shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

白山連峰・三ノ峰には秋のお花がいっぱい(後編)

2021-09-12 19:30:41 | 山行・旅行
白山連峰・三ノ峰には秋のお花がいっぱい(前編)からの続きです。



標高が1700mを超える辺りから、名前が分かる高山植物が増えてきました。

カライトソウ(バラ科ワレモコウ属)です。


こちらはヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)です。


花が下を向くアザミの仲間です。


ウスユキソウ(キク科ウスユキソウ属)は花が終わっていました。




ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)です。


こちらはゴマナ(キク科シオン属)のようです。


そして、秋を代表するお花のひとつ、ウメバチソウ(ニシキギ科ウメバチソウ属)が次々と現れました。






ミヤマコゴメグサ(ハマウツボ科コゴメグサ属)です。


標高が1800mを越えるとトリカブト(キンポウゲ科トリカブト属)も現れました。
白山ではリョウハクトリカブトとミヤマトリカブト、そして両者が交雑したハクサントリカブトが見られます。
過去の調査で、三ノ峰付近にはハクサントリカブトが多いことが分かっています。




タカネマツムシソウ(マツムシソウ科マツムシソウ属)です。


ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)は、すでに果実となっているものもありました。


シモツケソウ(バラ科シモツケソウ)も見られました。


標高2070m付近まで急坂を登りつめ、そこから250mトラバース(斜面を水平に移動)すると避難小屋です。
11時55分、三ノ峰避難小屋に到着しました。辺りはガスがかかっていて、10分ほどで行ける山頂も見えません。




先ずは小屋に入って腹ごしらえをすることにしました。弟がラーメンを作ってくれました。
食事を終え小屋を出ると、付近のガスがすっかり晴れていました。
写真は飛騨方面です。


荷物を小屋において山頂に向かいます。
振り返って小屋を見ています。小屋の後ろが越前三ノ峰(標高2095m)です。


別山には再び雲がかかり始めていました。


12時35分、三ノ峰山頂に到着しました。


山頂には数分いて、ツーショットの写真を撮って下山しました。

山頂付近で見たミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)です。
この山で高山型のアキノキリンソウを見たのは山頂付近だけでした。


下山は数ヶ所で休憩をとりながら、足早に下りました。
尾根道から振り返って見た三ノ峰(左側の穏やかなピーク)です。


別山も顔を出してくれました。


登山日和に恵まれた一日でしたが、誰とも会うことがなく、二人で初秋の山歩きを楽しむことができました。
初夏には登山道がお花畑に包まれ、もっとたくさんの花々の彩が楽しめるそうです。
その季節に再び訪ねようと思います。
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白山連峰・三ノ峰には秋のお花がいっぱい(前編)

2021-09-12 18:13:47 | 山行・旅行


9月9日、白山連峰の南主稜線上にある、三ノ峰(標高2128m)に、日帰りで出かけました。
この山は、2000m級の山では本州で最も南西に位置しており、ここを南西限とする高山植物の宝庫として知られています。

三ノ峰へは4年前に岐阜県の石徹白から別山に行った折に登りました。
したがって、この山へ登るのは2度目になりますが、今回登った福井県の上小池からは初めてでした。
さらに、前回は単独行でしたが、今回はここへ何度も来ていて、福井県の山にも精通している弟と一緒に出かけました。

三ノ峰への地図です。イラスト地図は大野市のHPからお借りしました。


六本檜から三ノ峰避難小屋付近までは、石川県と福井県の県境を歩いていきます。
三ノ峰避難小屋付近は、石川県・福井県・岐阜県の3県境になり、近くの2095mのピーク(越前三ノ峰)は福井県の最高地点になります。
避難小屋から10分ほど歩くと三ノ峰に着き、さらに北へ進むと別山(標高2399m)を経て、白山最高峰の御前峰(同2702m)に至ります。


さて、先ずは上小池までの道について、簡単に触れておきます。
近くに日本百名山の荒島岳登山口がある、勝原(かどはら)から国道158号線を離れて、打波川に沿って走っていきます。
下打波、上打波の集落を過ぎると人の気配はなくなります。途中イノシシの子どもが出て来て、50mほど車の前を走ってくれました。
野鳥も豊富で、たくさんの鳥を見ました。中でも数メートルしか離れていないところに猛禽が留まっていたのには驚きました。
集落を過ぎ、さらに20分ほど行くと、鳩ヶ湯という大きな温泉施設に出ました。今は営業していないようでした。
そこからさらに20分ほど走って、上小池の駐車場に着きました。標高は920mほどでした。7時を過ぎていたのに、1台も車がありませんでした。
駐車場には立派なトイレもあります。

それでは、お待たせしました。ここからいよいよ歩いていきます。


朝まで降っていた雨で、登山道には所々沢のように水が流れ、本来の沢は滝のようになり、眼下の打波川は轟音を立てて激しく流れていました。
それでも予報では天気の回復は間違いなさそうでした。
道は一旦下り、標高880mで林道と合流します。
手前に大きなクリの木が現われて、驚かされました。幹周りが5.7mあるそうです。


道脇には次々とお花が現われました。9月に入っても花の数が多いのにも驚かされます。
残念ながら、標高1000mほどの所に咲く花の名前を、私はほとんど知りません。
今日は、写真だけ上げておきます。




上の写真のセリ科の植物の下部を撮りました。




背丈が2mを越えるセリ科の植物。


こちらもセリ科。


白山周辺には5種類のアザミがあると聞いたことがあります。






この花はアケボノソウ(リンドウ科センブリ属)だと思います。


オオアキギリ(シソ科アキギリ属)かもしれません。この花はこの後もたくさん見ました。


駐車場を出て20分ほど歩いて、三ノ峰登山口に着きました。ここで林道と岐れて坂道を登っていきます。
なお、近くには刈込池という景勝地があります。紅葉の季節には、多くのハイカーやカメラマンで賑わうようです。


坂道を20分ほど歩くと、やや平らなところへ出ました。山越邸跡と書かれた標識がありました。


弟によると、ここには出づくり小屋があったそうです。
明治14年に福井県、16年に富山県が分離する前、石川県の人口は日本一だったそうです。その大半が農業や林業に従事する人たちで、山間部にも多くの人が住んでいたようです。
白山周辺だけでなく、あちこちの山麓に、このような住居跡が見られます。

標高が1200mを越えると勾配が増してきました。弟に先に行ってもらい、私はゆっくり歩きます。
見かけたお花を挙げておきます。
サラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属)です。


こちらは先ほども見たオオアキギリ(シソ科アキギリ属)のように思います。




ヤマハッカ(シソ科ヤマハッカ属)の仲間かもしれませんが、まったく自信がりません。


こちらはリンドウ(リンドウ科リンドウ属)だと思います。標高の高いところで見られるオヤマリンドウとは明らかに違います。


この小さな黄色いお花の名前も分かりません。


赤い実と黒い実をつけた数十cmの木は、何かの幼木かもしれません。


ここでもアケボノソウを見ました。


こちらはトモエシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属)かもしれません。


六本檜に着きました。正面に三ノ峰が今日初めて見えました。右奥には別山も見えます。


分岐を左に行くと杉峠を経て赤兎山へ、右へ進むと三ノ峰です。


弟が冷やしたトマトとブドウを用意して待っていてくれました。元気が出ます。

南西には日本百名山の荒島岳が見えます。形の良い山です。




近くにナナカマドとガクウツギに似た樹木がありました。


ナナカマドは赤い実をたくさんつけています。山の秋は深まりつつあります。


ここでもリンドウを見ました。エゾリンドウかもしれません。オヤマリンドウはもう少し先のようです。


ホツツジ(ツツジ科ホツツジ属)も咲いていました。これも高山型のミヤマホツツジではありませんでした。


六本檜からは尾根歩きですが、しばらくは樹林帯の中を歩きました。樹林帯を抜けると両側に景観が広がります。


アキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)です。まだ高山型ではありません。


徐々に見たことがある植物が増えていきます。こちらのアザミは花が上を向いています。




ムシカリ(スイカズラ科ガマズミ属)だと思います。


オヤマボクチ(キク科ヤマボクチ属)が現われました。


イワショウブ(チシマゼキショウ科チシマゼキショウ属)だと思います。


標高が1600mを越えた辺りでも、アキノキリンソウは高山型ではありません。


標高1671mの剣ヶ岩に着きました。ザックを下ろして休憩します。
白山を開山した泰澄大師が岩に剣を刺し、悪蛇を封じ込めたという伝説が記してありました。


この辺りから名前が分かる高山植物が多くなりました。
タテヤマウツボグサ(シソ科ウツボグサ属)です。


そして、秋に咲く高山植物の代表のひとつ、オヤマリンドウ(リンドウ科リンドウ属)が次々と現れました。


と思ったのですが、始めのうちは花が閉じていましたが、徐々に開いたものが多くなっていきました。
オヤマリンドウは花がこのように開かないので、これはエゾリンドウ(リンドウ科リンドウ属)のようです。
残念ながら、ここではオヤマリンドウは観られませんでした。




長くなりましたので、続きは白山連峰・三ノ峰には秋のお花がいっぱい(後編)でご覧いただきたいと思います。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
コメント (4)
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植物クロスワード(15)の解答

2021-09-12 05:30:00 | クロスワードパズル
植物クロスワードの第15回の解答です。



■ タテのカギ
1 ━━科には、同名の属の他に、サンショウ属、キハダ属、ミヤマシキミ属、カラタチ属、キンカン属などが含まれる。
2 漁師の生業のひとつ。
3 ━━科には、同名の属の他に、ムラサキシキブ属、ハマゴウ属、キランソウ属、シモバシラ属、ラベンダー属などが含まれる。
4 ジャパニーズ・シップ。
6 僧が修行の旅をするとき、経文や食器などを入れて首にかける袋。
7 ━━科には、同名の属の他に、アザミ属、タンポポ属、シオン属、ヒマワリ属などが含まれる。
11 ━━科には、同名の属の他に、クチナシ属、カエンソウ属、ヤエムグラ属などが含まれる。
12 漢字では「鱈」と書く秋から冬が旬の魚。
13 「━━十八 番茶も出花」は、もともと「鬼も十八 番茶も出花」が正しい使い方。
14 蕎麦挽きにこれを使うのは、熱の発生が少なく蕎麦の風味を損なわないためと言われている。
15 日本のプロ野球では、中島治康、野村克也、王貞治(2回)、落合博満(3回)、ブーマー・ウェルズ、ランディ・バース(2回)、松中信彦の7人。
16 ━━科には、同名の属の他に、ナンバンギセル属、コゴメグサ属、ヤマウツボ属、ママコナ属、シオガマギク属などが含まれる。
20 つらいこと。苦しい体験。「落選の━━を見る」「失恋の━━にあう」。
23 海・湖などの、波打ち際。
24 元素記号Si 原子番号14の元素。
26 東に向かって進んでいる時に左側に当たる方角。
28 ━━科には、同名の属の他に、シモツケソウ属、ダイコンソウ属、キンミズヒキ属、キジムシロ属、サクラ属などが含まれる。

■ ヨコのカギ
1 ━━科には、同名の属の他に、イワイチョウ属、アサザ属などが含まれる。
5 ━━科には、同名の属の他に、ウリノキ属、ハンカチノキ属、ヌマミズキ属などが含まれる。
8 猟師の生業のひとつ。
9 家系の初代。家系の先代以前の人々。
10 つまらない俳句。へたな俳句。
12 パソコンのキーボード上にあるキーのひとつ。ワープロソフトや表計算ソフトなどで、あらかじめ設定した位置まで用紙やカーソルを移動する機能をもつ。
13 イチジクのこと。
14 ━━科には、同名の属の他に、カテンソウ属、イラノキ属、ミズ属、ウワバミソウ属などが含まれる。
16 れんこんのこと。
17 ━━科には、同名の属の他に、クサノオウ属、キケマン属、コマクサ属、シラユキゲシ属、ヤマブキソウ属などが含まれる。
18 ━━より証拠。
19 ━━科には、ハナズオウ属、アカシア属、オジギソウ属、ネムノキ属、エニシダ属、フジ属、ダイズ属、ハリエンジュ属などが含まれる。
21 ━━科には、ヘチマ属、スイカ属、ユウガオ属、キュウリ属、カボチャ属などが含まれる。
22 「━━は嫁に食わすな」とは、しゅうとめの嫁いびりをいったもの。一説には、からだが冷えるので大切な嫁に食わすなの意とも。
24 全国に43ある地方公共団体。
25 「━━とすっぽん」「━━夜に提灯」。
27 ━━科には、同名の属の他に、サンカヨウ属、イカリソウ属、ナンテン属などが含まれる。
28 生命の、生物に関する、の意を表す接頭語。━━テクノロジー、━━燃料。
29 ━━科は、━━属だけからなる単型科である。日本にはヤマシャクヤク、ベニバナシャクヤクの2種が自生する。
30 ━━科には、同名の属の他に、ルリハコベ属、ヤブコウジ属、オカトラノオ属、ツルマンリョウ属、ハイハマボッス属などが含まれる。

■ おまけのクイズです。
先日、実家の近くの山に出かけました。
そこで見かけた樹木です。
さて、何という樹木でしょうか? 次の3つの中から選んでください。
コナラ(ブナ科コナラ属)、リョウブ(リョウブ科リョウブ属)、ネジキ(ツツジ科ネジキ属)。









ヒントです。
コナラはミズナラ(ブナ科コナラ属)に似ています。下記がミズナラです。
コナラの樹皮は縦に不規則な裂け目があります。


リョウブはナツツバキ(ツバキ科ナツツバキ属)に似ています。下記がナツツバキです。
リョウブの樹皮は古くなると不規則な薄片になって剥がれ落ちます。


ネジキの樹皮は生長すると幹がねじれるようになるのが特徴です。

おまけのクイズの解答は、後刻コメント欄に書き込みます。

植物クロスワードは、毎月10日に掲載しています。次回は10月10日の予定です。

前回の問題はこちらをクリック。
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