Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「藤原定家「明月記」の世界」 三

2020年12月15日 13時34分46秒 | 読書

    

 朝はいつもよりも遅い9時まで寝てしまった。最近7時間近く寝ていることがある。しかも昨晩は1時間近く酔い覚ましに転寝もしていた。これが普通の推進時間ともいわれるが、私は長年6時間程度の睡眠を続けてきた。
 ちょっと寝すぎ、寝坊のし過ぎと反省。

 遅い朝食ののち、久しぶりに我が家で、しかも昼間に読書タイム。「藤原定家「明月記」の世界」(村井康彦、岩波新書)。特に難しい記述ではないのに、時間がかかっている。パソコンに振り回されていることも大きな原因。
 第5章と第6章を読み終えた。堀田善衛の定家像と大きく違うのは、2番目の妻、実宗の女の評価と、その親族と定家の関係。堀田善衛は定家には父俊成と同様数人の女性との間に20数名の子女がいたことから、権勢への接近の手段とまでは断言はしていないが、その視点での夫婦関係ととらえている。
 こちらの所では細やかな夫婦関係を想定している。子供の数についても前妻と実宗女との間の5人の子女についてのみ記している。
 こちらの書では前妻との間の子の光家に対する定家の冷めた対応と、実宗の子の為家と因子のあまりにかけ離れた子煩悩ぶりにあきれている。為家に対する子煩悩ぶりは、堀田善衛の記述とほとんど共通しており、「親バカ」と表現している。
 光家という定家が「外人」と記す子息が左大臣良輔の評価が高いことから決して無能の人間ではなかったことなどにも言及している。

 定家が「歌の家」の確立に必死になっていたことについては、歴史家と作家の視点の違いは当然のごとであるが、共通している。その視点の違いが、この読書を楽しいものにしている。



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