昨日はANS(
archinest shizuoka)の仲間と免震住宅の勉強会を行いました。免震住宅とは建物の基礎と上部構造の間が地震時に自由に動くようにしておくことで、地震の揺れが建物に伝わりにくくするというものです。耐震は地震力に耐えるように建物自体の強度を増すわけですが、免震はは建物が地震の揺れを受けないシステムです。耐震性能が優れていて建物が壊れなくても室内は激しく揺れることが予想されますが、免震されていれば建物が壊れることもないし室内が激しく揺れることさえも起こらないというわけです。
まずは免震部材のメーカーの事務所でシステムの内容、設計方法などの説明を受け、いくつかの質問にも答えていただきました。縦揺れにはだいじょうぶなのか、強い風によって揺れることは無いのか、メンテナンスは?などなど。一番気になるコストについては…やっぱりそれぐらいかかるのかという感想です。免震部材だけではなくそれに絡んで必要になる構造部材、地盤調査量、設計料などを含めれば400~500万、それ以上はかかるイメージです。
その後現在建設中の現場の見学に行きました。2階建ての木造住宅、建前が終わり外壁を造っている段階でした。床がまだ張られていないので、床下の免震部材を見ることができました。外から見て普通の家と違うのは、玄関ポーチ、勝手口などが片持ちで、地面と分離されている、エアコンの室外機が地上でなくて建物本体にくっついている、雨どいの下部が地中管に固定されていない、といった程度です。しかし、床下をのぞいてみるとスライドする部材やダンパー、復元ゴムといった免震部材が20個以上が設置され、建物を支える土台部分も通常のものに比べてかなり剛性の高いものになっています。上部のつくりに対して、足元がかなり重装備といった印象です。
コストがかかるのでなかなか採用されにくい技術ですが、実際に施工されている実績もあるなかで知識としてはもっていたい分野だったので、今回の勉強会は有意義でした。実物を見ることができたのがよかったです。