Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

十五夜

2021年06月24日 22時01分12秒 | 天気と自然災害

 本日は満月ではないが、十五夜。満月は明日。明日以降月を見る可能性は低いと思い、盗難の空に浮かぶ月をスマホで狙ってみた。ブレているのはご愛敬として許してほしい。
 北に行くほど雲が切れているらしいが、横浜ではゆっくりと動く雲が月を隠している。時々一部が鮮明に顔を出すときもあるが、ほとんどが肝に隠れていた。
 これはこれで風情もあり、長い時間月を眺めてしまうものである。
 本日も長い時間見たかったが、ベランダからは南側の号棟の影になって見えない。団地の南側に見に行くと、蚊に襲われる。虫よけスプレーをしても、蚊は執拗に寄ってくる。たくましいというか、揮発性の薬の所為か、それは不明である。

 明日からは次第に台風の影響が出てくるという。台風に押されて梅雨前線が北上し、活発になるという。土曜日の夕刻以降は雨の確立が高くなるようだ。
 本日も雨は局所的であった。私が出かけるとレインアイよこはまでは移っていなかった雨の区域が突然私のいるところで発達しはじめて、時間雨量50mmの雨がごく短時間であったが降り出した。さいわい小さな折畳傘とリュックカバーを持っていたので、助かった。
 歩いている途中で雨は止んでくれた。このようなゲリラ的な雨は厄介である。雷を伴うと怖い。明日以降もこんな雨が続く可能性があるらししい。
 


忘れないで、本当にあったのだ-沖縄慰霊の日・平和の詩

2021年06月24日 18時36分52秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

沖縄慰霊の日・平和の詩(全文)

みるく世の謳   宮古島市立西辺中2年 上原美春

12歳。
初めて命の芽吹きを見た。
生まれたばかりの姪は
小さな胸を上下させ
手足を一生懸命に動かし
瞳に湖を閉じ込めて
「おなかすいたよ」
「オムツを替えて」と
力一杯、声の限りに訴える
大きな泣き声をそっと抱き寄せられる今日は、
平和だと思う。
赤ちゃんの泣き声を
愛おしく思える今日は
穏やかであると思う。
その可愛らしい重みを胸に抱き、
6月の蒼天を仰いだ時
一面の青を分断するセスナにのって
私の思いは
76年の時を超えていく
この空はきっと覚えている
母の子守唄が空襲警報に消された出来事を
灯されたばかりの命が消されていく瞬間を
吹き抜けるこの風は覚えている
うちなーぐちを取り上げられた沖縄を
自らに混じった鉄の匂いを
踏みしめるこの土は覚えている
まだ幼さの残る手に、銃を握らされた少年がいた事を
おかえりを聞くことなく散った父の最後の叫びを
私は知っている
礎を撫でる皺の手が
何度も拭ってきた涙
あなたは知っている
あれは現実だったこと
煌びやかなサンゴ礁の底に
深く沈められつつある
悲しみが存在することを
凜と立つガジュマルが言う
忘れるな、本当にあったのだ
暗くしめった壕の中が
憎しみで満たされた日が
本当にあったのだ
漆黒の空
屍を避けて逃げた日が
本当にあったのだ
血色の海
いくつもの生きるべき命の
大きな鼓動が
岩を打つ波にかき消され
万歳と投げ打たれた日が
本当にあったのだと
6月を彩る月桃が揺蕩う
忘れないで、犠牲になっていい命など
あって良かったはずがない事を
忘れないで、壊すのは、簡単だという事を
もろく、危うく、だからこそ守るべき
この暮らしを
忘れないで
誰もが平和を祈っていた事を
どうか忘れないで
生きることの喜び
あなたは生かされているのよと
いま摩文仁の丘に立ち
私は歌いたい
澄んだ酸素を肺いっぱいにとりこみ
今日生きている喜びを震える声帯に感じて
決意の声高らかに

みるく世ぬなうらば世や直れ

平和な世界は私たちがつくるのだ
共に立つあなたに
感じて欲しい
滾る血潮に流れる先人の想い
共に立つあなたと
歌いたい
蒼穹へ響く癒しの歌
そよぐ島風にのせて
歌いたい
平和な未来へ届く魂の歌
私たちは忘れないこと
あの日の出来事を伝え続けること
繰り返さないこと
命の限り生きること
決意の歌を
歌いたい
いま摩文仁の丘に立ち
あの真太陽まで届けと祈る

みるく世ぬなうらば世や直れ

平和な世がやってくる
この世はきっと良くなっていくと
繋がれ続けてきたバトン
素晴らしい未来へと
信じ手渡されたバトン
生きとし生けるすべての尊い命のバトン
今、私たちの中にある
暗黒の過去を溶かすことなく
あの過ちに再び身を投じることなく
繋ぎ続けたい
みるく世を創るのはここにいるわたし達だ


沖縄慰霊の日

2021年06月24日 10時14分30秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 沖縄全戦没者追悼式での玉木デニー知事の「平和宣言」。
 毎年のように「平和宣言」をここでアップしている。昨日眼の調子が良くなかったので、本日にアップする。

 太平洋戦争最後の熾烈(しれつ)な地上戦が行われてから、76年目の6月23日を迎えました。
 荒れ狂う戦火は、20万人余りの尊い命を奪い去り、多くの人々を傷つけ、かけがえのない文化遺産や美しい自然を破壊しました。
 私たちは、想像を絶する悲惨な沖縄戦の記憶を風化させることなく、亡くなられた方々の悲しみや苦しみに思いを寄せ、無念の声を代弁する戦争体験者の証言を後世に語り継ぎ、平和がいかに尊いものかという人類普遍の教訓を胸に刻み、恒久平和の実現を強く求めながら、復興と発展の道を懸命に歩んでまいりました。
 しかしながら、今もなおここ摩文仁(まぶに)を始め県土の各地には、犠牲になられた方々のご遺骨や多くの不発弾が埋もれており、戦争の傷はいまだ癒えることはありません。
 県民の思いに寄り添い、国の責任において一日も早いご遺骨の収集、不発弾の処理を行っていただきたいと思います。
 また、国土面積の約0.6%の沖縄県に米軍専用施設面積の約70.3%が集中し続けていることにより、騒音、環境問題、米軍関係の事件・事故が後を絶たない状況にあります。
 SACO(日米特別行動委員会)合意から25年が経過し、この間、アジア太平洋地域の安全保障環境が大きく変化し、米軍は部隊の分散化を進めていると承知しております。
 このような中、沖縄県が来年本土復帰50年という大きな節目を迎えるに当たり、日米両政府は、県を含めた積極的な協議の場を作っていただき、辺野古新基地建設が唯一の解決策という考えにとらわれることなく、「新たな在沖米軍の整理・縮小のためのロードマップ」の作成と、目に見える形で沖縄の過重な基地負担の解消を図っていただくことを要望します。
 ここ沖縄は、世界自然遺産登録に向けた取り組みを進める「奇跡の森やんばる」と呼ばれる希少な動植物が多く生息・生育する地域や、個性豊かな自然あふれる離島地域など、多様性に富む自然環境を有しています。
 未来を担う子どもたち、若者たちに、自然豊かな沖縄、独自の文化が息づく沖縄、平和で真に豊かな世界に誇れる沖縄を託すことが私たちの責務であります。
 一方、世界に目を向けると、依然として地域紛争は絶えることがなく、貧困、飢餓、差別、人権侵害などの多くの問題が存在しています。
 「愛の反対は憎しみではなく無関心です」という言葉があります。世界中の人々が連帯し、多様性や価値観の違いを認め合い、対立や分断ではなく、協力して共に歩み、乗り越えていくことが、今求められています。
 まさに現在、新型コロナウイルス感染症の脅威にさらされている中においては、人々の命と生活を支えるため世界が協力していかなければなりません。
 グローバル化した現代において、平和な社会を創造するためには、近隣諸国との相互理解が欠かせません。私たちは、時間や場所を越え平和への思い、安らかな暮らしへの思いを紡ぎ共に分かち合うことが可能です。困難な状況の今こそ英知を結集し、誰一人取り残すことのない社会の実現に向けて共に歩んでいくことが重要ではないでしょうか。
 かつて沖縄の人々は、長い歴史の中で、祖先への敬い、自然への畏敬(いけい)の念、他者の痛みに寄り添うチムグクルを育むとともに、近隣諸国との交易を通じて友好関係を結び、独自の文化と平和な社会を築いてきました。
 私たちは、世界の国々をつなぐ架け橋として活躍した先人の「万国津梁(ばんこくしんりょう)」の精神を受け継ぎ、沖縄の歴史と風土の中で培われた平和を何よりも大切にする「沖縄のこころ・チムグクル」を世界に発信していかなければなりません。
 そして、戦争を体験した全ての方々の思いに応え、二度と悲劇を繰り返さないため、戦争体験や教訓を次の世代に正しく伝えていくことは、私たちの大切な使命です。
 県民の思いを込め世界の恒久平和の創造に貢献することを目指す沖縄平和賞、平和につながる身近な社会貢献活動に光を当てたちゅらうちなー草の根平和貢献賞などにより、平和のバトンは、さまざまな活動をとおして人々の手から手へ託されながら未来につながっていきます。
 また、沖縄と同様、悲惨な戦争体験などを持つアジア諸国の若者と沖縄の若者が共に学ぶことで、国籍や文化の違いを超えてつながり、培った平和への思いを共有し、遠く離れていても、「平和への架け橋」となるネットワークを築いております。
 私たちは、沖縄から世界へ平和の輪がつながっていくことを目指し、核兵器の廃絶、戦争の放棄、恒久平和の確立のため不断の努力を続けてまいります。

 くぬ地球(みふし)ぬ上(うぃー)から有(あ)る丈(うっさ)ぬ戦争(いくさ)、無(ねー)らんなすくとぅ。一人一人(ちゅいなーちゅいなー)が弥勒世(みるくゆー)(平和)願(にが)いる心気(しんち)(心持ち)繋(ちな)じ行(い)ちゅるくとぅ。食料(かみむん)分配(ゆらー)てぃ、希望(にげーかない)とぅ信頼(たゆいがなさ)育(すだ)てぃてぃ、笑顔(われーがう)んかい囲(かく)まってぃ一生(いちぐ)とぅじみ(遂げる)らりーるくとぅ。うぬ為(たみ)に必死(ぬちかじ)り努力(はま)てぃ私達(わったー)から未来(さちじゃち)ぬ子供達(わらびんちゃー)んかい繋じ行ちゃびらな。
【地球上からあらゆる戦をなくすこと。一人ひとりが平和を願う心をつないでいくこと。食料を分かち合い、希望と信頼を育み、笑顔に囲まれて一生を遂げられること。そのための努力を私たちから未来の子どもたちへつなごう。】

 本日、慰霊の日に当たり、犠牲になられた全てのみ霊(たま)に心から哀悼の誠を捧(ささ)げるとともに、沖縄戦の実相と教訓を次世代に伝え続け、人類社会の平和と安寧を願い、国際平和の実現に貢献できる「安全・安心で幸福が実感できる島」を目指し、全身全霊で取り組んでいく決意をここに宣言します。

  2021(令和3)年6月23日              沖縄県知事 玉城 デニー