@最近の日本は政治家も含めて「目先にこだわる」(ファスト感)が多く、先行き考えず「手っ取り早く結果を求める」などましてや「長期展望」を望まない傾向が多いのはこの「ファスト教養」なのか。厄介なことは「先延ばし」で将来誰かが対処するだろうと楽観視、その場限りの自己満足型人間が増えてきた。一言、「せこい世の中」に成りつつある。責任概念なき個人主義(儲け主義)など隆盛となり「世間離れした世界に夢を抱く」若者が増え、実際は世間との共有、共感などなく利己主義中心的な世が蔓延しているのは悲しい。
『ファスト教養』レジー
「概要」「教養=ビジネスの役に立つ」が生む息苦しさの正体 社交スキルアップのために古典を読み、名著の内容をYouTubeでチェック、財テクや論破術をインフルエンサーから学び「自分の価値」を上げろ───このような「教養論」がビジネスパーソンの間で広まっている。
□「ファスト教養」とは──「人生」ではなく「財布」(金儲け)を豊かにする
ビジネスに役に立つ情報(教養)を手取り早く知り結果(儲け)を出す
何となく役に立つ話を大雑把に理解身につけより良い生活をすること
「ファスト&スロー」とは、直感的で早い思考&論理的で遅い思考
すぐに役立つと思う情報はすぐ普遍性を失う(新たなトレンドはまたすぐにやってくる)
「知ったかぶり」の教養社会、一時的インパクトを与える(YouTuberの発信情報など)
「無駄な時間を無くし近道を探す」「コスパを求める」
□「教養」とは学問、知識によって養われた品位、能力
人生を豊か人する知識=教養、才能、品性、習慣を養い、磨き、洗練するもの
VUCA時代にこそ教養が大事(VUCA: 変動性、不確実性、複雑性、曖昧さ)
□不安な時代のファスト教養
世の中をわかりやすく簡単解説・読書代行サービスとしての「中田敦彦のYouTube大学」
インプットしたらすぐにアウトプットしてフィードバックを得る方法
不安な気持ちを一時的にでも解消したいというニーズに対処(成功したいと言うニーズ)
□自己責任論の台頭が教養を変えた
「ホリエモンリアルタイム世代」が支えるファスト教養「稼ぐが勝ち」「実力で稼げ」
勝間和代は自分の話しかしない/教養×スキルアップ(英語+会計+ITの基礎教養)
下徹と教養の微妙な関係/ひろゆきが受け入れられた必然・自己責任・個人主義
ファスト教養に欠落しているもの「公共との乖離」「責任概念なき個人主義」
「シンプルな思考」から「成功」を求める・「古典を読め」
「誰かと話を合わせるための勉強」(ファスト教養の位置付け)
「何か新しいことを実現する為に、一見本質的ではないことこそ本質的で、本質的なことばかりを追求するとむしろ新しいことは実現できなくなる」と締めくくる