多くの病気の原因が寒さなどの厳しい環境の下での過酷な労働、長時間労働、責任感からのがんばり過ぎなどの過酷な生き方、憤激・怒り等の感情などにあるとして、病気にならないためには、体を温め、無理し過ぎず、楽し過ぎない生き方をすべきと提唱する本。
著者は、私たちの細胞が、無酸素で糖を分解してエネルギーを作り激しく細胞分裂をする「解糖系生命体」と、有酸素でさまざまな栄養素からエネルギーを作り細胞分裂を抑える遺伝子を持つ「ミトコンドリア系生命体」が合体してできたことから説明し、交感神経の緊張状態が続くと低酸素低体温状態となり、ミトコンドリア系の働きが弱まることでさまざまな問題を説明しようとしていますが、これが論理的にうまくつながるのか、私には少し理解しにくく思えました。
血液がサラサラならばよいのかという点について、ミトコンドリアが多い細胞(脳・神経系、筋肉)を使う時は血液が酸素を多く運べるようにサラサラがいいが、瞬発力を要する時や細胞分裂(成長)では解糖系が重要になり低酸素低体温の方がよいので血液はドロドロの方がいいという話(75~79ページ)とか、がん細胞はミトコンドリアが少なくなって解糖系生命体に近い(だから細胞分裂が激しい)ので、身体を温めて低体温を避け、深呼吸して低酸素という状態を避ければがんという問題は解決する(103~105ページ)とか、がんも心筋梗塞も脳梗塞も「過酷な生き方に起因する低体温・低酸素」が原因で、現在の脳梗塞の7割くらいは血圧降下剤の効果(低血圧)による血流障害、塩分の控えすぎによる血流不足が原因(131~137ページ)とか、アレルギーは逆に楽し過ぎ、甘いものの取り過ぎ、塩分の控えすぎが原因(182~186、199~202ページ)など、大変興味深い話が満載です。
五十肩は「片寝」が原因ですって。年を取ると寝返りのための力が落ちてきて寝返りの頻度が少なくなった時、肩に負担がかかって血流障害で肩がやられてしまう、五十肩というのはそうして血液の循環能力が低下した時に起こる病気なのだそうです(211ページ)。五十肩に悩む身には、そうだったのかと目からウロコです。仰向けで寝続ければ本当に治るのでしょうか…
最近の医療について、「電子カルテが導入されてからは、医者が患者と接する機会が少なくなりました。医者はパソコンのモニターばかりを見て、患者のほうを見なくなりました。患者を治すためにその表情から苦しみや悩みを読み取ることをしなくなり、また、できなくなりました」(44ページ)と述べています。これ、弁護士の場合でいうと、電子メールでの相談ってこんな感じがします。だから私は、電子メールでの相談はあまり好きじゃないんですが。

安保徹 創英社/三省堂書店 2014年6月30日発行
著者は、私たちの細胞が、無酸素で糖を分解してエネルギーを作り激しく細胞分裂をする「解糖系生命体」と、有酸素でさまざまな栄養素からエネルギーを作り細胞分裂を抑える遺伝子を持つ「ミトコンドリア系生命体」が合体してできたことから説明し、交感神経の緊張状態が続くと低酸素低体温状態となり、ミトコンドリア系の働きが弱まることでさまざまな問題を説明しようとしていますが、これが論理的にうまくつながるのか、私には少し理解しにくく思えました。
血液がサラサラならばよいのかという点について、ミトコンドリアが多い細胞(脳・神経系、筋肉)を使う時は血液が酸素を多く運べるようにサラサラがいいが、瞬発力を要する時や細胞分裂(成長)では解糖系が重要になり低酸素低体温の方がよいので血液はドロドロの方がいいという話(75~79ページ)とか、がん細胞はミトコンドリアが少なくなって解糖系生命体に近い(だから細胞分裂が激しい)ので、身体を温めて低体温を避け、深呼吸して低酸素という状態を避ければがんという問題は解決する(103~105ページ)とか、がんも心筋梗塞も脳梗塞も「過酷な生き方に起因する低体温・低酸素」が原因で、現在の脳梗塞の7割くらいは血圧降下剤の効果(低血圧)による血流障害、塩分の控えすぎによる血流不足が原因(131~137ページ)とか、アレルギーは逆に楽し過ぎ、甘いものの取り過ぎ、塩分の控えすぎが原因(182~186、199~202ページ)など、大変興味深い話が満載です。
五十肩は「片寝」が原因ですって。年を取ると寝返りのための力が落ちてきて寝返りの頻度が少なくなった時、肩に負担がかかって血流障害で肩がやられてしまう、五十肩というのはそうして血液の循環能力が低下した時に起こる病気なのだそうです(211ページ)。五十肩に悩む身には、そうだったのかと目からウロコです。仰向けで寝続ければ本当に治るのでしょうか…
最近の医療について、「電子カルテが導入されてからは、医者が患者と接する機会が少なくなりました。医者はパソコンのモニターばかりを見て、患者のほうを見なくなりました。患者を治すためにその表情から苦しみや悩みを読み取ることをしなくなり、また、できなくなりました」(44ページ)と述べています。これ、弁護士の場合でいうと、電子メールでの相談ってこんな感じがします。だから私は、電子メールでの相談はあまり好きじゃないんですが。

安保徹 創英社/三省堂書店 2014年6月30日発行