小林美希の取材日記(つぶやき)

取材を通して思う素朴な疑問や、日々の出来事を紹介します。 

先生②

2008-11-20 23:03:20 | Weblog
 取材が早めに終わって帰宅してから眠気に耐え切れず1時間ほど爆睡してしまった。
 このブログで特定の人を褒めたり批判したりということはしないのが自分で決めた原則なのだが、特別に書きたいことは例外で書きたい。
 で、野田先生の話に少し戻る。

 先生は社会学者を信用しないといっていた。
 私もちょっと同感している。
 今、この雇用問題の急場に解決策が提言されないのは、社会学者が一番大事な時に自分の名誉欲を先行して地道な実態調査を行わず、安易な海外の政策を視察したにすぎない提言に留まったからだと見ている。
 おかげで、当局が法改正をしようにも実態を掴まず、労組頼みの状態。その労組も、本当の現場の声を吸い上げず、役所との話し合いが滞った。
 だからこそ、現場の取材を地道に重ねていかなければならないと思った。

 先生の言葉を聴いていて、私は心底、その言葉ひとつひとつをノートしながら噛み締め、ああ、私はこの話を活字にして残したい。現在、後世に遺したい。そう思った。そうした思いは、ルポも同じなのだ。この現場の声を今、伝え、残さなければいけないと思うのだ。それが、活字媒体に関わる者の心意気なんじゃないかと思い返し、胸が熱くなった。

 伊藤忠商事の丹羽会長の言葉をなぜか思い出した。
 人は仕事によって磨かれる。
 
 私は論文を書いているのではなく、記事を書いているのだが、市場にさらされれば、いろいろな見方をされる。応援してくれる人、批判してくれる人、善意もあれば悪意もあるが、その両方に感謝しなければならない。両方があってはじめて、自分の仕事がよりよいものになるからだ。

 野田先生の受け売りだが、「ハッキリものを言うと敵も作るが、同時に強烈な味方ができた」という生き様が私は好きだ。そうした先輩たちの生き様を見て、私もいろんな覚悟ができてくる。こうした気持ちになるのは、いろんな話を聞けるからだ。それを自分だけのものにするのではなく、いろんな人に知って欲しいと思うからこそ、そうした前向きな話も是非、活字にさせてもらいたいと思ってやまないのだ。

 先生の話を聞きながら、日本がファシズムという失敗を繰り返さないよう、今の動きを冷静に見つめ、問題を訴え続けなければならないと思った。今、何かを先導する人が正義だとは限らない。しかし、それを支持してしまう大勢なのが現状なのだ。これは、極めて危険だ。だから、中立の立場を貫く第3の目が必要なのだろう。
 

 

 




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