この記事は表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その④(忠別岳→ヒサゴ沼避難小屋)の続きです。
7月中旬に3泊4日の日程で、表大雪の旭岳からトムラウシ山までを縦走した。
(地図をクリックすると大きくなります。)

縦走3日目は、ヒサゴ沼避難小屋を出発し、トムラウシ山の北沼を経由し南沼に行き、そこにテントを張った後、最少限の荷物でトムラウシ山に登頂した。距離は6.4kmで、4日間の中で一番短かった。
今回の縦走では夕食にアルファ米のご飯とレトルト食品を中心としたおかず、朝食にはカップ麺を食べるのが日課だった。昼食はカップ麺とミックスナッツやドライフルーツ等の行動食で済ましていた。
アルコール類は一切摂らず、野菜が不足する分はビタミン剤を服用していた。4日間だけのことなので、栄養より重量を重視した。
朝食とトイレを済ませテントを撤収し、ヒサゴ沼避難小屋キャンプ指定地を後にしたのは5時43分だった。私より早く出発した何組かのパーティーは、トムラウシ山に登ってその日に下山するようだった。
ヒサゴ沼からトムラウシ山へ向かうには、先ず沼の北岸を西に進む。そして目の前の雪渓を登っていく。

沼の岸は雪渓から流れ出た水が作る湿地となっていて、たくさんの高山植物が咲いていた。
・エゾコザクラ(蝦夷小桜、Primula cuneifolia、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)
サクラソウ属の花には通常、雌しべが長く雄しべが短いタイプと、その逆に雌しべが短く雄しべが長いタイプの2種類がある。そして同じタイプの花同士では受粉が成立しない仕組みになっている(異形花柱性)。この株は雌しべが長い。

一方、前日観た株は雄しべが長かった。

・エゾウサギギク(蝦夷兎菊、Arnica unalaschcensis var. unalaschcensis、キク科ウサギギク属の多年草)
北海道・本州(東北地方)、千島・アリューシャンに分布する。高山帯の草地や砂礫地などに生え、茎の高さは10~30cmで全体に白い軟毛がある。茎先に、直径4~5cmの黄色の頭花を1個つける。頭花の中心部は筒状花、周辺は舌状花となり筒状花の筒部には毛がない。



・イワイチョウ(岩銀杏、Nephrophyllidium crista-galli 、ミツガシワ科イワイチョウ属の多年草)
南千島と日本の北海道、本州の中部以北に分布し、多雪地の亜高山から高山にかけての湿原などに自生する。

・キタヨツバシオガマ(北四葉塩釜、Pediculais chamissonis var. hokkaidoensis、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)
葉はふつう4枚輪生し、羽状に裂ける。花は上部に数段つき、花冠が大きく曲がる。

雪渓はかなりの傾斜があったので、アイゼンを着用した。

雪渓を登っていくと眼下にヒサゴ沼が見えてきた。アイゼンのお陰で雪渓を自由に歩けたので、様々な角度からヒサゴ沼を観られた。

ヒサゴ沼は双子の沼で、その真ん中付近にキャンプ指定地が見えた。

雪渓が終わると少しの間草地となった。

そしてその後に大きな岩が重なっていた。重い荷物を担いで岩の上を歩くのは苦手である。慎重に歩いた。

岩場が終わった所で五色岳からの道と合流した。付近にツアーの団体が休んでいた(右の写真は反対方向から見ている)。

・イワブクロ(別名タルマイソウ;岩袋、Pennellianthus frutescens、オオバコ科イワブクロ属の多年草)

ここから先は『日本庭園』と呼ばれるところへ入っていく。遠くに霧がかかっていて幻想的だった。





・コケモモ(苔桃、Vaccinium vitis-idaea、ツツジ科スノキ属の常緑小低木)

・ゴゼンタチバナ(御前橘、Cornus canadensis、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)
花のように見える白い部分は装飾花で、1個の花序が1つの花のように見える。花は小さく、20~30個が集まって4枚の総苞片の中央につく。

ヒサゴ沼を見下ろせる岩場でしばし休憩した。キャンプ指定地にテントがもう見えなくなっていた。

7時23分に天沼に到着した。ここの景色は本当に素晴しい。たくさん写真を撮った。






・イワイチョウ


天沼を過ぎたところで大きな岩の上で休憩した。その後はロックガーデンである。

そして2000m台地に向けて登っていく。

台地上から振り返って観た景色が素晴しかった。

そして台地の先にトムラウシ山と北沼が待っていた。


北沼から直接トムラウシ山へ登ることもできるが、当初の計画通り先ずは南沼まで行ってテントを張り、そこから最少限の荷物を持ってトムラウシ山を目指すことにした。
その前にここで水を2.5L補給した(結果的に南沼でもきれいな水が得られたので、ここで汲む必要はなかった)。

標柱から右に進み南沼へ向かった。

・エゾコザクラ

9時47分、南沼へ向かう途中で北沼の湖畔で休憩し昼食を摂った。カップ麺はスープも残さず食べて、さらにお湯を注いでそれも飲むので山には迷惑を掛けない。カロリーと水分を同時に取れる理想的な食事だ。

障害物(?)を除けてのショット。最高の天気に恵まれ空も雪も水もがまぶしかった。

そして、座っていた背後はお花畑だった。まさに天国での最高の昼食だった。

ゆっくり休み元気いっぱいになったところで南沼へ向かう。

南沼が見えてきた。途中にもお花がたくさん観られた。その中で面白い花を見つけた。

・コエゾツガザクラ(小蝦夷栂桜、Phyllodoce caerulea f. yezoensis、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
コエゾツガザクラはエゾノツガザクラとアオノツガザクラの雑種で、原種のエゾノツガザクラと比べると花色が薄く花の形は球形に近い。これまで観てきたエゾノツガザクラは、ほとんどが雑種(コエゾツガザクラ)のようだった。

・ニシキツガザクラ(錦栂桜、Phyllodoce caerulea f. marmorata、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
ニシキツガザクラはコエゾツガザクラとアオノツガザクラが交配したもので、花色は様々である。この個体は黄色である。

これまで雑種については記載せず、特徴が近い原種名を書いてきたが、南沼で雑種の特徴が色濃い花を観たのであえて記載した。
その他の植物については続報でご覧いただくことにしたい。
さて、南沼のキャンプ指定地に10時30分に到着した。途中で昼食を摂ったので計画より30分遅れた。それでもテント場は閑散としていて好きなところにテントを張れた(写真は設営途中に撮影)。

表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その⑥(トムラウシ山登頂と南沼の高山植物)に続く。
7月中旬に3泊4日の日程で、表大雪の旭岳からトムラウシ山までを縦走した。
(地図をクリックすると大きくなります。)

縦走3日目は、ヒサゴ沼避難小屋を出発し、トムラウシ山の北沼を経由し南沼に行き、そこにテントを張った後、最少限の荷物でトムラウシ山に登頂した。距離は6.4kmで、4日間の中で一番短かった。
今回の縦走では夕食にアルファ米のご飯とレトルト食品を中心としたおかず、朝食にはカップ麺を食べるのが日課だった。昼食はカップ麺とミックスナッツやドライフルーツ等の行動食で済ましていた。
アルコール類は一切摂らず、野菜が不足する分はビタミン剤を服用していた。4日間だけのことなので、栄養より重量を重視した。
朝食とトイレを済ませテントを撤収し、ヒサゴ沼避難小屋キャンプ指定地を後にしたのは5時43分だった。私より早く出発した何組かのパーティーは、トムラウシ山に登ってその日に下山するようだった。
ヒサゴ沼からトムラウシ山へ向かうには、先ず沼の北岸を西に進む。そして目の前の雪渓を登っていく。


沼の岸は雪渓から流れ出た水が作る湿地となっていて、たくさんの高山植物が咲いていた。
・エゾコザクラ(蝦夷小桜、Primula cuneifolia、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)
サクラソウ属の花には通常、雌しべが長く雄しべが短いタイプと、その逆に雌しべが短く雄しべが長いタイプの2種類がある。そして同じタイプの花同士では受粉が成立しない仕組みになっている(異形花柱性)。この株は雌しべが長い。

一方、前日観た株は雄しべが長かった。

・エゾウサギギク(蝦夷兎菊、Arnica unalaschcensis var. unalaschcensis、キク科ウサギギク属の多年草)
北海道・本州(東北地方)、千島・アリューシャンに分布する。高山帯の草地や砂礫地などに生え、茎の高さは10~30cmで全体に白い軟毛がある。茎先に、直径4~5cmの黄色の頭花を1個つける。頭花の中心部は筒状花、周辺は舌状花となり筒状花の筒部には毛がない。



・イワイチョウ(岩銀杏、Nephrophyllidium crista-galli 、ミツガシワ科イワイチョウ属の多年草)
南千島と日本の北海道、本州の中部以北に分布し、多雪地の亜高山から高山にかけての湿原などに自生する。

・キタヨツバシオガマ(北四葉塩釜、Pediculais chamissonis var. hokkaidoensis、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)
葉はふつう4枚輪生し、羽状に裂ける。花は上部に数段つき、花冠が大きく曲がる。

雪渓はかなりの傾斜があったので、アイゼンを着用した。


雪渓を登っていくと眼下にヒサゴ沼が見えてきた。アイゼンのお陰で雪渓を自由に歩けたので、様々な角度からヒサゴ沼を観られた。

ヒサゴ沼は双子の沼で、その真ん中付近にキャンプ指定地が見えた。

雪渓が終わると少しの間草地となった。

そしてその後に大きな岩が重なっていた。重い荷物を担いで岩の上を歩くのは苦手である。慎重に歩いた。

岩場が終わった所で五色岳からの道と合流した。付近にツアーの団体が休んでいた(右の写真は反対方向から見ている)。


・イワブクロ(別名タルマイソウ;岩袋、Pennellianthus frutescens、オオバコ科イワブクロ属の多年草)

ここから先は『日本庭園』と呼ばれるところへ入っていく。遠くに霧がかかっていて幻想的だった。





・コケモモ(苔桃、Vaccinium vitis-idaea、ツツジ科スノキ属の常緑小低木)

・ゴゼンタチバナ(御前橘、Cornus canadensis、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)
花のように見える白い部分は装飾花で、1個の花序が1つの花のように見える。花は小さく、20~30個が集まって4枚の総苞片の中央につく。

ヒサゴ沼を見下ろせる岩場でしばし休憩した。キャンプ指定地にテントがもう見えなくなっていた。

7時23分に天沼に到着した。ここの景色は本当に素晴しい。たくさん写真を撮った。










・イワイチョウ


天沼を過ぎたところで大きな岩の上で休憩した。その後はロックガーデンである。


そして2000m台地に向けて登っていく。


台地上から振り返って観た景色が素晴しかった。

そして台地の先にトムラウシ山と北沼が待っていた。


北沼から直接トムラウシ山へ登ることもできるが、当初の計画通り先ずは南沼まで行ってテントを張り、そこから最少限の荷物を持ってトムラウシ山を目指すことにした。
その前にここで水を2.5L補給した(結果的に南沼でもきれいな水が得られたので、ここで汲む必要はなかった)。

標柱から右に進み南沼へ向かった。

・エゾコザクラ

9時47分、南沼へ向かう途中で北沼の湖畔で休憩し昼食を摂った。カップ麺はスープも残さず食べて、さらにお湯を注いでそれも飲むので山には迷惑を掛けない。カロリーと水分を同時に取れる理想的な食事だ。

障害物(?)を除けてのショット。最高の天気に恵まれ空も雪も水もがまぶしかった。

そして、座っていた背後はお花畑だった。まさに天国での最高の昼食だった。

ゆっくり休み元気いっぱいになったところで南沼へ向かう。

南沼が見えてきた。途中にもお花がたくさん観られた。その中で面白い花を見つけた。

・コエゾツガザクラ(小蝦夷栂桜、Phyllodoce caerulea f. yezoensis、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
コエゾツガザクラはエゾノツガザクラとアオノツガザクラの雑種で、原種のエゾノツガザクラと比べると花色が薄く花の形は球形に近い。これまで観てきたエゾノツガザクラは、ほとんどが雑種(コエゾツガザクラ)のようだった。

・ニシキツガザクラ(錦栂桜、Phyllodoce caerulea f. marmorata、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
ニシキツガザクラはコエゾツガザクラとアオノツガザクラが交配したもので、花色は様々である。この個体は黄色である。

これまで雑種については記載せず、特徴が近い原種名を書いてきたが、南沼で雑種の特徴が色濃い花を観たのであえて記載した。
その他の植物については続報でご覧いただくことにしたい。
さて、南沼のキャンプ指定地に10時30分に到着した。途中で昼食を摂ったので計画より30分遅れた。それでもテント場は閑散としていて好きなところにテントを張れた(写真は設営途中に撮影)。

表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その⑥(トムラウシ山登頂と南沼の高山植物)に続く。
さすが北海道の高山を感じます。
このまま、全ては消えないで次の雪がふるのかなぁ?
なんて思いました。
エゾウサギギク
蝦夷が付く可愛い花、北国しか無い花なんですね
それにしてもほんと色々な花が登山を楽しませてくれていますね。
景色と合わせ、見どころ満載なのが伝わってきます。
ヒサゴ沼は双子の沼
面白い沼、そして登山には、水が必要、
カップヌードルも綺麗な水で余計美味しく感じるのでは^^
凄い荷物なんでしょうね、
やはりshuさんは、体力も凄い!!!
帰ってからの体重がかなり落ちたのではないでしょうか。
>おはようございます^^... への返信
コメントありがとうございます。
私は見ていませんが、大雪山には万年雪が残るようです。例年9月末に初雪が降り、5月まで降雪があります。
ヒサゴ沼の水場は雪渓尻になります。
ちょうど1枚目の写真の付近になり、野営場から5分ほど歩きます。
冷たくて美味しい水ですが、やはり要煮沸(あるいは高性能濾過)になります。
カップ麺はこのところ山での昼の定番になっています。
軽いのと食べ終わった後は容器を重ねられるのもいいですね。
欠点はかさばることですが、ザックが大きいので大丈夫でした。
>お花畑... への返信
コメントありがとうございます。
体重が減ると思われますよね。ところがこれまでも山で痩せたのは食中毒の時だけでした。
それ以外は1kg以内の変化で、下山後にビールを飲んだら元通りです(笑)
サクラソウ属のメシベとオシベの関係は知りませんでした。思い出すと、メシベの飛び出しが目立つもの、目立たないものがありました。これからは気を付けて観察します。
アオノツガザクラとエゾノツガザクラとの雑種についても知りませんでした。
このような視点で観察されるとは、素晴らしいですね。
食事についても詳しく教えて頂きました。おおよそ見当がつきますが、ビタミン剤については、そこまでやるか、そこまでしないと身体が持たないのか、そんな感想です。
飲料水は高性能浄水器を使ったとのことで、テレビで見たことを思い出しました。濁りだけじゃなく雑菌なども取り除くとは凄いですね。
山のわき水は、土や砂など天然のフィルターを通過した、何十年も前の雨や雪だとか。
カップヌードルの汁を飲み干し、お湯を注いでそれも飲み干す、流石ですね。
食べ残しをその場に捨てようとした人に、止めてもらったことがあります。
>shuさんこんにちは。いよいよ核心部、本丸に入りましたね。青空も広がり、日本庭園... への返信
コメントありがとうございます。
サクラソウ科の異形花柱性については、実は今回写真を整理していて初めて知りました。
アオノツガザクラとエゾノツガザクラの雑種は山で聞いていたのですが、名前を知ったのは下山後です。
まだまだ知らないことばかりで、皆さまに教えていただきながら勉強中です。
ビタミン剤は普段から常用しています。山では欠かせないと思っています。
今回の食事で不足したのはタンパク質です。ビーフジャーキー等を持っていきましたが、十分な量ではありませんでした。
どうしても短期間の山行ではカロリー重視になります。
下山後に良質なタンパク質を(ビールのつまみとして)摂るように心がけています。
高性能フィルターはエキノコックス対策です。ヒグマよりエキノコックスの方が怖いです。
軽量ですから今後は北海道の山だけでなく、水対策として利用したいと思います。
朝スマホで見ましたが、ちゃんと大きな画面で見たくて、今PCから拝見しています。
雪渓、雪渓越しの沼、岩場を抜けると日本庭園!!
日本庭園の2枚目の写真の岩の上の鳥が気になりました。
それにしても次々現れる景色、特にお花畑や深い青色の沼の光景は、天国はこんなところと思わせますね。
お写真で堪能させていただきました!
>ほんと天国!... への返信
コメントありがとうございます。
そして細かいところまで観ていただき、ありがたいです。
日本庭園で観た鳥ですが、カヤクグリかイワヒバリだと思ったのですが、違いました。
写真を拡大すると、背は青味のある灰色、腹は薄赤茶色、喉が白色でした。ルリビタキかもしれません。
この日はよく晴れて、半袖で過ごせるほどの陽気でした。
残念ながら夜には雲が出てしまいました。
大きな荷物を背負って歩かれるので、足に痛みが出てしまいましたか。それも一泊後には治まったようで良かったですね。
歩いている方の画像を拝見すると、皆さんテント泊の方が多いのか、かなり大きなザックを背負ってらっしゃいますね。
ツガザクラは四国ではツガザクラだけで本州の山に行くとアオノツガザクラが咲いてますよね。北海道で咲くエゾのツガザクラはまだ見たことがありません。交雑種のコエゾツガザクラやニシキツガザクラというのは初めて見せていただきました。イワブクロの花は秋田駒で見たことがありますがそれ以後見たことがないです。
当方も今週後半は室堂に行くので、あのあたりを散策してくる予定です。6年ぶりの北アルプスです。
>ツガザクラいろいろ... への返信
丁寧にお読みいただき、ありがとうございます。
表大雪の縦走は、北から南でも南から北でも、普通は2泊3日から3泊4日かかります。
私は当然3泊4日を選びました。白雲岳、忠別岳、ヒサゴ沼に避難小屋がありますが、トムラウシ山はキャンプ地だけです。
もし仮に避難小屋が空いているシーズンでも、そういう理由でテント泊になったと思います。
それに今はトップシーズンで、避難小屋の混雑は半端ではありません。多くの方がテント泊なのはそういう理由です。
ツガザクラ属に属する植物は世界に8種あるそうです。
そのうち日本に自生しているのは、ツガザクラ、アオノツガザクラ、エゾノツガザクラです。
ツガザクラは日本固有種で、本州の福島県から鳥取県と、四国の高山帯の岩上や岩礫地に生育します。
白山の自然観察員の方から聞いた話では、白山ではツガザクラとアオノツガザクラが自生していて、アオノツガザクラの方が強いので生育地が広いそうです。
北海道ではエゾノツガザクラとアオノツガザクラが自生していて、その自然交雑種がたくさん生まれています。
今週後半に室堂に行かれるのですね。そろそろ北陸の梅雨も開けると思います。
怖いのは雷ですので、早めの行動が肝要かと思います。山のベテランさんですから心配は要らないですね。
夏山をお楽しみ下さいませ。