官能小説(ポルノ小説)の戦後の歴史と分野別分類を論じつつ濡れ場シーンを紹介する本。
警察の摘発とそれをかいくぐる表現を工夫する作者・出版社の対応、様々な作家の登場や新たな分野の開拓、ノベルズサイズや文庫化で読者層を拡げてきた経緯などが、戦後の歴史として語られていて、この部分がこの本の大部分を占めています。後半での分野別分類は、むしろ濡れ場シーンの紹介のためのような感じで読者サービスの色彩が強い感じ。全体としては歴史に重点が置かれて、その中での作者の紹介という要素が大きいので、かつて週刊誌や夕刊紙で見た作家へのノスタルジーを感じられる層向けの本かなという気がします。
紹介した作品の濡れ場シーンの抜き書きも多々ありますが、「官能小説を読むときに、セックスシーンだけを拾い読みする読者もいるだろうが、それで淫心をかきたてられるのは、せいぜい十代の勃起少年ぐらいのものであろう」(208ページ)と著者も言っているくらいですから、それを狙って読むようなことは・・・

永田守弘 ちくま新書 2010年3月10日発行
警察の摘発とそれをかいくぐる表現を工夫する作者・出版社の対応、様々な作家の登場や新たな分野の開拓、ノベルズサイズや文庫化で読者層を拡げてきた経緯などが、戦後の歴史として語られていて、この部分がこの本の大部分を占めています。後半での分野別分類は、むしろ濡れ場シーンの紹介のためのような感じで読者サービスの色彩が強い感じ。全体としては歴史に重点が置かれて、その中での作者の紹介という要素が大きいので、かつて週刊誌や夕刊紙で見た作家へのノスタルジーを感じられる層向けの本かなという気がします。
紹介した作品の濡れ場シーンの抜き書きも多々ありますが、「官能小説を読むときに、セックスシーンだけを拾い読みする読者もいるだろうが、それで淫心をかきたてられるのは、せいぜい十代の勃起少年ぐらいのものであろう」(208ページ)と著者も言っているくらいですから、それを狙って読むようなことは・・・

永田守弘 ちくま新書 2010年3月10日発行