ギアナ(南米)とカメルーン(アフリカ)でイギリスから派遣された医師として地域医療に従事した著者の父の半生と著者が子どもの頃に過ごしたナイジェリアでの生活と自然をつづった回想録。
著者は人生の大部分を父と離れて暮らし、父から直接アフリカでの生活などは聞いていないため、著者の父の半生については父の思いは推測で書かれていて、その分、伝記としては弱くなっています。ただ父の半生の部分は、戦争とイギリス政府の植民地政策に振り回された人生が淡々と書かれていて、戦争と植民地政策への静かな抗議になっています。フランス人作家の著者がこの本を書いた目的は、そのあたりにもあるのでしょう。
そういう思いがあるのか、薄い本のわりに重くて読むのにけっこう手間取り生ました。
ル・クレジオ 訳:菅野昭正
集英社 2006年3月22日発行 (原書は2004年)
著者は人生の大部分を父と離れて暮らし、父から直接アフリカでの生活などは聞いていないため、著者の父の半生については父の思いは推測で書かれていて、その分、伝記としては弱くなっています。ただ父の半生の部分は、戦争とイギリス政府の植民地政策に振り回された人生が淡々と書かれていて、戦争と植民地政策への静かな抗議になっています。フランス人作家の著者がこの本を書いた目的は、そのあたりにもあるのでしょう。
そういう思いがあるのか、薄い本のわりに重くて読むのにけっこう手間取り生ました。
ル・クレジオ 訳:菅野昭正
集英社 2006年3月22日発行 (原書は2004年)