既にベテランの域に達した著名な作家である著者が、小説を書き出版したとき、読者の反応、評論・文芸批評などを受けたときなどに思ってきたこと、自分が取ってきた態度等について書いた本。
タイトルからは、これから小説を書くことを考えている読者(ちくまプリマー新書ですから、基本、中高生想定)に、小説を書く以上、あんなこと、こんなことがあります、覚悟して臨んでねという本のような印象を受けます。しかし、実際には、小説家の側の覚悟よりも、経験を語りながら、小説家だって傷つくんだ、無責任な評論家は許せないというニュアンス、ただし他方で自分も読者として偏見を持ち、またそういう読み方をしていることも多々あるので簡単ではない、みたいな反発とためらいを語っている感じです。あと、マイノリティが受ける差別、屈辱と他方で自分がマジョリティ側である領域で自分が犯しているかも知れない問題など…
誤読については、小説家に限らず、私自身、自分のサイトに書いたことについて、どうやったらそういうふうに読めるのか全くわからないような誤読をしてくる人がいるのを少なからず経験しています。小説の場合、本来的に想像の幅を持たせているので作者としてそれを縛らないという姿勢になるわけですが、法律や裁判実務のことで誤解を放置するとよくないことが起こるので、とても悩ましく思っています。

桜庭一樹 ちくまプリマー新書 2025年1月10日発行
タイトルからは、これから小説を書くことを考えている読者(ちくまプリマー新書ですから、基本、中高生想定)に、小説を書く以上、あんなこと、こんなことがあります、覚悟して臨んでねという本のような印象を受けます。しかし、実際には、小説家の側の覚悟よりも、経験を語りながら、小説家だって傷つくんだ、無責任な評論家は許せないというニュアンス、ただし他方で自分も読者として偏見を持ち、またそういう読み方をしていることも多々あるので簡単ではない、みたいな反発とためらいを語っている感じです。あと、マイノリティが受ける差別、屈辱と他方で自分がマジョリティ側である領域で自分が犯しているかも知れない問題など…
誤読については、小説家に限らず、私自身、自分のサイトに書いたことについて、どうやったらそういうふうに読めるのか全くわからないような誤読をしてくる人がいるのを少なからず経験しています。小説の場合、本来的に想像の幅を持たせているので作者としてそれを縛らないという姿勢になるわけですが、法律や裁判実務のことで誤解を放置するとよくないことが起こるので、とても悩ましく思っています。

桜庭一樹 ちくまプリマー新書 2025年1月10日発行

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