ワールドカップの前に読んだ方がよかったとは思いますけど・・・
1964年~1978年のヘルムート・シェーン監督時代の西ドイツサッカーの黄金時代のレポート。当時を知る人がノスタルジアに浸ることを狙って書かれている本ですけど、当時のことを知らない私にも、サッカーの読み物として興味深く読めました。
プロローグでは、最近のドイツサッカーと違って当時のドイツは1人1人がテクニックに優れ、世界でも有数の美しいプレーをしていたということが書かれていて、そのあたりを紹介する本のように読めます。しかし、そういう期待で読むと、今ひとつ、本文を読んでもよく読み取れませんでした。多数のビッグネームが並んでいることから、当時の選手を知っている人達には、これで十分わかるのかも知れませんけど。最近との違いというよりも、単純に著者が昔から暖めていたシェーン監督時代のドイツチームの闘いの紹介(エピローグではそういう経緯が書かれています)という位置づけで読む方がいいと思います。
代表チームのサッカーのスタイルについては、サッカーファンの議論は尽きません。私は、スタイルとしては、オランダの「トータルフットボール」信奉者です。でも、国別のスタイルの議論って、ある種、思いこみが強くなりがちです。オランダも、いつでも「トータルフットボール」とはいえませんし、90分持たなかったりしますし。ドイツも、今回はクローゼも脚での得点が多かったし、それほど「面白みのないサッカー」ではなかったと思います。イタリアだって攻めが多彩になっているし(なんせ得点者10人ですし)。他方、ブラジルだって、ガーナ戦ではまるでイタリアのような引いて守っての速攻でした。それでもカウンターをきちんと決められるのが「王者」なんでしょうけど、「引いて守るブラジル」なんて見たいサッカーファンがいるでしょうか。あのゲームは思い切りガーナに肩入れして見てしまいました。今回の大会では、よかれ悪しかれ、強豪チームのスタイルは似てきて、国別の個性ってあまり感じられなくなっているような感じがしました。ワールドカップを見る観客の立場からは、そのあたりはちょっと寂しい思いもありました。

・・・本の論評から離れちゃいましたね、つい・・・
明石真和 大修館書店 2006年6月20日発行
1964年~1978年のヘルムート・シェーン監督時代の西ドイツサッカーの黄金時代のレポート。当時を知る人がノスタルジアに浸ることを狙って書かれている本ですけど、当時のことを知らない私にも、サッカーの読み物として興味深く読めました。
プロローグでは、最近のドイツサッカーと違って当時のドイツは1人1人がテクニックに優れ、世界でも有数の美しいプレーをしていたということが書かれていて、そのあたりを紹介する本のように読めます。しかし、そういう期待で読むと、今ひとつ、本文を読んでもよく読み取れませんでした。多数のビッグネームが並んでいることから、当時の選手を知っている人達には、これで十分わかるのかも知れませんけど。最近との違いというよりも、単純に著者が昔から暖めていたシェーン監督時代のドイツチームの闘いの紹介(エピローグではそういう経緯が書かれています)という位置づけで読む方がいいと思います。
代表チームのサッカーのスタイルについては、サッカーファンの議論は尽きません。私は、スタイルとしては、オランダの「トータルフットボール」信奉者です。でも、国別のスタイルの議論って、ある種、思いこみが強くなりがちです。オランダも、いつでも「トータルフットボール」とはいえませんし、90分持たなかったりしますし。ドイツも、今回はクローゼも脚での得点が多かったし、それほど「面白みのないサッカー」ではなかったと思います。イタリアだって攻めが多彩になっているし(なんせ得点者10人ですし)。他方、ブラジルだって、ガーナ戦ではまるでイタリアのような引いて守っての速攻でした。それでもカウンターをきちんと決められるのが「王者」なんでしょうけど、「引いて守るブラジル」なんて見たいサッカーファンがいるでしょうか。あのゲームは思い切りガーナに肩入れして見てしまいました。今回の大会では、よかれ悪しかれ、強豪チームのスタイルは似てきて、国別の個性ってあまり感じられなくなっているような感じがしました。ワールドカップを見る観客の立場からは、そのあたりはちょっと寂しい思いもありました。

・・・本の論評から離れちゃいましたね、つい・・・
明石真和 大修館書店 2006年6月20日発行