茜ちゃんの「島日記」

奄美群島から文化の発信を試みております。自然・文化・民俗学など想い付くままの事柄どうぞお聞きください。

新・サワラちゃんの加計呂麻島日記 & 能面・面打ち 005

2014年03月14日 | 教育

 

 サワラちゃんの

 加計呂麻島日記  能面・面打ち

005

 

 

 西阿室海岸

 

もう3月中順に入ったのにもかかわらず、朝の気温が11~13℃程度の奄美の冬の気温。北海道生まれにしては情けないが、春から冬に戻った天気にご機嫌悪し。その代わりカラッと晴れてくれたので、太平洋岸の「西阿室(にしあむろ)」という集落の海岸に出かけました。

主目的は「貝殻拾い」の筈ですが・・・・その前に先ずは地元の教会の「マリア像」を写真に収める事から始めました。以前、ここを通り掛かった時写真機を持参しておりませんでしたので、今回は始めての撮影と相成りました。

集落の中程の通りに面した所に、こじんまりとその教会は有りました。爺は観音様を信仰する仏教徒ですが、先般教会の傍を通りかかった時に偶然見つけたマリア像が、今日のような天気の良い日光の光の中で、眩いばかりに美しく見えたものですから、次回は是非写真機をと考えておりました。本日も、ご覧の通りの晴天。前回と同じ様子。

 

西阿室カソリック教会 

 

 

マリア像

 

 

如何ですか。仏教の観音像の中にも素晴らしく美しい像が多々有りますが、それに勝るとも劣らない美しさ。美術的にどうとか言うことではなしに、思わず手を合わせたくなるような。何方が製作された(作者)像かは分かりませんが、作者の心のレベルがすぐに分かりますね。

爺の他のブログで「能面」や「仏像」を数々紹介しておりますが、なかなかこの像のような癖のないお顔立ちのものは、なかなかお目にかかるものでは有りません。作者の人格がすぐ反映されますので、或る面ではとても怖いことなのです。

 

                          

 

鄙びた小さな漁村に教会は似合うかもしれません。あるいは小さな観音堂もそうでしょう。ご大層に大きな宗教施設は不釣合いですね。まさに、このマリア像はこの像1体で、後は何もいらないかもしれません。その方が良いかも。

 

加計呂麻島にはお寺や石仏、道祖神などは一切有りません。ちょっと寂しい感じもするのですが、爺としてはここの教会のマリア像で充分だと思います。それにしてもお綺麗な顔立ちです。

 

天草諸島にはこのような光景が沢山あるようですが・・・・その辺りでも「マリア観音」という信仰形態が存在するようですので、爺などは何の違和感もなくスーッと、マリア像に近寄ることが出来ますね。

 

海岸ではヤギの親子がのんびり昼休み。穏やかな顔立ちです。

 

本日は貝の収集は散々で、貝のブログ作成に困るくらい。

それで貝に代えて周辺の風景写真を沢山撮ってきました。

                ↓                            ここまで登っていきます!150m位かな?

         

 

断崖絶壁の斜面を穿った林道を登っていきます。三輪バイクですから怖いですよ!

眼下に西阿室の里の集落が見下ろせます。 

 

 

林道の峠の休み場

 

 

如何ですか。絶景でしょう。人は船以外は立ち寄れません。潜ったらどれ程の素晴らしい貝が生きていることでしょう。唯、指を咥えて見下ろすのみです。

 

 

誰が造ったか、ブランコ一つ。とても怖くて乗れるものでありません。柵なしの数百mの断崖が傍ですよ。足が竦みます。でも、ここで昼ご飯を食べたら美味しいでしょうな。

次回は握り飯持参で行く積り。

しかし、ここから次の集落へは恐怖の九重九曲りの坂道。崖崩れがそこら中に起きていて、気も抜けない。にもかかわらずブレーキだけでエンジンを切って里まで降りて行きました。特攻隊気分

無事、里の「花富(けどみ)」に着陸しました。(子供は真似しちゃいけませんよ!) 御年69歳にもなるのに何時もこの調子。 高所恐怖症の割にはクソ度胸あり。 

 

     

             喫茶店でちょっと一服-01     

どこかの喫茶店・・HPより拝借しました。

 

 

加計呂麻島の外界は大事件が頻繁に起きて大変。戦争。テロ。飛行機の遭難中

何処に行ってしまったんでしょうか。03/14現在も所在不明。小型機ならいざ知らず、大型ジェット777がレーダーにも補足出来ないとは。神隠しみたいですね。人工衛星で何かを発見したようですが、未だ未確認?・・・通信が途絶えてから4時間もの間、エンジンからの通信をロールスロイス社が傍受とか?・・・・アラビア海まで飛べる距離とか???・・・ 240人程度の旅客ですから、大変なことになりました。もうそろそろ1週間程度も行方不明とは・・・憂鬱になります。

中国金融界のデフォルト懸念をとうとう国家が認めました。中国からの外国企業の撤退が相次いでいるとか。日本企業も相当の数に上るでしょう。過去にあった東南アジア経済危機の状態と良く似てきております。3~5月は金融の年度末・決算期・・・大荒れになるかも。十分気を付けましょう。

 

 

 

能面・面打ち 

 

 

雪の小面」について-003

 

 先回までは「小面」について、特に有名な龍右衛門作の「雪の小面」について書いてみました。この面は現在は金剛流の宗家が所蔵しております。15世紀に京都に居住したとされる龍右衛門重政。何を打っても水準を超えた技量を持ち、作品に打ち手の癖がないのもその特徴。

雪の小面

 

 

上記の写真のように打ち手独特の癖が見えません。それは名人と言う証拠。現代の名人・長沢氏春師の面もそれが言えます。15世紀の同時代の増阿彌久次の面も同じですね。そして特に女面に素晴らしいものが多い。抜群の技量を持っていると思います。

赤鶴吉成や夜叉、氷見宗忠など個性の強い面を打った名人や、赤鶴、是閑のような男性的な気魂を感じさせる打ち手、鈴木慶雲、堀 安右衛門師のように、心根の優しさが面に現れている能面も有ります。特にこの面の作者龍右衛門の面には、全般に渡って言えることは「上品な美意識」を感じさせます。「瘦せ女、瘦せ男」や「般若系の面」でさえもそれが感じます。

桃山・江戸時代初期に掛けて活躍した名工・河内 家重の作品も、龍右衛門を強く意識した関係からか同じような傾向があります。作品に癖がなく美しさを常に感じます。余り駄作がない作家でもあったようです。各種の宗家から発行された、あるいは美術館から発行された能面集を見てみますと、その事が感じられます。

 

花の小面

 

 

花の小面」も龍右衛門作の小面と伝承されております。この面については次回以降に詳細に書きますが、とは少し面立ちが違っております。細工の仕方が違うのがその理由です。現在は三井文庫に所蔵されております。唯、江戸時代・文化十年書上「金剛流重代本面譜」によると、「雪は火災に係り、月は行方不明、金剛家ののみ存す」と有るそうです。

江戸時代の資料が正しければ、現在金剛宗家に所蔵された「雪の小面」は誰の作????・・・巷の話の中にはこの面を巡るいろいろな話が有ります。穿った推量をすると、現在の面は龍右衛門の真作を写した面かもと言うような???ということにもなります。でも、大変な名作ですね。

河内か誰かが写した「雪の小面」が、現在真作の本面・雪の小面として存在しているのかも。そして「月の小面」は今もどこかに存在するのかもしれません。

歴史的史実は嘘で嘘を塗りつぶした事が多いので、トンでもハップンの事実が隠されているかもしれません。面の面裏の「鉋目」や「焼印」すら偽造した贋物が有るのですから。それにしてもこの「雪の小面」はどんな事情が裏に隠されようとも、名品には間違いありません。

事実、学者の研究では龍右衛門作の面の中には、相当数の別人が紛れ込んでいる可能性が有るとの事。余りにも素晴らしい打ち手であったが故に、名前を無断で権力を嵩にして借用したようです。その一大原因は「江戸の大名に対する式楽制度」にあります。

ミステリーですね。

 

  

 

喫茶店でちょっと一服-02    

どこかの喫茶店・・HPより拝借しました。

 

爺の迷作

 

箱の中を探していたら、大変な迷作が飛び出てきました。「黒式尉」らしい。途中で彫るのを止めた小造り段階らしい。眼の周りに<粉くそ>を塗ってあります。彫りすぎたのでしょうね。師匠から木型を借りて彫っていたものらしい。今から見るとさ程悪くはないんですが・・・

後は<引き回し鋸>で顎を切り落とし、皺を掘り、肝心の眼を完成し、裏を彫り上げればOKのはずだが??? 今となっては数十年前のこととて記憶になし??

まだまだ修正可能なのだが・・何が気に食わなかったかね~?

裏も途中半端・・・まだまだ堀りが足りな~い

仕様がないので、今回修正して完成させる積り。とんだものをご紹介いたしました。 

堀 安右衛門師のビデオを観ておりましたら、「木というものは300年位の成長したものを使っているので、ほかしたらイケマセン」と有りました。正にその通り。それで思い起こして完成させることになりました。小造り、仕上げ、下地塗り、古色、彩色・・・・まだまだ道中はなが~い道のりです。

 

海岸で日向ぼっこの親子ヤギ左は母親、右が息子)

 

 

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