★水郷の水の暗さも梅雨に入る 井沢正江
★世を隔て人を隔てて梅雨に入る 高野素十
★梅雨寒し鬼の焦げたる鬼瓦 加藤楸邨
★梅雨寒や戦意のような石一個 千賀友子
第三句、加藤楸邨の句、広島での1970年の作で「吹超」所収。おそらく原爆に焼けた鬼瓦のことではないだろうか。「寒し」の語感が拡がる。
第四句、「戦意のような石」とは果たして何を喩えているのだろうか。固い意志、それも内に秘めている。しかし外には向かないベクトルを持っていないか。どんな戦意なのか、断定はできないが、想像を広げたくなる句である。
★世を隔て人を隔てて梅雨に入る 高野素十
★梅雨寒し鬼の焦げたる鬼瓦 加藤楸邨
★梅雨寒や戦意のような石一個 千賀友子
第三句、加藤楸邨の句、広島での1970年の作で「吹超」所収。おそらく原爆に焼けた鬼瓦のことではないだろうか。「寒し」の語感が拡がる。
第四句、「戦意のような石」とは果たして何を喩えているのだろうか。固い意志、それも内に秘めている。しかし外には向かないベクトルを持っていないか。どんな戦意なのか、断定はできないが、想像を広げたくなる句である。