昨日に引き続き、上海飯店に来ました。狙いはただ一つ、「冷拌麺(Chinesischer kalter Nudelsalat)」(8ユーロ)です。中国語的には、冷たい混ぜ麺という意味になるそうです。ドイツ語的には、中国の冷たい麺サラダ。いったいどんな冷やし麺なのでしょう。もしや冷やし中華なのか?! どうなのか?!
恥をさらして言えば、冷やし中華って日本の食べ物だとずっと思っていました。いや、和製中華料理だと思っていました。なので、中国には冷やし中華はないと思っていました。なので、この料理には興味津々。もしここで冷やし中華が食べられるとしたら、冷やし中華って正真正銘中華料理ということになります。もちろん日本にある中国レストランに冷やし中華があるのは知っています。が、中国本土、あるいは世界各地にある中国レストランに冷やし中華があるとしたら、僕的には大発見なんです。37年の固定観念が崩れます。いったいどうなんでしょう?!
出てきた冷拌麺は、正真正銘、紛れもない冷やし中華でした。キンキンに冷えた麺に、きゅうり、もやし、ニンジン、豚肉チャーシューが乗っています。これだけ豪快にどかーんと盛られているのは、ヨーロッパ化された結果なのでしょうか。いずれにしても、これは見事な冷やし中華ですよ。
お味は、ゴマベースのタレが濃すぎない程度にかけられていました。ゴマダレの冷やし中華そのものでした。もう驚きました。お店のおかみさんに聞くと、「このゴマ味の冷やし中華は、台湾ではずっと昔から食べられているわ。人気なんだから。台湾人はみんなこれを食べているの。美味しいでしょ」、とのこと。僕が「これ、日本語では冷やし中華っていうんですけど、ずっと日本の料理だと思ってました」、と言うと、「それはないわよ!」と笑いながら答えていました。
ニンジンは日本のニンジンとは明らかに風味も触感も別物。風味がないと言った方がいいかな。きゅうりも日本ほどみずみずしくない。もやしは日本のもやしほどふくよかでない。ここまで違うのかー、と思うほど。
麺は、台湾から取り寄せた輸入麺で、台湾で使用されている麺とほぼ同じなんだとか。うーん。こりゃ、一度台湾に行かないとなー、と。乾麺っぽくはないなぁ。ソフト麺に近いかな。卵麺というか。そういう感じ。そして、例にもれず、麺は柔らかめ。ただ、他のお店に比べると、ややコシがあるかなー。
いやー。びっくりでしたよ。ドイツで本場の冷やし中華が食べられるなんて。今回の訪独では、色んないいお店に出会いまくりですよ。本当にびっくりでした。上海飯店、いいお店です。ハンブルクに来た際は、是非立ち寄ってもらいたいお店です。
そうそう、こちらのおかみさんが面白いことを言っていました。「日本の冷やし中華は、からしを入れるでしょう。あれは、上海や台湾では絶対にしないのよね。それが日本式と言われれば、そうだと思うわ。でも、この冷やし麺は、中国や台湾で昔から食べられていたものなの。それは間違いないわ」。なるほどー。やはり、やはり、ラーメンにせよ、冷やし中華にせよ、元は中国・台湾にあり、なんだなぁ、と改めて再認識しました。もちろん、日本のあの尋常じゃないハイクオリティーヌードルスープは、全世界に誇ってもいいと思います。が、完全にガラパゴス化していることも間違いないです。
飽和状態の日本のラーメン界。そして、全く浸透していないヨーロッパのラーメン界。EUのラーメンを制する人が出てきたとしたら、その人はそれこそ億万長者になれるんでしょうね。誰がそのパイオニアになるんでしょうかね。それは日本人なのでしょうか。もしかしたら、外国人かもしれません。日本は、いつも何でもガラパゴス化してしまう傾向があります。外国に飛び出て、「荒稼ぎしたるわ!」っていう野心をもった若者を育てる教育はやはり必要でしょうね。開国してから140年くらい経ちますが、まだ内的鎖国は完全に解かれていませんよね。島国なので仕方ないとは思いますが、もう少し海外に飛び出る人が増えてもいいのかなって思います。(特に、日本での生活に息苦しさを感じている人は、海外に飛び出て、その中でもがくほうが心理的健康は保たれるかもしれませんね)
うふふのふ♪