の前に、泥臭く職域を守る取り組みを粘り強く推進することの大切さと、そのことをとおして全国的な労働戦線の再編に対する判断をする視点を教えてくれた。勇ましい政党が声高に主導する労働組合の再編論も大切かもしれないが、職場課題に具体的にどのような方針を提起するかが最も大切である。そのことを再確認させてもらった。
 当時私の属する支部の多数派は、職場を守る具体的な方針よりも「政治を代えて職場を守る・雇用を守る」という絵にかいたような方針を押し付けていた。
 そして職域を毎年縮小する提案を受け続けている私たちに「どうなっているんだ。そういう提案をさせない取り組みを行って、自分らの弱点を自分で克服しないと、結局負けるだけだ」「政党主導の方針ではなく、具体的な方針をきちんと示そう」「お前が頑張って多数派に負けない方針を出さないと現業職場は守れない」と強く諭されたものである。
 私の仲間が集めた全国の取り組みの教訓と、元会長が教えてくれる産別の取り組みの現実などを真剣に勉強させてもらい、自分の職場に生かせるものを必死に探ったことが懐かしい。
 共産党・社会党という枠組での労働組合の再編論議ではなく、職域を守る具体的な取り組みを提起しているのはどちらの組合か、という視点で、小さいながら新しい支部を立ち上げた30数年前が今のことのように思い出される。元会長はその時再建された7000名の組合の委員長。そこに合流した私たちが新しく立ち上げた支部は1000名の中でわずか130名そこそこだった。
 組合の分裂・再建の嵐の中で、「自分たちの仕事のことを家に帰って子どもたちに誇りを持って説明できるようになろう」ということを基本に、仕事を確保する取り組み、そのための危惧器材や原材料などの予算の確保、労働安全衛生法等の法の適用等々、怒涛のような20数年を経て、私は定年を迎えた。
 全国的には多数派の産別の中で、政令指定都市の職場の支部としては少数派ながら、私たちの支部がオピニオンリーターになったことで、闘争をリードできた。そうは言っても毎年人員問題では徹夜交渉が続いた。それでも結果として職域は残っている。それが私の自負である。
 元委員長=元退職者会会長は、その自負を植え付けてくれた大先輩である。歳は私よりも10歳上だが、大きな組織を担っただけに組合運動に関しては私よりも風格はあった。

 


「おくのほそ道」書き写し完了

2023年02月17日 22時20分14秒 | 読書

 「おくのほそ道の書き写しを終えた。本日は午前中に第46段「種の浜」を終え、先ほど最後の段の「大垣」を写し終わった。
 さらにまだ5頁ほどノートが残っていたので、「序章」と「千住 旅立」を再度書き写した。合わせて900字近く。意外と早く書けるようになったと思う。
 字を書く右指の筋肉と肘から下の筋肉が少しだけ回復した証しかもしれない。慣れたと行ったほうがいいかもしれないが。
 もう一つ言えることは、内容をよく覚えていると書くのも少し楽になる。

 明後日から開始する「古今和歌集」の「仮名序」も書く予定のところは事前に読み込み、内容を理解してから書き写したいと思う。内容も理解しないまま、字を写すだけよりも、内容を反復して確認しながら書いたほうが身につくようだ。また「写すだけ」よりも効率的に字を思い出すことができそうである。

 さて、「おくのほそ道」を書き終えて、気がついたことがある。文章は松島そして平泉を頂点にして、覚えてしまうほど格調高くそして優れた文章が連なっているのは前半である。しかし俳句は松島までとそれ以降では違いがある。特に山形に入り立石寺・最上川を下るあたりから、俳句は印象鮮明で絵画的な句となる。「夏草や兵どもが夢の跡」「早苗とる手もとや昔しのぶ摺り」という知識がないと理解できない観念的な句と、「五月雨をあつめて早し最上川」「暑き日を海に入れたり最上川」「荒海や佐渡によこたふ天河」などの句を並べるとわかるのではないか。句柄が変わったと思える。やはり、「おくのほそ道」は大きな転機となった旅だったようだ。 


夜更かしと朝寝坊

2023年02月17日 19時24分42秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 本日の予定はとりあえず完了。眼科での緑内障点眼薬処方・視野検査、書き写しのためのノート購入、45分ほどのコーヒータイムと読書をすますことが出来た。喫茶店では外を歩く人をボーッと見ていた時間がだいぶあり、残念ながら読書はあまり進んでいない。
 明日は妻と近くのかかりつけ医にて肺炎球菌の予防接種。これから問診票などに記入。妻は公費で3000円。私は私費で8800円近くとのこと。かなり高い。昨年接種の案内が来たが無視していたら、受けるように周りから強く言われた。遠慮しようと思ったが、もう申し込んでしまっていた。

 昨日はこの写真に写っている枯葉一面に朝日が当たって美しかったが、スマホでの撮影したらすべてピントが外れていた。
 本日の午後、ミラーレスのカメラを持って再度撮影したが、予想通り太陽が葉の裏にまわり、しかも先のほうにしか当たっていなかった。昨日の朝とはだいぶ雰囲気が違ってしまった。
 常日頃から、午前2時過ぎにようやく布団に入り、8時過ぎないと起きない朝寝坊の私である。たった一日で元に戻ってしまった。そんな私にはもうあの時間に起きる気力は湧いてこない。

 


眼科、ノート、もろもろ

2023年02月17日 11時14分37秒 | 読書

 午前中は「おくのほそ道」の第46段「種(いろ)の浜」の書き写しを終えた。残りは最終段「大垣」だけとなった。本日中に終わるかもしれない。最後に最初の段「序章」と第2段「旅立ち」を再度書写すると、ノートを1冊前頁使用することになる。

 本日の予定は、眼科にて緑内障の診断と点眼薬の処方。たぶんその時に視野検査も行うことになる。そして書き写しのためのノートをもう1冊購入。百円ショップにあるか、なければ家電量販店の文具売り場でポイントを利用して購入する予定。
  その前後に時間をつくってコーヒータイム&読書タイム。「知っておきたい地球科学」の第2章を読み進める予定。



 本日聴いている曲はモーツアルトの弦楽四重奏曲集「ハイドンセット」全6曲から、第18番と第19番。5曲目と6曲目である。この第18番はベートーヴェンのお気に入りの曲だったとのこと。ソナタ形式での第1主題の重視、特に第1楽章の第1主題が曲全体を主導していることにベートーヴェンが大きな影響を受けたという。
 

 


次の書き写しの候補は‥

2023年02月16日 21時22分38秒 | 読書

 「おくのほそ道」も残すところ2段、1回ないし2回で書き写しも完了する。これだけで終了では目的を達していない。書き写しを始めたのは、漢字をかくのがたどたどしくなり、間違いや字形を忘れたりして、満足に文章がかけなくなったと自分で判断したからである。まだまだ回復していない。長年のキーボード頼りで40歳以降はほとんど字を書いていない。仕事上の起案も、組合の資料作りも、ビラ作りもワープロ・パソコンがないと何もできないに等しい。便利なようでいて、結果として60歳を過ぎると字を忘れるばかりであった。
 まだまだ回復に至っていない。一番字を書いた10代から30代の状況まで回復するのは難しいとは思うが、せめて2~3善事の手紙くらいはきちんと読める形で書きたいものである。もともと達筆ではない。それでも丁寧にきちんと書いて、読んでもらえる字、間違いのない字、大きさの揃った字、行が波打たない文面で書きたいと思っている。

 そんなことで次の書き写しの候補を探した。一番の候補は古今和歌集の仮名序である。紀貫之が書いたといわれ、日本で初めての歌論書ということになっている。
やまと歌は、人の心を種として、万(よろず)の言の葉とぞ成れりける。‥‥」という冒頭は知っているが、私は最後まで読んだことがない。たぶん多くの人は古文の授業でも最初の段落「‥‥男女の仲をも和らげ、猛き武士(もののふ)の心をも慰むるは、歌なり。」までではないだろうか。この初段は全体の5%にもならない。最後まで目をとおすいい機会かもしれない。
 むろん最後まで読むのは私も初めてである。これが終われば、当然にも次の新古今和歌集の仮名序に目をとおし、両者の違いを知ることにも繋がる。

 もう一つの候補は、百人一首。その他平家物語のいくつかの段、方丈記、芭蕉の他の紀行文なども考えた。
 結局一応第1番の候補に絞ることにした。種本は岩波書店の新日本古典文学大系の「古今和歌集」。