goo blog サービス終了のお知らせ 

Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

落ち椿

2018年03月05日 23時34分31秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 ときどき風の音が強くなり、それに合わせて雨の音も聞こえる。しかし雨も風もおさまりつつあるようだ。レインアイよこはまの画面を見る限り、雨の区域はもう少しで抜けそうである。予報では24時まで降り続けることになっているが、日付が変わる前に上がる気配だ。気温は下がってきた。風も南風から北風に変わったように思える。
 先ほどまでついウトウトとしてしまった。夕方まで横浜駅の蒸し暑い地下街を歩き回ったせいで疲れたようだ。人混みの中を歩くのはやはり疲れる。

 明日の午後は、先月の大腸がんの内視鏡検査の結果を聞きに行くことになっている。その場では採取したポリープは特に問題のあるものではないと、いつものように云われたのでたぶん問題はないと思われる。

★落椿まだ藪を出ぬ魂ひとつ     丸山海道
★落椿われならば急流へ落つ     鷹羽狩行


 椿という木は、葉の奥に花が咲く。どちらかというと内にこもるように咲く。暗い密生した葉の奥に赤い花がこもっているようだ。内に向かった妖艶な気配がある。蘂の下部がこんもりと分厚く、生命力を感じる。
 それに対して山茶花は外に向かって咲く。葉の密生している場所から冷たい冬の大気に向かって花弁を開く。外の空気を欲しがっている。だが派手ではない。慎ましやかである。蘂も花弁も軽やかに見える。
 第1句、赤い椿の内向きに籠った艶やかさに込められた人の情念がいまだ解き放たれずにこもっている。赤く沈んだ椿の花を見るたびに、何やら囚われたこだわりを感じるのは、わたしばかりではないようだ。
 第2句、びっくりするような激しい情念の句に思える。椿の花は、ぽとっと突然に生を絶たれたかのように花の形のまま落ちるのだが、この椿の花は、葉の陰の暗い地面に落ちるのではないという。崖に咲いた椿の花は、崖を転がり落ちるように急流に落ちるのだという。「われならば」と即座に作者が登場して、椿と作者が一体化し、椿のこれまでのイメージから解き放つ。暗い情念を抱いた花は、作者とともにその最後の瞬間に生を咆哮する。

川瀬巴水「松山城名月」

2018年03月05日 21時29分14秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等


 3月の下旬になれば桜の季節である。桜にちなむということで、川瀬巴水の桜の作品を見つけてきた。1953年の「松山城名月」。この作品の4年後には昨日取り上げた「平泉金色堂」を最期の作品として川瀬芭水巴は亡くなっている。
 私はこの桜の色が好きで印象に残っている。豪華に咲いた桜にしては幹が細く、木の描写としてはちょっとアンバランスではあるが、桜の色のグラデーションがいい。月に近い方が白身が増し、歩いている後ろ姿の女性の着物の色と呼応している。
 さらに石垣の色合い、木造の門や櫓の質感もどっしりとして好みである。「通俗的」という評価が巴水にはある。受けを狙った構図や色調など、見る者に迎合しすぎている、という評もある。
 しかしこの落ち着いて、どちらかというと消えてしまいそうな人物など、そういったことに背を向けているようにも感じる。

最大瞬間風速21メートル超

2018年03月05日 20時23分35秒 | 天気と自然災害
 横浜市域全体に大雨・強風・波浪・雷注意報が発令されている。

 家にじっとしているのが嫌になって、雨が上がった15時過ぎ横浜駅まで地下鉄を利用して出向いた。雨が上がっていたので横浜駅まで歩くつもりになったが、あまりに風が強く、いろいろなものが飛んでおり、危険なのでやめた。
 湿気がかなりあり、横浜駅の西口と東口の地下街をくまなく歩きまわり、だいぶ歩数を稼いだ。それとなく行き交う人をすれ違いざまに観察していたが、雨と風で外が歩けないのであろう、地下街をウォーキングがてら歩いていると思われる人に幾人も出くわした。みんなそれぞれにストレスをため込んでいるのだろうか。しかし湿気が高かった。地下街を歩いているうちに開襟シャツ1枚になり、それでも汗は止まなかった。
 16時半には最大瞬間風速が21.8メートルを記録。気温も10時半には183℃となっていた。帰りは最寄駅から地下鉄の駅を利用したが、雨風が強く、10分も歩かないうちにズボンと運動靴はぐしょぐしょになってしまった。

 しかし少し歩き足りないので、雨が上がればまた歩きに出かけたい気分である。

明日は啓蟄

2018年03月05日 11時46分41秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 朝から強い南風が吹き荒れている。春〇番になるのだろうか。今年の冬は寒かったが、3月に入ると途端に気温が高くなった。本日も朝9時の段階で17℃を超えている。雨も降り出してきた。雨そのものは時間当たり5ミリ未満の弱いものであるが、この風ではそとは歩きにくい。傘をさし続けるのは無理がある。天気予報では24時まで雨となっている。
 この分では終日家に籠ることになるのであろうか。とりあえず14時くらいまでは、昨日の会議での宿題をしなくてはならない。
 年度末、現役時代とどうように慌ただしい。あと一年、何とか乗り切りたいもの。

 明日は啓蟄、啓は開くという意味、蟄は土の中で冬を越す生きものをさす。2つの漢字を合わせて、冬ごもりしていた虫や蛇・蛙などが土から出てきて姿を現す意味という。前提には春の陽射しを受けて土が温まる、ということがある。同時に二十四節気では春分の3月21日までの期間も啓蟄という。

★啓蟄の雲にしたがふ一日かな      加藤楸邨
★啓蟄の吾も五尺の背伸びする      横沢康良
★啓蟄や五十米地下に駅         柳澤二重


 第1句、本日は違って晴れた日であろう。春の雲は気分が気持ちよく広がる。第2句、虫になって冬眠から覚めた気分といわれるが、誰も体験したことはない。しかし春の陽射しを窓越しに受けて布団から目覚めたときの爽快感は冬とはまったく違う。
 第3句、我が団地の最寄りの地下鉄の駅も地下50メートルと深い。駅から階段をやっと上り詰めて出入口で外の様子をみるのは結構緊張する。冬ならば寒さに身を縮め、夏は熱気に包まれる。今の時期、思いのほかに寒かったり、暖かだったり、予期せぬほど強い風が吹いたりと体が外の状態に慣れるまでストレスを抱え込む。花粉症の人はさらに身構えるのだと思う。