離婚した母と2人暮らしで母の仕事の都合で転校してきた中2の少女守口桂は、クラスメイトとも距離を置いていたが、河原沿いに立つ天翔る竜を連想させる椎の木の下にたたずむ不思議な少年マコトに惹かれ、その後クラスメイトの引っ込み思案の優等生江坂真琴から誘われるようになり、真琴の秘密を打ち明けられ・・・というストーリーの青春小説。
両親の離婚と母親の放任を疎ましく感じていた桂の母親の考えへの理解と、父親の母親への暴力を目の当たりにして母親の弱さ・不幸を感じ「女は損だ」と思うとともにその母親から自分の将来の夢を否定されて悲嘆し揺れ惑う真琴の自主性の回復という2つのテーマでの少女の成長を描いています。
女子同士の友情と淡い恋心を、「あの時のときめきとせつなさと、そして真琴と二人だけでわかちあった思い。私は、一生、忘れないと思う。」(191ページ)と心の中で表現する桂の心情がしみじみといいなぁと思いました。

濱野京子 あかね書房 2010年10月25日発行
両親の離婚と母親の放任を疎ましく感じていた桂の母親の考えへの理解と、父親の母親への暴力を目の当たりにして母親の弱さ・不幸を感じ「女は損だ」と思うとともにその母親から自分の将来の夢を否定されて悲嘆し揺れ惑う真琴の自主性の回復という2つのテーマでの少女の成長を描いています。
女子同士の友情と淡い恋心を、「あの時のときめきとせつなさと、そして真琴と二人だけでわかちあった思い。私は、一生、忘れないと思う。」(191ページ)と心の中で表現する桂の心情がしみじみといいなぁと思いました。

濱野京子 あかね書房 2010年10月25日発行