伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

アナログ

2023-10-18 22:01:41 | 小説
 デザイン事務所で飲食店等の設計や内装の仕事をしている水島悟が、担当した喫茶店「ピアノ」で出会ったみゆきと名乗る女性と、連絡先を伝え合うことなく、何もなければ木曜の夕方には来ているというみゆきの言葉を頼りに木曜夕方に「ピアノ」に通い、みゆきへの思いを募らせて行くが…という恋愛小説。
 映画を先に見てから読みました。映画は大筋は原作に沿っていますが、原作では悟は勤務先の同僚吉田ひかりと以前付き合っていたとか、定食屋「よしかわ」に通い看板娘のひろこの様子を気にしていたり、高校時代からの友人の高木、山下は下ネタを連発し、など女の影が見え隠れするのに、映画ではジャニーズタレント(二宮和也)のイメージを落とさないという配慮からか、最初のシーンからしてエコな朝食を作り(電気炊飯器ではなくご飯を炊き、糠漬けもしている)、他の女性の影はまったくなく、高木や山下にさえ下ネタは言わせず、上品で一途な設定に変えています。みゆきとのデートも原作では海へ行くのは夜に湘南の海へ行くだけですが、映画では(夜の海は場所は明示されていませんが)さらに羽田空港付近と岡本桟橋(南房総市)でのデートもあり、経過がいろいろ変えられています。デートの映像は映画で設定を変えて正解だと思いますが。
 映画を見てから原作を読むと、映画の印象よりはずいぶんと泥臭い印象で悟もより親しみが湧く感じです。映画の方が美しく爽やかですが、原作の方が微笑ましいように思えました。


ビートたけし 新潮社 2017年9月20日発行

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