2歳の頃に施設前に捨てられて施設で育ち勉強はできるが同級生からは疎まれている中学3年生の今村文人が、コンテストで最優秀賞をとった文人の作文に興味を示して近寄ってきた謎の高校2年生少女と、文人を好んで同級生から守っている少年の家の近くに住む元ヤクザ早川とともに、文人の過去と早川が面倒を見ている認知症の独居老人沙江の身寄りを捜すルーツ探索小説。
スタートは文人と2つ年上の謎の美人女子高生の青春恋愛小説の方向性を見せていますが、次第に文人の出自調査、次いで沙江の身寄り捜しに重点が移っていき、早川との男2人道中が中心になってしまいます。長期連載ではなくて書き下ろしですが、途中で構想が変わったのでしょうか。まぁ青春恋愛小説としては、主人公の文人の心理描写で恋するドキドキ感がほとんどみられないので、それで突っ走るのも無理があるかとは思えますが。
そのあたりも含めて終盤のミステリー仕立てというか、ストーリー重視のつくりで、心理描写とか人物造形とかはあっさりした感じがしました。

軒上泊 中央公論新社 2011年3月10日発行
スタートは文人と2つ年上の謎の美人女子高生の青春恋愛小説の方向性を見せていますが、次第に文人の出自調査、次いで沙江の身寄り捜しに重点が移っていき、早川との男2人道中が中心になってしまいます。長期連載ではなくて書き下ろしですが、途中で構想が変わったのでしょうか。まぁ青春恋愛小説としては、主人公の文人の心理描写で恋するドキドキ感がほとんどみられないので、それで突っ走るのも無理があるかとは思えますが。
そのあたりも含めて終盤のミステリー仕立てというか、ストーリー重視のつくりで、心理描写とか人物造形とかはあっさりした感じがしました。

軒上泊 中央公論新社 2011年3月10日発行