子どもの頃に兄を亡くし医師となって鹿児島市内でさつま揚げ屋を営む両親の元を離れて東京の下町にある総合病院牛ノ町病院で研修を始めたばかりの25歳の研修医雨野隆治が、4年先輩の後期研修医佐藤玲、外科医の岩井らの指導の下、消化器外科、救急外来などの仕事をこなす様子を描いた小説。
研修医、そして外科医の激務というか、過労死がよく話題になる労働の実情が実感されます。単に長時間であるだけでなく、緊張感とストレスが強い仕事であることもまた実感できます。
弁護士も、人の人生を左右しかねない判断を求められ、行うことが少なくなく、1年目であっても自分の責任で答え、行わなければならないという場面を経験するのですが、弁護士の場合は、通常はある程度の時間というか、裁判なら基本月単位レベルのむしろゆったりとした時間で対応すれば足りるのに対し、医師の場合、とりわけ救急の場面では人の命がかかった判断を極めて短時間に即決することを迫られる、場合によれば1年目の研修医がほとんど知識経験なくそれを迫られるというのですから、本当に大変だと思います(しかも、私たちの業界が訴訟リスクの圧力で、判断ミスを責め立てるのですし…)。
ほとんど技術も知識もない研修医の立場から先輩の診療・手術を見るというスタイルで、業界外の読者が医師の世界、病気と手術について垣間見ることができるようになっています(それでも専門用語が飛び交い、よくわからないところが多々ありますが)。

中山祐次郞 幻冬舎文庫 2020年4月1日発行(単行本は2019年2月)
研修医、そして外科医の激務というか、過労死がよく話題になる労働の実情が実感されます。単に長時間であるだけでなく、緊張感とストレスが強い仕事であることもまた実感できます。
弁護士も、人の人生を左右しかねない判断を求められ、行うことが少なくなく、1年目であっても自分の責任で答え、行わなければならないという場面を経験するのですが、弁護士の場合は、通常はある程度の時間というか、裁判なら基本月単位レベルのむしろゆったりとした時間で対応すれば足りるのに対し、医師の場合、とりわけ救急の場面では人の命がかかった判断を極めて短時間に即決することを迫られる、場合によれば1年目の研修医がほとんど知識経験なくそれを迫られるというのですから、本当に大変だと思います(しかも、私たちの業界が訴訟リスクの圧力で、判断ミスを責め立てるのですし…)。
ほとんど技術も知識もない研修医の立場から先輩の診療・手術を見るというスタイルで、業界外の読者が医師の世界、病気と手術について垣間見ることができるようになっています(それでも専門用語が飛び交い、よくわからないところが多々ありますが)。

中山祐次郞 幻冬舎文庫 2020年4月1日発行(単行本は2019年2月)

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