現代日本美術の作品を過去の主として国宝・重文級の作品と対比させながら解説する本。
著者が美術研究者でなく編集者というところから、本のスタイルは雑誌のムック風ですし、論じ方も大胆な感じがします。
基本的には、私の知らない現代美術作品が、過去の著名作品と並べられることによってある種権威付けされ、持ち上げられるという性質の本です。現代美術の作品だけに作者が今も生きていて、そちらの評価は遠慮がちと言うか少し媚びを感じます。他方、古典の名作についても、発表当時は現代美術だったわけでそんなにしゃちほこばって見るのはやめましょうやという意味もあります。そういう作品の相対化というか、視点の流動化が楽しく感じられます。
現代作品と古典名作の対比取り合わせも強引なところが散見されます。取りあげた作品、特に現代美術作品への著者の思い入れも強く、読んでいてどうしてこれが取りあげられるの?って思うことも多々あります。そういう点も含め、著者の主張がかなりはっきりしているので、それに共感できるかによって、かなり好みの別れる本でもあります。

和田京子 平凡社 2010年3月25日発行
著者が美術研究者でなく編集者というところから、本のスタイルは雑誌のムック風ですし、論じ方も大胆な感じがします。
基本的には、私の知らない現代美術作品が、過去の著名作品と並べられることによってある種権威付けされ、持ち上げられるという性質の本です。現代美術の作品だけに作者が今も生きていて、そちらの評価は遠慮がちと言うか少し媚びを感じます。他方、古典の名作についても、発表当時は現代美術だったわけでそんなにしゃちほこばって見るのはやめましょうやという意味もあります。そういう作品の相対化というか、視点の流動化が楽しく感じられます。
現代作品と古典名作の対比取り合わせも強引なところが散見されます。取りあげた作品、特に現代美術作品への著者の思い入れも強く、読んでいてどうしてこれが取りあげられるの?って思うことも多々あります。そういう点も含め、著者の主張がかなりはっきりしているので、それに共感できるかによって、かなり好みの別れる本でもあります。

和田京子 平凡社 2010年3月25日発行