茜ちゃんの「島日記」

奄美群島から文化の発信を試みております。自然・文化・民俗学など想い付くままの事柄どうぞお聞きください。

「茜ちゃんの島日記」- 番外編

2017年07月28日 | 教育

 

 

茜ちゃんの「島日記

 

お知らせ

 

今回の茜ちゃんの「島日記は夏休みです。次回は8/11です。

 

 

 

沢山あった低気圧や台風が段々収斂して来た。

遥か太平洋の東に有った台風5号は遂に蛇のようにのたうちながら、小笠原までやって来るようだ。

その後、どのように進むつもりかね? 中国へ向かう台風の尻を追いかけるか?

事によったら南西諸島まで来るかも。それから偏西風に乗って、何時ものゴールデンコースか。

皆さん気を付けましょう!!

 

   

 

奄美は纏まった雨が降らないので、畑はカラカラだ。

カラスは苛立って昨日は一日中鳴いていた。食べ物が無いのであろう。

もうすぐ台風の進路によっては雨かもね!・・・

 

 

 

 

 

 

 


「茜ちゃんの島日記」-008-01-01

2017年07月21日 | 教育

 

 

茜ちゃんの「島日記

-008-01-01

 

 

 

 

 

 

 

西南諸島は連日の猛暑で、纏まった雨が降らない。

今年の奄美の夏は酷暑となりそうだ。 台湾沖に高気圧が居座っているからである。

カラパゴス辺りから流れて来た暑い海流が、ここで滞留することが原因である。

元はと言えばこの海流の出発点は南太平洋の深層海流である。 

 

雨が降らないのでホースの水を果樹の根元に掛けて、給水をしている始末である。

パパイアや子供の島バナナが2本成長中。これからである。

パパイアも大きな実を付け始めた。葉の周りの樹木の剪定が大変である。

梯子が届かない高さ。大きくなったものだ。

 

                   

 

小さかった子供の島バナナも元気で成長中!

下の畑の島バナナは今の所元気で成長中である。

秋までには切り取って吊るして熟させる積り。

 

                            

 

この分だと来年は大量の島バナナが採取できるかも。

島バナナは高級品種で、一房¥2.500円とか・・フィリッピンバナナより大分高い! 

パパイアも一度収穫し、食べ残りは冷蔵庫の野菜室に格納する。

来年まで十分に食べれる。野菜でも果実でもOK!

 

  

 

 

 

 

 

面打ち再開!

-7

 

 

 能楽資料館散歩--02

 

篠山能楽資料館

 

 

 

 先回近江の「彦根博物館」をご紹介した。

今回は兵庫県の三田市の北の丹波篠山にある「篠山能楽資料館」をご紹介する。

東海道線で尼崎で福知山線に乗り換え、篠山口で下車する。

その後バスに乗って終点近くの河原町で下車すればすぐである。

 

 

 

十数年前初めてこの能楽資料館に行ったとき、

タクシーの叔父さんに行き先を告げたのだが・・

「篠山能楽資料館????」という返事。

これはえらいこっちゃ! と思いつつ・・

何とか電話でタクシー会社に確認後・・・ようやく目的地に付いた時はホットした。

その後近くまで来た折は必ずお伺いする。

三田には「白洲正子夫妻」のお墓がある。墓参を兼ねてという事になる。

 

能面集と能面

        

 

ここでは能面集が2刷発行されている。最初の能面集はもう市場でも手に入らないので、

簡単に手に入るものをご紹介。

名品が数多くあるが、赤鶴・一透斎吉成の名品が所蔵されている。

また、作者不詳ではあるが、銘・卯の花 増髪 もある。これは名品である。

通常「増髪」はヒステリー状態の女性の顔立ちであるが、これほど品のある美しい増髪は他にない。

 

  増髪

            

 

 * 注意 能面集は印刷が命であるが、初回の大型本の印刷とこの能面集の印刷は、よく見ると色合いが違う。

この点は実物を見るか、初版本の大型本を見た方が間違いがない。

能面資料館に併設して、「丹波古陶館」がある。料金は変わらず二館を見学出来る。 

作陶に興味のある方は大歓迎であろうか。

 

      

 

 

 

 

 

 

孫次郎秘密 

 003

 

 

             

 

 先回は現代の能面師・橋岡一路師の、「孫次郎・ヲモカゲ」の三井文庫館からの面の修理と写しの許可への経緯を書いてみた。

大変な時間と苦労がその中には隠れていたのである。橋岡師のこの面への執念さえ感じるものである。

この面が尋常一様な面ではないという査証でもあろう。 

 

 

 

一つの面に数十年の思いを込めれるという・・何がそうさせるのであろうか。

「人形」はヒトガタである。能面も同じような性質があるようである。

 

 

 

 

 

橋岡 一路 師

 

 平成2年(1990)の5月に文化庁並びに三井文庫館より「孫次郎・ヲモカゲ」の修理と写しを製作する許可が下り、

当年11月27日に写しと修復された本面が、三井文庫館に引き渡された。

能面自体が「重要文化財」に指定されていたことが、いろいろな齟齬を生む原因でもあったようである。

兎にも角にも孫次郎は無事引き渡されたのである。

 

 本面・孫次郎 と 写し・孫次郎(橋岡一路)と 本面・孫次郎三井文庫館能面集より撮影

 

          

 

孫次郎秘密!」仰々しく題される所以はどこにあるのだろうか。 

 

能面に親しんでいると能面に対する鑑賞眼が自然に醸成されてくる。焼き物でも仏像でも絵画でもそれは全く同じである。

仏像を見続けていると能面や大和人形との類似性に気が付いてくる。眼の造り、眉の描き方、口の切り方、彩色の仕方・・

それぞれ独立した芸術作品ではないのである。全て関連性がある。古道具屋の小僧の目利きの学び方も同じである。

 

能面「孫次郎・ヲモカゲ」の芸術性、完成度は非常に高い。しかし、古来多くの能面師が写しを行って来たが、

皆それぞれ難渋を強いられている。この女面は造作技術のレベルが非常に高度で、写しが極めて難しい能面だからである。

<橋岡 一路師の畢生の写し>は如何であろうか。 

 

 

    

 

橋岡氏の能面集には、この孫次郎の右斜めからの写真はない。

何故かは分からない。いろいろ事情があるのかもしれない。

本当のところを言うと、この斜め方向からの写しを観たかったのは本音である。

 

ここにこの面の凄さが隠されているからだ。 本面を見て理解していただきたいのである。

「何故、左右非対称に造作しているか、目元の位置が上下にずらされているか?」である。

それが右斜め方向になると、すっかり消えてしまって、美しい横顔に変身してしまっている。

つまり、作為をもって予めそのように造作している

先の先まで読み込んだ面の造作であったという事が読み取れる。

ここがこの女面の素晴らしいところである。

 

 

昔、私の師匠がこう言っていた。

「面を打つには能楽の事を勉強しなければいけまへんで・・・」「能の実際の舞台を観なければいけまへん」

まさにこの通りなのである。能面は床の間に飾る美術品ではない。道具である。ある能面師はこう喝破した。

能面は真正面からだけではなく、横からも、斜めからも、切ったり、しおったり・・・

様々な動きをするのである。そこまで頭に入れて面は打たれる。

この「孫次郎・ヲモカゲ」は実際の舞台の全てを知り尽くしているプロの作品尚である。

 

この面の歴史については様々言い伝えがあり、どれが真実かは断定が難しいのである。

少なくとも宗家の大夫が片手間に打った一作品ではない事は間違いない。

それは不可能なレベルの作品である。

 

 

橋岡一路作のその他の「孫次郎

 

      

 

 これを見ると「本面・孫次郎・ヲモカゲ」と何か違うと気が付くはずである。何が違うのか。どこが違うのか。

お分かりいただけるであろうか・・このことについては次回以降書いてみたい。

* 写真はその時の条件で正確な色合いが出ていない場合がある。そのことはご了解願いたい。

折角であるから橋岡一路師の作品を一つ紹介したい。

 

若 女 

 

<1989年、「梅若六郎家所蔵」作者不詳 重要美術品指定> の写し

 

能面は面打師の数多くの作品を見る必要もない。女面を一作みるだけでよい。

それでその方の実力はすぐ分かるものである。小面でも充分である。

橋岡一路師の面打ち師としての実力は、この若女で十分理解できる。如何であろうか?  

 

「孫次郎・ヲモカゲ」 も段々深みに入って来た。大事な事はこれからである。

次回からは関西の名人・初代堀安右衛門師が登場して来る。石川龍右衛門の小面はその後登場する。

まだ始まったばかりのロングランになりそう。

 

次回は7月28日予定 

 

 

 

 

 

 


「茜ちゃんの島日記」-008-01

2017年07月14日 | 教育

 

 

茜ちゃんの「島日記

-008-01

 

 

 

 

 

毎日暑い日が続く。奄美は今年は干ばつ気味。

九州は大水害並みの雨が降っているのに、全くまとまったが降らない。 

 

                  

 

折角成長している「島バナナ」も成長が進まない。

水分が足りないのであろう。毎朝、水を撒いてあげるのだが・・・ 

ここ当分台風が来るまでは望み薄である。毎日、水撒きと雑草刈り。

 

 

エルニーニョと云うのであろうか。台湾海域の水温が高いので高気圧が居座っている。

低気圧の台風も近寄れない。南西諸島は日照り続きとなる。 

 

        

 

半面、本州付近は大雨と猛暑! 北海道も33℃レベル。

奄美は32℃になる位。風が吹けば意外と涼しいのだが、風もあまり吹かない! 

毎日、冷たいシャワーを数回も浴びる始末。今が一番暑い盛りで有るが・・

 

 

 

 

 

藤井4段  31 勝!

 藤井四段の勢い復活!

30連勝は惜しくもならなかったが・・その後は2連勝。

 

 

                     

 

余裕の勝ち方らしい。プロが驚くような駒裁きをするらしい。

「桂馬」の高跳び「歩」の餌食と言われるが、敢えてこれを使って勝利する。

名古屋場所に師匠と観戦した時、大声援!! 

観客は相撲そっちのけで、彼を注視。大声援を飛ばす。

そりゃそうであろう。郷土のスーパースターだから。

 藤井四段 王将戦1次予選7組決勝VS若手の筆頭格・菅井七段

 

        白鵬に「弟分」と呼ばれた藤井4段!           

 

 

まだ先は長い。どんどん勝ち上がって欲しいものだ! 

 

  

 

 

 

 

 

面打ち再開!

-6

 

 能楽資料館散歩--01

 

彦根博物館

 

 

能面が直接観覧できる、博物館や美術館は全国に沢山ある。

 

今回からは実際に趣いた事のある所をご案内。

 

第一回目は・・滋賀県彦根市にある彦根博物館 

譜代大名で能樂に力を入れた、井伊家の能面、能装束などの能楽資料が満載。

 

       

 

近在に筆者も住み、且この街に通っていたことも有るので、大凡の街の中は知っている城下町である。

お堀伝いに植えられた桜並木は綺麗であった。毎朝、お掘り伝いに歩いて目的地に通った。

静かな佇まいで、流石、城下町と云うのは良いものであった。

時代の息吹を感じる。城下町は一種独特の風情がある。

 

        

 

 井伊家の「能面」の蒐集数は抜群である。財力と殿様・井伊直弼の力に預かったところが大きい。

名面の数々が蒐集されている。筆者も帰りがけに或は行きがけに、この博物館を覗いた。

時々、展覧作品が変わるのでその都度お伺いした。最近は能舞台での催しも有るとか。

 

               

 

 現在は市場で手に入るかどうかはわからないが・・井伊家の能面集や能装束の本は存在する。

恐らく数万円レベルだと思うが・・

 

      

 

 

 

 

 

孫次郎秘密 

 002

 

 

             

 

先回は<孫次郎・ヲモカゲ>のプロローグとなった。 それで、今回からは日本を代表する、

名人級の能面師の実際の孫次郎を、能面集から取り出してご紹介した。

何年も掛かって漸く手に入れた貴重な資料の能面集である。

第一回目は「橋岡 一路師」である。当年86歳になられる。 

 

 

    

 

 先日、FaceBookを弄っていたら、突然画面に橋岡一路師のお顔が出てきた。

何方が投稿したか分からない。なぜ突然に・・・?

何れにしても慌ててファイルに収めた。ふと見るとFBの画面には何も映っていない。

幾ら探しても出てこない。誰が投稿したかも・・・??である。

 

 

 

元気なお姿である。眼の眼光は生き生きとしている。 健康な状態が一目で分かる。

しかし、不思議なこともあるものだ。

 

孫次郎

 

 

この面が橋岡一路師が苦心惨憺して、三井文庫館から借りて修理方々写した面である。

私の知る限り、他には現代では初代・堀安右衛門師のみであろう。 

 

能面集 

 

                      

 

この能面集は東京銀座・ 和光で開催された「橋岡一路展」で販売された能面集。

部数は1.000部。招待客のみでしょう。

 

 

 

 

一冊毎に橋岡氏師のサイン入り。達筆ですね。「白洲正子」様の序文が印刷されている。

二度と同じものは出ないという豪華版・能面集。

時々、能面集を古本で業者から手に入れると、素晴らしい署名にブツカルことがある。

能面集を持っていておられた方が、相当なお客様であったことが理解できる。

 

                   

 

 孫次郎の写し作成の経緯

昭和43年9月に三井物産会長・三井文庫館長であった水上達三氏の写しの内諾を得たのであるが、

以後紆余曲折があって22年が流れたそうである。その後、平成元年に東大教授・田辺三郎助氏を通じて、

三井文庫館に所蔵する重文・「白式翁・花の小面・増女・牙べしみ」の4面の修復依頼があった。

その際<孫次郎>の件も出たのであるが、また紆余曲折があり、平成2年5月に三井文庫館より写しの許可が下り、

11月27日に完成された写しと修復面が引き渡された。という時間と諸事情があった一面である。

 

橋岡一路師孫次郎             本面孫次郎

 

    

 

如何であろうか。観世家の係累の方の当代随一の能面師でも これだけの苦労をされているのである。

この<孫次郎・ヲモカゲ>が並の面ではないという事が理解できよう。

次回はもっと中に入ってみたいと思う。

 

次回は7月21日を予定している。

 

 

 


「茜ちゃんの島日記」-007

2017年07月07日 | 教育

 

 

 

茜ちゃんの「島日記

-007

 

 

 

 

 

 

やっと奄美の梅雨も終わった。直後の台風もゴールデンコースであったが、 

何とかかわしてセーフ! 台風季節のシーズンに入って来た。

今年は数年災害が無かったから、気を付けねばならない。

災害は忘れたころに・・・・ 

 

                                   

 

2つ目の谷川沿いの 畑の「バンジロー」の樹にも、大きな実が生るころだ。

悪戯ガラスのデザート用か? 食い散らかして後片付けは人間である。

<掃除くらいしろ!! カラス!>

 

バンジロウ

 

 

 

 

 

藤井4段 惜しかった!

30連勝ならず! 29連勝でSTOP(29+1=にくい

でも、良くやった! 周りの大声援を肩に受けて・・大変だったね!。

次回は坂田三吉の心算で望めば良い事。加藤一二三さんも茨の道も有って大成された。

これからこれからである。当分29連勝は破られない。一つの金字塔である。

 

  

 

                        

 

 

藤井4段 30勝目!

 

 良くやった! 凄いの一語に尽きる。正に期待通りの勝負師である。

先は非常に長い。健康を保てば30,40連勝は可能だ!

頑張ってほしい! 

 

  

 

 

 

 

 

面打ち再開!

-5 

 

 金剛家 能面・能装束展観

 いよいよ今年も金剛家の能面・能装束の虫干し展が始まります。

7/15~16・・近在から大勢の方が参集する。是非機会のある方は観覧を!

 

               

 

 

                                 

 

能装束の素晴らしさは実物を見るに限る。

近江の能楽資料館では今でも能装束を、繭の段階から布地を織り上げ、

能装束を製作しているはずである。男性ならずとも足を止めざるを得ない出来栄え。

写真では無理なレベルの草木染の発色の素晴らしさ。

近くの方は是非ご覧いただきたい。

 

 

 

          

 

 

 

 

孫次郎秘密 

 001

 

 

                 

 

これから数十回にわたって能面の話を書いて行く積りである。 

内容は中には専門家から張り倒されそうなものもある

筆者の長い経験で学んだ直観(ボケの部分もあるだろう?)と知識で書き綴る・・

本日からのは「孫次郎の秘密」と題した。

 

 

 

 

   

 

能面に関心のある方であれば 誰でもご存知の名面・「孫次郎」である。

ヲモカゲ>とか<おもかげ>という別名が付いている。

現在は三井家旧蔵ということで「三井文庫館」に所蔵されている天下の名面である。

東京の三井文庫館で偶に公開されている。観覧した方も有るであろう。

ここ迄の記述であればどうという事はない。しかし、事はそう簡単ではない。

 

花筐(はながたみ) 

 

 花筐(はながたみ)などでも使用されている。 

* この舞台に掛ける面には小面、若女、節木増、孫次郎、などが用いられる

 

松風 

  在原業平と松風との恋物語。

                     

   

 

金剛流では「孫次郎」を掛ける演出である。因みに観世では「若女」、

宝生では「増女」、金春・喜多では「小面」をと流派で異なっている。

面倒なことに京都金剛家には別の「孫次郎」がある。

 

三井家所蔵能面集(2種類発行されている)

 

 

 

さて、世の中には古来から「孫次郎」は名人によって打たれて来ている関係で、

この名の面は沢山ある。鈴木慶運・「能の面」にも石川龍右衛門の孫次郎が存在する旨の記述がある。

下記の面の写真は本面・「孫次郎」である。

 

孫次郎 

 

   

 

 

ところがこの面は調べるとなかなか複雑な来歴がある。研究者によっても差異がある。

一応、現在は室町時代の金剛太夫・金剛久次という事に落ち着いている。

しかし、棒屋孫次郎、・・・・・という何名かの作者が別に出て来る。

いろいろな書付、古文書、面の実査などをしても室町期頃の面である。

100%動かしがたいものが有る訳ではない。これが第1番目の秘密である。

 

本面 ・ 孫次郎 

     

 照らす                  曇らす

 

さらにこの面をじっと観ていると、様々な物が見えて来る。

正面からみると、完全な左右非対称の決定版のような面である。

しかし、もう少し注意深く見ると・・

「照らす」の角度では左右非対称であるが、曇らすの角度ではそれ(上下の差)が段々消えている。

この計算された造作、尋常ではない。

そして、鼻筋を注意深く見ると・・右に少し振っているのが解る。

所謂、「」の振り方である。作為を持って造作されているのである。

古来「雪」の振り方の面には名面が多い。しかし、難しい・・ 

 

 

眼の切り方、口の切り方、高眉、右振り・・・<何故なのか???> 

しかし、右斜めの方からの視点からは正に絶品である。

面打師の作為か、偶然か・・ここが第二番目の秘密である。

この暑い夏にも関わらず、鳥肌が立って来る美しさだ。

 

松風

 

 

 本日はここまででお開きである。

今回は<プロローグ>である。<エピローグ>までどの位必要か?

次回以降はこの「孫次郎」の写しの実作者を中心に、毎回御一人の順に・・

1- 橋岡一路師、2- 初代・堀安右衛門師、3 -故・長沢氏春師、4- 故-高津紘一師の順に・・・、

現代日本の名人級の能面師の写された「孫次郎」を、いろいろ検討させて頂くことにしたい。

「孫次郎」は数多くの能面師の作品がある。すべては無理なのでできるだけご紹介したい。

その際「孫次郎」の第1、2、第3・・の秘密を解き明かしたいと目論んでいる次第である。

 

 

「面打」の世界には実作者、研究者、学者など様々である。中にはいろいろ批判もあるであろうが、

何せ鎌倉・室町時代からの名品が数多の世界。証拠資料もハッキリとは信用も出来ない世界。

<面の裏>には数々の情報があるのだが、焼き物と同じく贋物も多い。

焼き印、隠し鉋、極め書き・・

うっかり信用は出来ないのである。ここで意見が分かれる場合もある。なかなか・・

筆者は鑑定士でもない。唯、伝統工芸品は注意を要する世界であることは経験済み。

そのような事はその都度追々書いてみたい。

 

次回は7月14日と予定している。