Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

引き続き「《英雄》の世紀」

2021年01月05日 18時33分09秒 | 読書

 午後に「《英雄》の世紀 ベートーヴェンと近代の創成者たち」(樺山紘一)の第2章までを読み終えた。

「(ドイツの哲学者フィヒテは1807年)ナポレオンというフランス版の「普遍」にたいして、いまひとつの「普遍」をドイツから発言しようとした。確固とした自我の原理にもとづいて、知性は自己を発言すべきだ。フィヒテはドイツの愛国心をこえて人類の理念に接近しようとこころみたのである。啓蒙の賢人から、普遍の天才へ。それは、革命と戦乱という混乱のなかで、ほとんど幻影のように進行した事態である。…ベートーヴェンもこの嵐のなかで、成長した。ナポレオンに対する希望と絶望の経緯はよく知られるところだが、だからといってこの嵐を回避できたわけではない。」

 どうもこの筆者は言葉に酔ってしまうところもあるようで、引用の前半はよく理解できないところがある。
 しかし当時の歴史、特に歴史上の著名人を登場させながら、ベートーヴェンと(そして同年齢のヘーゲル)の時代を浮き上がらせている。
 ドイツでいえばカント、ゲーテ、シラー、ヘルダー、ヘーゲル…。彼らが同時代の人であることはわかってはいたが、その絡み合い、相互の影響のありようまではこれまでよくわからないまま過ごしてきた。ベートーヴェンの生きた時代と彼の思想的な背景について、骨格だけでもなぞることができるだろうか。期待して読み進めたい。 

   



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。