紫蘇の効用

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納涼歌舞伎・裏表先代萩

2007年08月16日 | 歌舞伎

勘三郎さんご贔屓のYuYさんと納涼歌舞伎にお出かけ
18:00からの通し狂言 裏表先代萩を観劇です。

 下男小助乳人政岡仁木弾正:中村 勘三郎
 倉橋弥十郎細川勝元:坂東 三津五郎
 八汐:中村 扇雀
 栄御前:片岡 秀太郎
 沖の井:片岡 孝太郎
 松島:市川 高麗蔵
 大場道益横井角左衛門:坂東 彌十郎
 荒獅子男之助:中村 勘太郎
 足利頼兼:中村 七之助
 渡辺民部:尾上 松也
 山中鹿之助:坂東 新悟
 絹川谷蔵:片岡 亀蔵
 渡辺外記左衛門:片岡 市蔵
 家主茂九兵衛:市村 家橘
 下女お竹:中村 福助

何が裏表?と思ってたら伽羅先代萩に一幕おきに世話モノを挿入して微妙にストーリーにからめててて、オリジナルのほうを【表】、世話のほうを【裏】として通し狂言となってるのでした。

序幕 花水橋の場
頼兼の七之助くん、放蕩息子オーラは出てるけどなんとなく色気不足・・・
にょきーんと立ってると思うとヨタヨタ~と千鳥足が段取りっぽくて硬い感じがしちゃう。
酔っ払いは得意じゃないのか
睨み一つで捕手に恐れられるくらいの風情が出るにはまだ時間が必要ですかねー。
おすもーさん絹川もいっそ若手にしちゃえば花形の爽やか一幕って感じになったかも。

二幕目 大場道益宅の場
ここは【裏】のほうで世話ものの風景です。
小助の勘三郎さん花道から橘太郎さんと登場。
なんだろーあの着物。
弁慶格子の前掛けみたなのに薬屋さんがよく着てる羽織。
あの羽織脱いだらお尻とか丸出しなの
そして笑える薬屋さん道益の彌十郎さんの眉毛、目よりぶっとい

棒手振りで菊十郎さんが登場。
すごいでかい声にマイク付けてるのかと思っちゃった。
小助は主人道益から金を盗み殺してしまうという凄惨なシーンも勘三郎さん&わんこの登場でコミカルな感じになります。

三幕目 足利家御殿の場
【表】となります。
通常の御殿の場の縮小バージョン。
勘三郎さんは妙齢のオンナが似合う~。
御簾が上がって、御膳持ってる姿は型もきれい

山科閑居のお石なんかも良かったし、こういう芝居だと静かな中に動く感情が見えてとてもいいです。
でも【裏】【表】で内容にぱきっと違いをつけてる流れのなかで政岡はいささか世話っぽい気がしました。
御殿つとめのバリキャリか子を愛する母かという狭間で微妙なとこ行ったんでしょうか。

「でかっしゃった」の言い出しの間とかはさすが~って感じだけど、そのあと義太夫のリズムにのりすぎてなんだかテンポよすぎで悲しさが伝わってこなくなった。

去年、伽羅先代萩で仁左さま八汐をぴしゃりとやった鶴千代君:下田 澪夏ちゃんが今回も同じお役。
高音セリフ、やはりばっちりでした。

八汐が扇雀さんというのが意外にハマってて、おばちゃんの怖さ全開でした~

孝太郎さん、高麗蔵さんの二人が片はずしが似合っていて少しの出番でもぴりっとした空気。
女だけの場でこのキリリ感は良いですー。

そして床下の場、笑っちゃうんだよねー、いつも。
ねずみがでっかいんだもの。
御殿の場で巻物くわえてくときはちっちゃいのにここでは荒獅子男之助と同じ大きさ。
男之助がねずサイズなの?と想像してしまうと 小さくなって潜んでるミニチュア男之助。なんかかわいい

ねずみさん、きれいにバック転決めて、片ひざくるくるブレイクダンスも高速~

勘太郎くん男之助「残念だ~」がいまひとつ声が伸びず、まさに残念だ・・・

政岡から仁木弾正への大変身ですっぽんからせり上がってきた勘三郎さん、汗ダラダラ~
でもカオ(化粧)うまい~

大詰 問注所小助対決の場
おなじみ仁木弾正と渡辺外記左衛門の対決の場がここでは二幕の【裏】の世話の人々の裁きとなっています。
下女お竹下男小助
勘三郎さん、へんな顔いろいろしてて、ワルだけど小物といった風情が出てる
三津五郎さんの裁きっぷりが鮮やか

控所仁木刃傷の場
誰がやってもネットのアンダーシャツの盗人ルックってカッコ良くなるのかな。
仁木弾正の後半ってかっこいいよね
松也くんの活躍が嬉しい   裸足なんだ・・・



八月納涼大歌舞伎
平成19年8月11日(土)~29日(水)
歌舞伎座