よみうりカルチャーの単発講座で「国立劇場・初春歌舞伎公演 観劇と尾上菊之助アフタートーク 」と題して今日のお昼の公演の観劇とそのあと、イヤホンガイドのおくだ健太郎さんと菊ちゃんのトークショーという特別イベント。
しかし、土曜のお昼はお稽古なので諦めていたら、アフタートークショーのとこだけ500円で入場できることになり、そんならレッスン後でも間に合うとチケット入手。
レッスン終えて若干の時間があったのでKaHちゃん、MaOちゃんと高田馬場のThe Cotton Clubでランチ
ボリューム満点のパスタにサラダが付いて、ドリンク飲み放題と、さすが学生街の喫茶店。
腹ごしらえも万全にて、半蔵門の国立劇場向かいました。
講座参加者はお席は花道から上手側の前から10列くらいまでだったので400人くらい(かな?)
いただいたチケットは3列目中央ブロックだったので近くで観ることができました
お芝居のほうが4時前に終わり、アフタートークは4時半すぎから始まりました。
まず、おくだ健太郎さんが登壇され、自己紹介や前説もなく、
「きっと皆さんも私も同じ思いでしょう。”菊之助さん、ハ・ヤ・ク・キ・テ”早速お呼びしましょう」
と、間を置かず菊ちゃん登場。
淡い色の着物と袴姿で、メイク落として顔を洗ったままなのか、ほっぺがピカピカ
おくださん、「今月色々なお役をやられてますねー。お姫様、中居、武家の奥方からほっかむりの大工で元は侍・・・そして家へ帰ればすてきなしてご主人でパパになる・・・」
とプライベートなお話しの誘導もうまいこと持っていってくれます。
そこで、結婚して大きく変わりましたか?と聞かれ、結婚生活より歌舞伎座の新開場で心構えに変化があったと、菊ちゃん。
劇場は役者たち培った風合いがにじみ出るものだから、前の歌舞伎座も先輩方の努力で小屋の空気も作りあげられたから、自分もこれから後世のために責任を感じると・・・。
大御所が続いて他界された歌舞伎界で自分のポジションも重く受け止めてるようです。
そして国立劇場のお正月では恒例となった復活狂言の上演について、産みの苦しみ秘話公開。
春くらいに方向性を決めて、夏くらいに第一校ができてきて、そこから年末まで序々に膨らませていくそうです。
ギャグ挿入も、その年のハヤリを年末まで検討して選ぶそう。
頻繁に上演される芝居は練られてるけど、新作やずっと上演されていなかったものは試行錯誤の連続で
「まだまだお目まだるいとこもいっぱいあると思います」と苦悩顔。
今回の芝居も、外国(高麗)のシーンは原作にも書いてあったけど、どう描くか、武士で大工というイミフな設定もあり、原作は長いけどそれを整理し、筋を通して面白くするというのがタイヘーンとのこと。
今回、外人、武家の女房、遊女、大工、と 男女さまざまな役をこなしてる菊ちゃんですが、ここでおくださんが
「女形の菊之助さんと立役の菊之助さん、どっちがいいですか?」
答えは拍手で、と問われたところどっちも~
菊ちゃんは女形、立役どっちも好きでどっちも面白くやっていると、兼ねる役者宣言。
なんと、夢は歌舞伎の役、全役やりたい、と。
えー、でも、意休とかはムリだろ
そこでお三月の京都でのお役の話。
初役の源氏店の与三郎、以前海老蔵襲名の時に海老与三でお富をやってるから、手順はわかりながらも、わかってるというのが一番怖い、段取りめいてしまうからと引き締まったお言葉。
確かにー。段取り上手な芝居よりワクワクするお芝居を観たいわん。
来月は何度もやっている弁天小僧。
おうちの芸だけど、”弁天小僧菊之助”だけど、重いんですよー。
江戸、明治に書かれた作品で何度も上演されているものは深いなー。
汲めども尽きない魅力があるなー。
としみじみ語る菊ちゃん。
弁天といえば先週やった歌舞伎研修発表会で指導する側だったけど、観てて
「歌舞伎って面白いなーって思っちゃった」と微笑ましい感想も。
おくださん、仕切り換えをして、結婚して変わったとこはなんでしょ?との問いに
「家に帰るようになった」
ん?前は夜遊びしてたのか?
で、育児は妻に任せっきりで僕はオムツかえたりミルクあげたるするくらいです。と。
おちょこっとは育メンしとるのかー(o^m^o)
今後は子供を持った親の気持ちの役作りが違ってくるんじゃないですか?
政岡とか、こないだやった四谷怪談だって母の役でしょ?と聞かれたら
菊「伊右衛門の気持ちは良くわかります。」
客席「シーン」
菊「あ、シーンとなっちゃった・・・嘘です」
いやいや、誰もDV自分勝手殺人鬼に同感する菊ちゃんだと思ってないですから~
その流れで役作りのやり方について、菊ちゃんは「役の累計にはめて、バックグラウンドや佇まい、など考えてイメージするとこから始める」という手法とのこと。
未知の役を作り上げるのはたいへんだけど、今月は歌舞伎座でも新作、浅草でも復活とかをやっていて、もっと出てないものをやっていきたい、と抱負を語ってましたが、さっそく来月の昼の『心謎解色糸』もずっと出てないものなのでほぼ新作みたいなものだそうで、おなじみ「お祭り佐七」とは違うらしい・・・(今知った)
最後の質問、「どんな役者になるたい?」に、
「芝居を観にきたかたが時間を忘れるような、まるで旅行に出たみたいな気持ちになってもらえるような芝居ができる役者になりたい」
なんと、ポエマーな回答でトークショーは終わりました。
菊ちゃんを始め、世代がどんどん若手というポジションから主要メンバーになっていく昨今、重責を感じで前向きに頑張ってるなー、というのがわかるトークでした。
よみうりカルチャー観劇講座
「初春歌舞伎公演 観劇と尾上菊之助アフタートーク 」
平成26年1月25日(土)
国立劇場
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