やれこら やれこら 昨日も今日も

自分だけはと力んでみても,膝はガクガク,息ハアハア。会話は「アレ,ソレ」そして「やれこら」。鍛えるべきは皮肉とジョーク。

秋祭り   やれこら やれこら

2014-10-06 07:35:28 | 今日のやれこら
今日は八幡神社の祭りです。
この祭りは,各地区からの神輿が八幡神社に集まる町内最大の伝統行事です。

私の住む町には各地区に神社が有り,それぞれに名前がついています。
その内の一つが貴船神社で,私の地区にある神社です。
この神社は名前の通り,京都に有る貴船神社から分詞されたものと聞いています。
その貴船神社に来ています。
八幡神社から“神様”を載せてくる御神輿をお迎えし,“お供”を接待するためです。
御神輿は一日かけて各地区の神社を廻ります。
この御神輿の事を,当地では〝花神輿“といいます。

花神輿には神主さんと20人ほどの“お供”がいます。
”お供“は各地区の世話役と花神輿を先導する”お道具もち“と言われる小学生です。
花神輿は車に乗ってきますが,神主さん以外の“お供”は徒歩です。
花神輿が到着すると車から降ろし,神社の狭い“社殿”まで移動させます。
その移動させるのが,集まった地区の氏子たちの役目です。
そして,神主さんがあげる祝詞をみんなで恭しく聞き,二礼二拍一礼します。
それらが済むと,”お供“に形ばかりの接待をし,花神輿を車に乗せます。
この後,花神輿到着前に準備した,幟や“社殿”に張った幕を片づけます。
私の地区の今年の祭りは,これで終わりです。
時間にすれば,20分です。
八幡神社に神輿を担いで行かないからです。
担ぎ手が足りなくなったのです。
今日も私たちの神輿は貴船神社の蔵に入ったままです。

10年前まではまだ,地区の氏子は何とか神輿を担ぐ元気がありました。
宵宮には,“重い”神輿を八幡神社の境内まで皆で担いでいきました。
八幡神社の神輿蔵に,各地区の神輿が集まっています。
どの神輿も磨き上げられていました。
磨くのは,毎日が日曜日になった“お年寄り”の仕事でした。

祭り当日は景気づけの一杯を飲み,八幡神社の境内で“神輿廻し”の競争です。
競争が一段落すると,担ぎ手みんなで境内に輪を作り,踊りの奉納をしました。
その時に謡われる“祭り音頭”はこの地方独特のもので,何とも耳に残る節回しでした。
一連の行事が終わると,又貴船神社まで皆で神輿を担いで帰ります。
神輿の上には“音頭取り”と言われる一人が乗っていました。
音頭取りは帰る道中,少しも休まず“祭り音頭”を歌い続けます。
「ソレ,ヤートコセイー,ヨーイヤナー」
担ぎ手もお供の子供も,その音頭に合わせて合いの手を入れました。
貴船神社に着く頃には,もうみんなグッタリです。
ですが,最後の力を振り絞り境内で神輿を廻し,踊りを奉納しました。

今年も,隣の地区からは“祭り音頭”が聞こえてきます。
「ソレ,ヤートコセイー,ヨーイヤナー」も聞こえます。

“51かぁー,これではとうてい無理だ”
今日貴船神社に集まったなかで一番若い,氏子“男子”の歳です。
集まった氏子の四分の三は神輿を“磨く係り”の“お年寄り”です。
“祭り音頭”を謡っていた氏子はいなくなりました。
そのうち,花神輿を車から降ろすこともできなくなるかもしれません。                 
                  やれこら やれこら