父親のヴァイオリンを娘が受け継ぎ、娘のヴァイオリンは父親に託す。
父親の方は意外に早く気持ちの整理がついたようですが、
価値の高いヴァイオリンを手にすることができる娘の方が、
かえって気持ちの整理ができるまでに時間がかかったようです。
約6年半の間、大切な相棒だったヴァイオリンとのお別れです。
いろいろ話をしたそうです。
楽しい思い出も、辛い思い出も、山ほどあるでしょう。
初めてのフルサイズ、フランスでも上海でも一緒でした。
高2の時に家族と離れ、一人日本に帰国し、慣れない寮生活をした時も一緒でした。
まさに苦楽を共にしたヴァイオリン。
たくさんの感謝の気持ちを伝えたそうです。
適切な時期に適切な形で、円満にお別れできたのではないかと思います。
こうして娘は、大学2年生の夏休みの間に、
父親が約30年間大切にしてきたモダンイタリアンのヴァイオリンを
手にしたのでした。
でも、そのヴァイオリンとはなかなか仲良くなることができませんでした。
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