蛇口が取れた

4年半の杭州生活を終え、ついに帰国。現在、中国人化後遺症に悩まされ、好評リハビリ中。

三方一両得

2008-12-20 16:58:47 | 杭州・杭州周辺
今日所用で街に出た。
一通り用事を済ませ、タクシーで帰路についた。
乗った時から、なかなか陽気な運転手だと思った。

うちからほど遠くないところまで来ると、
目の前で事故を起こした車が2台止まっていた。
タクシーと一般乗用車の接触事故。
中国ではよくある日常的な光景。

ふとみると、タクシーには乗客がいた。
彼女は急いでいるらしく、そこでタクシーを降りた。
彼女は断る運転手に対し、強引に10元札を渡した。

ボクは、ほほお、と感心していると、
ボクの乗ったタクシーの運転手が彼女に声をかけた。
「ねえちゃん、どこまで行くの?」
彼女が答えると、
「じゃあ、乗っていきなよ」と言った。

彼女は当然初めは断ったが、
運転手の強引さに負けて乗り込んできた。
彼女は当然大変恐縮していた。

運転手の理屈はこうだ。
「ねえちゃん、さっき運転手に強引にお金を渡していただろう。
運転手としては、事故を起こして客を目的地に連れて行けないからお金は要求できない。
だけど、ねえちゃんはちゃんとお金を渡した。
10元とはいえ、それでご飯も食べられるし、酒も飲める。
ねえちゃんに感心したから、オレは声をかけたんだよ。」

運転手の言うとおりである。
ボクも感心していたから、快く同乗を許可した。

彼女は急いでいたみたいなので、彼女の目的地を先にした。
彼女は下りる時に10元を運転手に渡そうとした。
運転手は断り、ボクも払う必要はないと言ったのだが、
彼女は座席の上に10元を置いて、我々に礼を述べて出ていった。

次にボクの家へむかった。
値段は27元だった。
すると、運転手は
「遠回りしちまったから、20元でいいよ」と言った。
ボクは運転手に20元を渡して、礼を述べて別れた。

運転手は30元をもらい、
ボクは20元で済み、
彼女も20元で目的地にスムーズについた。

全員が得をして、
しかも人の心の温かさに触れることが出来た。

中国でもこんな奇蹟が起こったりするのである。

もうすぐクリスマス。
みなさん、良いクリスマスをお過ごし下さい。