尾車氏とスケジュールが合致した私は、本年初の試乗会に出掛けた。
尾車氏の進言により、チョイスしたクルマは、「日産・ノートe-POWER FOUR」。
「e-POWER 4WD」の、冬の札幌での走破性を確認したいという、氏の意向である。
試乗させていただいたグレードは、「e-POWER MEDALIST FOUR ブラックアロー」(税込車両本体価格264万600円)だった。
まずは、ユーティリティチェック。
容量十二分の荷室は、掃き出しなので、重いモノの積み下ろしもやりやすそうだ。
これは、「荷室下にハイブリッドバッテリーや後輪駆動メカを収納するがゆえに床が高くなった」ことによるのだが、むしろ日常の使い勝手は、コチラの方が上だと思う。
リヤシートを倒すとほぼフラットになるのも、荷室の床が高くなってしまったことの、逆メリット。
絶対容量を重視して変に段差ができるよりも、この方が、ずっと使いやすい。
ラゲッジ下には、バッテリー等の補機類が鎮座ましましており、やはりというか、当然というか、スペアタイヤレスである。
まあ、この時代。
スペアタイヤの有無にこだわる私のような男は、昭和の遺物になってしまったといえるのかもしれない。ううっ。
履いていたシューズは、185/65R15のヨコハマ「iceGUARD」だった。
手のひらに汗をかきやすい体質の私に嬉しい、本革巻ステアリング。
プッシュコントロール式の空調コントロールは、扱いやすそうではあるが、動作表示窓が下方にあるのは、残念なポイントである。
電気自動車感を演出する、「電制シフト」。
車両後方にあるカメラの映像を映し出す「インテリジェント ルームミラー」。
「後席に人が座っていても後方視界がクリアとなる」ことはもとより、「ドライバーが交代しても微妙な角度合わせがほぼ不要である」等、そのメリットは案外大きい。
尾車氏が適正なドライビングポジションを撮った際の、後席のニールームは、こんな感じ。
ファミリーカーとして、必要十分な、広さである。
それよりも私が気になるのは、私自身の突き出たお腹である(^^;
さて、私も運転させていただいた。
しっとりと、直進方向に据わった、ステアリング。
ハイブリッドならではの、確かな静粛性。
そして、しっかりと4輪が駆動して、スリッピィな路面を掴むように走ることの、安心感。
加えて、前席下に配された「駆動用バッテリー」が功を奏してか、重心低く、しっとりとした乗り味。
ボディも、剛性感があり、まるで欧州車のようといったら、ホメすぎか。
また、このクルマの特色である、いわゆる「ワンペダルドライブ」も、滑りやすい路面では大いに有用。
一般的なクルマの氷結路面ブレーキング時には「ブレーキロック≒ABS作動」により、制動距離が伸びてしまう心配がある。
しかしながら、このクルマは、アクセルペダルを離すだけで、確かで頼もしい制動力を味わわせてくれた。
「ノートe-POWER FOUR」。
私の想像以上に、いいクルマだった。
そのスペースユーティリティや視界・取り回しのよさも、見逃せないチャームポイント。
カルロス・ゴーン氏逮捕で、揺れる日産だが・・・
はっきり言おう。私は、プリウスよりも、このノートの方がずっとイイと思う。
ベストセラーには、ワケがあるのだ。