40歳の在宅Web雑文ライター猪名川健人が、家主の紹介で婚活業者ドリーム・ハピネス・プランニングの紹介記事を書くという依頼を受け、婚活パーティーに参加することとなり、司会を務める従業員の鏡原奈緒子に惹かれて行くという体裁のほのぼの系小説。
版元(文藝春秋)のサイトでの紹介(こちら)では、「本屋大賞受賞『成瀬は天下を取りにいく』を超える、爆走型ヒロインが誕生!」とされているのですが、鏡原奈緒子は、とても「爆走型」とは思えません。先に(予約してから確保するまで長~くかかったので)このキャッチを見てしまい、読んでいる間中違和感に苛まれました。そもそも、前作の成瀬あかりだって、生真面目で空気を読まないだけで、爆走型には、私には見えませんでしたし。ましてや、成瀬が空気を読まない我が道を行くタイプなのに対して鏡原はむしろ人の思いを読んでうまく場を調整するタイプで、このキャッチは、版元の編集者が読めてないのかと、「読まれる覚悟」の桜庭一樹の恨めしげな思いさえ感じてしまいます。
私には、むしろ、成瀬といい、鏡原といい、それほど外れている設定でもないのに、微妙な違いで人物をおもしろく描いてしまうところに作者の作風があるのかなと思えました。
「ホームページ・ビルダー」で作ったサイトは、2023年10月に更新されているだけで「マジか」「このホームページ、生きている」と驚かれてしまい(13ページ)、ホームページがそういうものだというだけで「令和の世の中で評判になるような会社とは思えない」(27ページ)そうです。ホームページビルダーでサイトを手作りしている者としては、忸怩たる思いを持ちました。どーせ、そーですよ。ウジウジ…

宮島未奈 文藝春秋 2024年10月30日発行
「別冊文藝春秋」連載
版元(文藝春秋)のサイトでの紹介(こちら)では、「本屋大賞受賞『成瀬は天下を取りにいく』を超える、爆走型ヒロインが誕生!」とされているのですが、鏡原奈緒子は、とても「爆走型」とは思えません。先に(予約してから確保するまで長~くかかったので)このキャッチを見てしまい、読んでいる間中違和感に苛まれました。そもそも、前作の成瀬あかりだって、生真面目で空気を読まないだけで、爆走型には、私には見えませんでしたし。ましてや、成瀬が空気を読まない我が道を行くタイプなのに対して鏡原はむしろ人の思いを読んでうまく場を調整するタイプで、このキャッチは、版元の編集者が読めてないのかと、「読まれる覚悟」の桜庭一樹の恨めしげな思いさえ感じてしまいます。
私には、むしろ、成瀬といい、鏡原といい、それほど外れている設定でもないのに、微妙な違いで人物をおもしろく描いてしまうところに作者の作風があるのかなと思えました。
「ホームページ・ビルダー」で作ったサイトは、2023年10月に更新されているだけで「マジか」「このホームページ、生きている」と驚かれてしまい(13ページ)、ホームページがそういうものだというだけで「令和の世の中で評判になるような会社とは思えない」(27ページ)そうです。ホームページビルダーでサイトを手作りしている者としては、忸怩たる思いを持ちました。どーせ、そーですよ。ウジウジ…

宮島未奈 文藝春秋 2024年10月30日発行
「別冊文藝春秋」連載

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