小林美希の取材日記(つぶやき)

取材を通して思う素朴な疑問や、日々の出来事を紹介します。 

記者の質の劣化

2012-09-23 02:21:02 | Weblog

 さて、本日から遅い夏休み。ちょっと気が緩んだので、久々のブログ更新だが、辛らつなこと書いちゃうかな。。。

 最近、人のふりみてわがふり直せ、と思うようなことばかり。


 つい先日も、大手新聞記者で同世代の中堅が私に取材に来てくれたが、記事が出るまでの過程がひどく、記事も微妙。アエラ風に器用に書いていたが、同業や詳しい人が読めば、勉強不足、取材不足、構成の未熟さが一発で分かる。

 まず、職場流産についてのレクチャーをした。それはいい。問題意識が広がるので、協力した。すると、実際に働きすぎで流産した人を探すのに苦労したようだ。それは当然だ。私だって、取材を重ねて信頼関係ができたなかで、たまたま打ち明けてくれたものを3年かけて本にしたのだから。
 その記者は、安易に、労働組合に対象者の紹介を頼んでいた。
 まぁ、それも、悪いことではない。
 が!!その記者は、会ったこともない労組の幹部に電話一本で頼んで、挨拶も取材もしないまま記事になるまで、一切、直接会っていなかったのだ。信じられない!!記者というのは、いろんな人に世話になって初めて記事が書けるのであって、礼節を重んじなければならない。謙虚さを欠いてはいけないのに、電話一本で・・・・・。

 それで紹介を受けたそうなのだが、途中で、私に、2人取材した1人は労働環境が良かったから使えない。もう1人は60代の人を紹介されちゃったどうしよう・・・・。最終的に、私に著書に出てくる人を紹介してと「メール」がきたので、叱ってしまった。
 だから、懇切丁寧に、労働環境が良くても、個人差があることだし、とか、60代になってはじめて他人に流産の辛さを言えることもあるから、後輩たちのためにアドバイスしているような話を聞いてみては?とアドバイスすると、そのとおり、アエラ風にきれいに記事におさまっていた。

 まー、記事のクオリティもそうだが、取材を頼む時の話を聞いて私は怒りすら覚えて、同業として恥ずかしいと思った。


 そして、他にも。
 絶対に私が読まない、ロハス系というか、なんというか、自然なお産とかそういうのが好きそうな月刊誌。
 やはり「ルポ職場流産」を読んだといって、インタビューに来た10歳くらい上のライター。
 問題意識も高く、いい人と思ったが、できた記事をみて唖然。。。

 言ってもいないことが書かれていた。問い詰めると、他の人への取材時に関連して話題になったので入れたと。法律の話で、私はちょっとあまり強くいえないというか、それってあったっけ?みたいな話が入っていて、法律をみても、そのライターが書いたことの根拠がない。私の勉強不足だと恥ずかしいので、「それを入れるなら、法的根拠を教えて」と連絡すると、根拠を示せない。だったら問答無用で削除だと思って、削除してもらった。
 法律の話で妊産婦の権利についてのQ&Aなのに、言ってもない、しかも、根拠がないことを勝手に書いたベテランライター・・・。恐ろしい。

 二度とその人の顔も名前も見たくないと思うほど、怒ってしまった。

 こわーい。こわーい。

 私も気をつけなきゃーーーー。

 こんな感じのことが多くて、しょっちゅう、怒ってしまう今日この頃。

 ブログに書いて、ちょっとスッキリ。

 本当に、初心に返って、私も気をつけなきゃ。
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