Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「シベリウスバイオリン作品集2」から

2013年05月13日 22時00分09秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 昨日に続いて「シベリウスバイオリン作品集2」を聴いている。「作品集1」におさめられている作品がいづれも50歳から53歳の頃の作品だが、この「作品集2」におさめられているものは57歳から64歳の頃の作曲をつづけた最後の頃の作品群に属するものだ。「作品集1」の古典的な雰囲気に較べてとても現代的な曲に感ずる。そしてとても内省的なおもむきである。シベリウスファンはきっとこの「作品集2」の方が好むのではないだろうか。
 このうち「幸せな音楽家」はバイオリンの独奏曲。単独の曲なのだが、わずか2分で突如として終わる不思議な曲。
 「5つの田園風舞曲」(作品106)、「4つの小品」(作品115)、「3つの小品」(作品116)がシベリウスの作品らしい旋律と和声が特徴。5つ、4つ、3つの曲が独立しているようで不思議に緊密な関係を持つひとつの構成体となっているように思う。
 1957年の死までの最晩年の約30年間は作曲することなくフィンランドの自然の中の棲み家で、自然と対話しながら過ごした作家である。作品115と作品116は最後の作品ともいえるものであるらしい。作品115の第3曲「ロマンティックなロンド」は忘れられない曲になりそうだ。この二つの作品とピアノ曲の「5つのスケッチ」(作品114)とあわせて聞くと最晩年のシベリウスと対話が出来るのかもしれない。
 なお、シベリウス自身のつけた最後の作品番号117は「バイオリンと弦楽オーケストラのための組曲」ということらしい。最後がバイオリンの曲であり、一連の作品がピアノ・バイオリンの曲であるのは作曲家の志向として興味深いものがある。シベリウスの本質がにじんでいるような気がする。
 「愛の情景」(「スカラムーシュ」より、1925年)はシベリウス60歳の作品だが、この歳でこのように甘い愛の賛歌を書くとは、なかなか、すっかり隠遁に近い生活を送っている人の作品とは思えないつややかな曲である。

 さて演奏家について再度。得てしてバイオリンが女性で、ピアノが男性の場合、ピアノの音が勝ってしまって肝腎のバイオリンの音色が小さく聴こえてしまい、バランスがとても難しい。しかしこの作品集の場合、いづれもバイオリンとピアノのバランスがとてもいい。とても好感のもてる演奏だと感じた。

               

本日の贅沢

2013年05月13日 18時52分50秒 | 料理関連&お酒
 日本酒がなくなったので、今回は焼酎。いつもの芋焼酎はチョッと御休みで、奄美の黒糖焼酎を購入してみた。

   

 「奄美の結」という名で、奄美大島酒造株式会社製となっている。「浜千鳥の詩」「高倉」などがもともとの製品名のようだ。この「奄美の結」、会社のホームページでは商品一覧に入っていないが、「奄美の結」で検索すると確かにこの会社の製品として販売されている。
 ネットで「黒糖焼酎」を検索すると、
「明治時代~昭和27年 奄美の島々では焼酎は味噌や醤油同様に家庭で造るものであり、販売のための製造はされていませんでした。明治の新政府により酒造の免許制が始まり製造に届け出と免許料が必要となってからも、様々な原料を用い自家用焼酎が造られていたと言われています。
 戦後、奄美群島はアメリカ軍政下におかれ、本土と切り離され流通が制限されていた中、不足する米の代わりに売りたくても売り先の無かった黒糖が焼酎造りに多く使用されるようになり、現在の奄美黒糖焼酎につながりました。
昭和28年~ 奄美群島が日本に復帰するにあたり、酒税法の特例通達で米こうじを使用することを条件に、奄美群島だけに黒糖を使った焼酎製造が認められました。現在では、奄美群島の特産品として多くの皆様に愛飲されています。」(鹿児島県酒造組合奄美支部・奄美大島酒造協同組合の公式ブログ)と記載されている。黒糖を原料とした焼酎の歴史新しく、しかも奄美の厳しい歴史の産物のようだ。
 さらに1953(S28)年の米国から日本への「復帰」に際して、黒糖が原料では種税法上の洋酒扱いになるところを米麹を使うということで特例として焼酎扱いになったらしい。
 琉球と日本の関係の歴史が色濃く反映しているお酒である。そして奄美大島、徳之島、喜界島、与論島、沖永良部島の5島だけでつくられているものらしい。飲み方はストレート、お湯割り、濃い目の水割りがお勧めのようだ。
 私は「朝日」「里の曙」「れんと」の三種類しかこれまで飲んだことがない。あるチェーン店の炭火焼肉の店で「朝日」「里の曙」が必ず置いてある。また「れんと」は最近良く見かけるが1度しか飲んだことはない。「奄美」「珊瑚」「有泉」はどこかの酒屋で実物を見たことがあるが、飲んだことはない。「朝日」「里の曙」は確かにかすかな黒糖の甘味を感じるような気がするが、店の人の話だと、「黒糖を使っているから甘い」ということではないそうだ。しかし私ばとてもおいしいと思っている。また黒糖の甘味があると勝手に思っている。それはそれでいいのではないか。
 この購入したお酒、これまで飲んだ黒糖焼酎とはちょっと味が違うような気もする。それほど澄んだ味わいはしない。それがいいのだが。いい意味で少し野暮ったい。黒糖焼酎はいつも飲んでいる芋焼酎よりもコクがある。焼酎はこのように癖のあるものが私は好きだ。