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新・サワラちゃんの
加計呂麻島日記 & 能面・面打ち
006
自宅の裏の山の景色
西南諸島は何時冬が終わりを告げ、何時春になったかその境目を告げる景色もなく、桜が何時の間にか咲き、畑ではキャベツ・ジャガイモ・白菜などの野菜の収穫も終わって、今は畑は次の季節の野菜に移行中です。
<ハイビスカス>が年中咲き誇り、海水が何時も泳げるような生暖かい水温なれば、日本の四季の明確さなど何処吹く風の地でもあるのです。山は見渡せば木々に新芽が付き、それなりには春ですね。でも、木々が枯れるいう現象は所々あっても、全山紅葉などという現象にはお目に掛からないのです。四季が何時もごちゃ混ぜの状態でしょうか。
早くから夥しい数の鳥達が自慢の歌声を奏で、それが夕暮れのとっぷり暮れるまで続くのです。中には能楽の能管のような雅な鳴き声を聴かす粋な鳥も居ります。始めはそれを人間の笛を奏でる音と勘違いして、暫しの間分かりませんでした。かと思えばカラスの気分の悪い鳴き声、石でもぶつけてやりたい感じ。都会田舎を問わず嫌われ者です。
何の実でしょうか。小鳥が啄ばんで行き、そこら中に散らばっております。金柑はカラスの大好物。道路のそこら中に殻が転がっております。実だけを上手に食べ葉っぱと茎と実の皮だけになっています。白菜やキャベツの外側だけを食べて、内側だけを残して置いてくれます。人間+虫+鳥で一個を完食でしょうか。
でもついつい植えすぎて結局畑に腐らして残してしまう状態になります。次回はもう少し加減して種や苗を植えねばならないでしょう。のんびりとした農業経済です。
喫茶店でちょっと一服-01
相変わらず遭難機の行方が分かりません。どこへ行ったんでしょうかね???。 かと思ったら黒海のクリミア半島のロシア併合の問題が大きな争いに発展しそうです。そして中国の経済の理財商品の販売のデフォルト(償還不能)が現実問題になり、近い将来大きな問題が起こりそうです。ロイターなどの昨年初めの欧州情報が現実問題になってきました。
上海市場の低迷で一時NY市場に並びかけた、東京市場も持ち合い低迷状態です。逆毛抜き整理型になるのか、底が抜けるか危うい状態です。先般来不安視してきた事が現実に起こってきました。落ち着いて静観をした方がよろしいかも。但し、今の所 相場は壊れておりません。
ロシアのプーチン大統領は相変わらず脇が深いですね。柔道の寝技に欧米各国は持ち込まれました。どちらも国際法違反を声高に喚いておりますが、さて、どちらがそれに該当しましょうか。日本の安部首相も頭が痛いところでしょうね。難問山積です。恐らく尖閣諸島は今後もっと炎が燃え上がるかも。されば、爺の住む加計呂麻島は嫌な雰囲気が漂いそうです。
折角、南西諸島が世界自然遺産に該当するかという大事な局面ですからね。困ったものです。
第二次米ソ冷戦時代の幕開けになるのでしょうか。英国は早速ロシアのG8の永久除名を考えているとか。これは米国の政策の代弁でしょう。 9.11の時も同じ行動でしたね。
臭い、危ない話はここまで
喫茶店でちょっと一服
どこかの喫茶店・・HPより拝借しました。
爺もとうとう本格的にやる気になりました。雑音も少し入るのですがカラスが鳴くのと同様最近は直に止みます。それで今回能面用の尾州檜を購入しました、部屋中「檜」の香ばしい香りが漂っております。何時になってもこの香りは宜しいですね。
木材の材質は「木目」です。これが一番。能面の中には「板目」も多いのですが。板目の場合は面の裏表の木取に賛否両論あります。定見はなしのようです。「脂」の出方が問題の根拠。
柾目 ↓
檜は仏像彫刻にも使われる最高の材料なのですが、脂が出るのが難点。それで木取りを間違うと彩色の上に滲み出て来ます。これでオシャカになってしまいます。中にはそれがかえって名面となる例もあります。「木汁怪士(アヤカシ)」や「節木増」などの作例はあります。
節木増 本面写し 堀 安右衛門作
鼻の付け根の右横と目元との間付近に節が出ています。
見えるかな~、見えないだろうな~
いかがでしょうか! 微かに見えますでしょうか?
木も高くなりまして一個7~8.000~15.000円位。オイソレと打ち間違ってホカセマセン。それで削りすぎた場合は「木くそ」を使って補填して、再度削るという具合で修正します。名人以外は修正以外に救う道がありませんので・・・・
能面・面打ち
「雪の小面」について-004
都合3回ほど石川龍右衛門重政作の「雪の小面」について書いてきました。実際に15世紀頃に京都に在住した能面師として、本人が存在したことは確かなようですが、各宗家や能面資料館、博物館等に存在する<伝・石川龍右衛門重政>作の全ての面が、本人の作かどうかは疑問が残ります。学者の研究もさることながら、可也の厚さを持つ各宗家や博物館等の能面集を観てみましたが、爺の眼でも疑問が出る面は何面か有りました。特定はいろいろ問題が出ますので、指摘はしませんが・・・
駄作が余りないと言われる能面師ですが、中にはちょっと首を傾げたくなるような面も存在します。確定的な証拠が面にないので、伝承とか極め書に頼ることから、そのような問題が出て来るのでしょう。いろいろ政治的な問題も絡んで、止むを得ずということからそのような結果になるのでしょう。
雪・花・月 について
小面には3種類の小面があります。揃いの小面でしょうか。この他にも「深井」などの女面にも、同じような呼び名の面が存在します。何処がその区別のキーポイントになるのでしょうか。それは堀 安右衛門師が度々書物に書かれているごとく、面の「鼻の振り方」に有るのです。
左右不対象が当たり前の「能面」
小面3面を良くご覧ください。左右の眼の位置が微妙にずれているのが分かると思います。何れも名人級の能面師の作です。
能面は用途の必要性から初めから、左右非対称にして打たれているのです。
人間の顔は正面に向かって右が神佛の顔。左が人間の顔と言われております。この考え方が能面に取られております。正面右が「悟りの世界」、左が「迷いの世界」ということになります。つまり、2つの世界に存在する人間を、一面で表した事になります。
鼻の先端が面の中心線から見て、右側に振られている面を「雪」、中央にあるのを「花」、左に振られているのが「月」です。男面では殆ど「月」だそうですが、女面やその他にもこのような分け方をされた面が存在します。写真の歪みではありません。
本面・孫次郎
上下の孫次郎(拡大)を比較してみましょう。これだけ直線を引いて見ますと、顔の構成部分が故意に歪められている事が分かると思います。勿論、故有っての事です。にもかかわらず全体的に破綻はして居らず、非常に魅力ある面立ちとなっております。
下記の写真は歪んだ孫次郎ではありません。本面そのままです。
孫次郎
多くの「孫次郎」以後の名人がこの女面を写しております。現代にも2名ほど居られますが、何れもこの面の写しの困難さを語って居られます。女面の中でも最高のレベルの面です。詳細については次回以降に書いて見ましょう。
能面は特に女面は左右非対称が原則なのです。爺も含めて面打ちを始めて行う段階では、左右対称を疑わないで造作し始めますが、写真や本面、本面の写しの古作品を鑑賞するうちに、この原則が嘘であることが理解出来るようになります。名作の中にも左右対称に近いものも可也有りますが、この事を今回は理解していただきたいと思います。
堀 安右衛門師の記述によりますと・・・・観世宗家の増阿彌作本面「増女」も、越智作本面深井も、某家蔵の曲見、小面、節木増、瘦女(やせおんな) も右、左振りの二面があります。ただし、右振りの面の数はごくわずか・・・とあります。
さて、次回は非対称製作の根拠と「孫次郎」について詳しく書いてみましょう。
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