茜ちゃんの「島日記」

奄美群島から文化の発信を試みております。自然・文化・民俗学など想い付くままの事柄どうぞお聞きください。

新・サワラちゃんの宇宙・素粒子物理学入門-006

2012年10月26日 | 教育

サワラちゃん

                                                  

                     新・サワラちゃんの 

叔父さん、叔母さんの 
宇宙素粒子 物理学入門
                                          006
 
 
 
 
NASAで発表された太陽の8倍程度の主系列星・恒星がガスを拡散して、白色矮星に 移行していく過程にある天体写真です。我が太陽もこれと同じ運命になるとのこと。キャッツアイのように美しい輝きですね。ピンクは水素ガス、青は酸素ガスでしょうか?
 
 
                                                    
 
               「量子コンピューター」について
 
 
波の性質とトンネル効果-02
 
 先回は光と電子の異同について書きました。量子力学特有のややこしい性質が出てきましたので、理解しにくかった事と思います。また、導体の中を電気が流れる時には、電気は光の速さに近いのですが、電子は非常に遅い速度になるという不思議な現象。電子は始め粒子だとされたにもかかわらず、途中で粒子と波の二重性を持つという説明にも驚かされたと思います。
 
ニュートン古典物理の知識では、チョッと理解できない独特な理論が量子物理には出てきます。
 
宇宙が誕生した瞬間の物理は、まさに量子物理の世界です。宇宙が瞬間的にインフレーションという現象で、宇宙創成の10のマイナス44乗秒後に始まって、10のマイナス34乗秒後に終了し、この間に10のプラス34乗倍に膨張した・・・・・想像出来ますでしょうか。 まさに想像を絶する事です。1秒よりも遥かに短い瞬間の時間の間にですよ。
 
10^34=10X1000、000、000、000、000、000、000、000、000、000、000倍・・・・・・・単位を付けれますか?・・・・
 
少々単位系が違いますが、光速度は
300、000、000、000mm/s=10x10、000、000、000X3mm
如何にに途方も無い光速を遥かに超える速度で膨張したことが分りますね。本当にこれが天文学的数字というものです。
 
ところがこんな位で驚いてはいけません。奇想天外な幽霊みたいな運動を電子はし出すのです。 壁を透明人間宜しくすり抜けて、壁の向こう側に出て行くのです。壁を乗り越えないでですよ。我々の住んでいる世界(マクロの世界)では、決して見られない現象です。
 
原子に強い電界をかけると、電子は原子核の強い束縛エネルギーの壁をトンネルして離脱することもできます。サッカーボールが壁をトンネルしてしまうことは現実には起こりませんが、ミクロの世界ではそのようなことが可能になるのです・・・・・・・・・・・トンネル効果
 
 
 
 
それではもう少し詳しく説明してみましょう。
 
1-光量子仮説・・・アインシュタインの光量子仮説によって、光は波でもあり粒子でもあることがわかりました。
 
2-電子・・・・・・・・・ド・ブロイ(仏)・電子は波であることを提唱しました。シュレーディンガー(オーストリア)は電子は波と粒子の性質を持つことをシュレーディンガー方程式で証明。 
 
[方程式より導き出される電子の波の状態とは、電子が波動性を持っているということで、原子核の周回軌道を取る電子の波は、確率的に原子の周りを雲や霧のように存在し、観測して初めて電子は粒子になる。正確な位置は確率的にしか言い表せない]
 
何ですって?>って言いたい位 
ここで波動性と粒子性を持つ電子が粒子性を現実に表して来ます。
 
 (^~^)
 
3-不確定性原理 これが難物)・・・・マクロの世界では位置と速度は同時に観測できます。ミクロの世界原子核レベルの世界)では、電子の位置と速度は同時に観測できない。
 
観測しようと電子に光子(光)を当てると位置は分るが、電子と光子が相互作用して、電子の運動状態が変化し、速度が確定できません。 それではと、光子のエネルギーを弱めると速度は分るが、電子の位置が不確定になります。つまり、観測という行為が自然状態に影響を与えるからです。電子と光子の質量差がほとんど無いからなのです。
 
あちらを立てれば、こちらが立たず、こちらを立てれば、あちらが立たず
 
何か落語の世界のような話。
 
4- 波の収縮
  コペンハーゲン解釈・・・・実際に雲状、霧状の電子雲に光を当てて人間が電子を観測すると、観測した瞬間に波の収縮が起こり、電子は一個の粒子として観測される。電子は雲のどこかに存在するのであるが、人間が光子を当てて観測した瞬間、電子雲が1点に収縮し粒子として観測される。
 
              文部科学省の提供
 
                             
 
  
 
                       
 
確率的に存在する>という数学的な用語・・・・ 
 
物質を量子のレベルで把握する場合、そこには細かな粒子状の存在物とそれらを隔てる空間とがある訳ではないとされる。単一の量子は空間内に広がりを持って確率的に分布しており、特定の一点に存在する訳ではない。観測行為が起こると、そこで初めて、特定の位置が確定される。
 
ある方はこのように説明する
 
すべての物理現象は、確率的に記述することしかできないのだ。
アインシュタインの言うように、その背後に真の原因があるのかもしれないが、
それは知りえないのだから、少なくとも、人間にとっては「確率的な世界観」が真の姿なのだ。
 
二ールス・ボーアとアインシュタインが論争をし、<原因があって結果がある! 神様はサイコロ遊びをしない!とアインシュタインは言った。
 
もうそろそろ、イライラして来るでしょうから、本日はこの辺で。
 
次回はいよいよ<トンネル効果><スーパーポジション>について
 
 
 
 
 
                       
 
 
            ビッグバンインフレーション
 
 量子論は何だか鼻を抓まれたような、嘘みたいな世界のように見えますが、実はこれがマトモナ世界で、我々の日常性の世界が、錯覚・錯誤の世界かもしれません。例えば林檎を見ますと、虫食い穴がない物であれば、通常林檎を透かして見ることは出来ません。にも拘らず<ニュートリノ>という有名な素粒子は地球を素通りして反対側にすり抜けることが出来ます。
 
もし、物体にスカスカの穴が空いていたら、穴より小さな物でしたら、向こう側へすり抜けられますが・・・・・ということは地球や眼に見える物質はスカスカの穴だらけというという事になります。・・・・・・上の説明の<原子モデル>はそのように考えてよろしいですね。詳しい話はず~と後になりますが、後で考えて見ましょう。
 
 
 
 
 
 
  先回最初期宇宙プランク時代について書いてみました。しかし、宇宙誕生の瞬間は曖昧模糊として、何やら分からないというのが本当でしょう。そこで、少し先に進む前に東京大学の佐藤 勝彦教授に登場していただいて、宇宙創生を解明する「インフレーション理論」について、再度語って貰います。
 
質問1・・インフレーションが起きるもとの宇宙というのは、何なのですか
 
佐藤教授・・・理解しづらいと思いますが、実は最初の宇宙は無から生れたと考えられています。
 
質問2・・無は、物質も何もない状態−−どうしてそこから何かが生れてくるのでしょう。
 
佐藤教授・・・常識的には無というと何もない状態ですが、物理学的には「ゆらぎ」のある状態のことをいいます。詳しくいうと、物理的に可能な限りエネルギーを抜いた状態のことをいいます。実はエネルギーを抜くだけ抜ききっても、振動、いわゆる「ゆらぎ」が残るのです。この「ゆらぎ」は、素粒子の生成と消滅が繰り返されることにより起きていて、物理的には消すことができません。いい換えれば、無と有の間をゆらいでいる状態ということです。その状態から「トンネル効果」で、突然パッと宇宙が生れたと考えられています。これはビレンケンという学者が唱えた説で、無からの創成論は未だ完成しておらず、これからの研究が期待される分野です。
 
質問3・・その「最初の宇宙」から火の玉になるまでの急膨張が、インフレーションなのですね。
 
佐藤教授・・・この生れたての宇宙は、真空のエネルギーを持っており、このエネルギーは急膨張する性質があります。急激に宇宙が大きくなるということは、それだけ密度が低くなり、温度が急冷することになります。その時、水が氷点以下になっても一時的に凍らず、水のまま持ちこたえる現象、いわゆる過冷却と同じ状態に陥ります。その間、膨大なエネルギーが潜熱として蓄えられます。水でしたら凍る時にその潜熱が吐き出されるわけですが、インフレーションでは真空の相転移によって莫大な熱エネルギーが解放され、ごくわずかだった宇宙(1/10^34cm)が直径1cm以上もの火の玉宇宙になったのです。
 
 東京大より提供
 
 
 
 
潜熱  物質が液化したり凍結したりする時に、その物質の状態の変化により解放される熱エネルギー。
相転移 : 固体、液体、気体のように物質の質的に異なった状態を相(固体相あるいは固相)といい、物質状態の移り変りを相転移という。
 
インフレーションの膨張を国立天文台はウイルスが一瞬にして、銀河団以上の大きさに成ほどの想像を絶するものと例えています。このインフレーションとともに時間が流れ、空間が広がり始めました。
 
大統一時代 
 
 最初期宇宙のプランク時代から、宇宙の膨張と冷却が始まり、重力相互作用と残りの基本相互作用(強い・弱い力、電磁)が分離する。
 
この時代の物理法則は大統一理論で記述され、電弱相互作用と強い相互作用に分離することで終了する。
 
磁気単極子(モノポール)がこの時代に生成される。
* 磁気単極子・・・単独で存在するN極あるいはS極の性質を持った粒子。
 
 この後に最前から説明が度々有った「インフレーション期」が到来します。
 
次回はいよいよ<インフレーション期>です。
 
 
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新・サワラちゃんの宇宙・素粒子物理学入門-005

2012年10月19日 | 教育

   

 

            サワラちゃん

 

                             

                     新・サワラちゃんの 

叔父さん、叔母さんの 
宇宙素粒子 物理学入門
                                          005
  台風21号はジグザクに東シナ海を進み、途中で停滞して・・・いったいどうするつもりなんでしょうか。 今年の世界の気温は世界最高を記録したようです。特に北国方面は4度以上例年より高いとか。
 
地球温暖化が一段と進んでいるということでしょうか。今年の冬は暖冬でしょうか。と、思っていたら厳冬になったり、気象は何時も予想を覆して来ました。太陽の黒点が例年になく不活発、地磁気が異常(2極から4極に)、海流の流れや水温が異常に変化しているのですね。気温をプラスにする要因と、マイナスにする要因が混在して予想が次々と外れる。
 
太陽系全体から見れば、マクロ的な大きな変化は起きていないのでしょうが、地球レベルのミクロな部分では、大きく変化しているということでしょう。一度、ある方向に動き出すと慣性が付くというか、なかなか元に戻らないという感じです。
人間の科学力位では制御は不可能のようですね。
 
迷走台風そのもの。 何考えているんでしょうかね。
 
台風情報・気象庁  
 
  
 台風第21号
                             
 
  
 
                              
                                           
 
               「量子コンピューター」について
 
 
波の性質とトンネル効果-01
 
 
波の性質>と<トンネル効果>の量子力学の初歩について学んで見ましょう・・・ということで、先回は終わりました。
 
半導体が原子レベルまで微細になると、電子が量子力学の波の性質を現し、電子は絶縁体をすり抜けて、隣の回路に移動してしまうという現象が起こってしまいます。
 
・・・・<トンネル効果>・・・という何とも奇妙な現象について書く前に波の性質>について、話さなければなりません。
 
A- 光と電子の粒子波の性質
 
 電気が流れると言うことは、電子が回路の中を流れて行くことです。<アッタリ前ジャン!>て、簡単に考えないでください。本当はこの事だけでも、詳しい説明をしなければなりません。「超球の理論」などという、ややこしい事が有るのです。
 
本日は省略!・・・いずれにしても、電子が(-)→(+)、電流が (+)→(-)ということになります。電子の流れと電流の向きは逆になります。
 
チョッとその前に、<>= 光子、 光波(電磁波)・・・光は粒子性と波動性の両方の性質を持ちます。光の粒子性に重点を置く場合は「光子」、波動性に重点を置く場合には「光波」、光が粒子と波の二面性を持った量子であるという点に重点をおく場合は光量子と言います。・・複雑!
 
 
 
             
 
               電子と光の異同
 
電子と光はどのように区別出来るでしょうか。
                
性質                        電子  
   
速さ             C                         V<C
 
 
質量                         0                         静止質量:m0
                                                          運動質量:m
                                                         m=m0/√ 1-v^2/c^2
エネルギー              hv                         mc^2   
 
波 or 粒子       波/粒子            粒子
 
光はC=30万km/s, 電子は平均的に4.4mm/分の速度で流れます。ここで不思議なことに気が付きませんか。余りにも速度が違う? 
 
・・・電流は導体中の電子などの流れによって生じますが、電流と電子の速度には大きな差があります。電流は基本的に光速度に近い速度で伝播しますが、導体中の電子そのものは非常に遅い流れです・・・ 
 
どういうこと、どうして?    電流の速さ>電子の速さ
 
光は波と粒子の性質を持ちますが、電子は粒子の性質を持ちます。 <
 
光と電子は大分見かけ上性質が違いますが、これはどのようなことなのでしょうか。    光と電子の粒子波の性質>・・・・?? 違うでしょ!
 
難しいことになってきました。表題には電子は粒子波の性質があるとし、途中で粒子と変わりました。   オカシイデスネ。・・・・おかしくないんです
 
この辺りが量子理論の難しいところ。これから少しづつ考えて行きましょう。
 
次回は<波の性質とトンネル効果-02>について書いてみます。
 
 
                       
 
 
            ビッグバンインフレーション
 
 
 
 
先回までは<ビックバン>、<インフレーション>について、お話してきました。ただ、この理論は確定した理論では有りませんので、幾つかの問題点を持っています。ビックバンの持つ問題点の幾つかは<インフレーション>理論でクリアーしました。
 
 
1-  平坦性問題
2- 地平線問題
3- モノポール問題
4- バリオンの非対称性
5- 球状星団の年齢
6- ダークマター
7- ダークエネルギー
8- ヒミコの発見
 
 
インフレーション>理論の詳しい事に立ち入る前に、「宇宙の歴史、宇宙の進化」について考えて見ましょう。
 
 
* この部分はWIKI,JAXA国立天文台の資料から書いています。
 
 
 
 
 
                宇宙の進化(宇宙の歴史
 
 1・ 最初期宇宙
 2・ 初期宇宙
 3・ 宇宙の大規模構造の形成
 4・ 宇宙の最終段階
 
 
1- 最初期宇宙
 
 私達の宇宙が誕生する瞬間の状況については、推論の段階で様々な理論が飛び交っていることは、先般来お話してきました。
 
無のゆらぎ」というな状態からとか、循環する宇宙とか、巨大なブラックホールの中からとか、5次元空間、双子の宇宙、あるいは宇宙の膜同士がある一点で接触した瞬間に宇宙が誕生するとか・・・・・etc
 
その他に(WIKI参照

宇宙が誕生が誕生する瞬間の理論は百家争鳴の観が有りますね。確定した理論が出てくるまでに、この先どのくらいの時間が必要なのかは分りません。

では、この部分はここで一先ず終えて、次の段階に進みましょう。

 

                       

プランク時代・・・宇宙誕生から1/10^43秒 ( ^=累乗

 

プランク時間tPは、マックス・プランクによって提唱された単位系における基本単位の内、時間について定義されたものである。現在では 5.39121 × 10-44 であるとされている。1 秒の長さをプランク時間を単位として表すと約 1.855 ×1043 tP(Wiki)

量子効果のために一般相対性理論が破綻すると推測されている。この時点では4つの力<電磁力>、<弱い力>、<強い力>、<重力>が分離していない状態。(4つの力については、原子核内部の説明の時にお目にかかります

以前から紹介して来ました、<超弦理論>が確立したり、<ループ量子重力理論>などの、量子重力理論が確立すれば、この時代の理解が進むとされております。

次回は次の段階<大統一時代>、<インフレーション時代>・・・・と進みましょう。

   

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新・サワラちゃんの宇宙・素粒子物理学入門-004

2012年10月13日 | 教育

 

           サワラちゃん

 

                             

                     新・サワラちゃんの 

叔父さん、叔母さんの 
宇宙素粒子 物理学入門
 
 
 2012年度ノーベル物理学賞はフランスのセルジュ・アロシュ博士と米国のデービット・ワインランド博士に授与されることが決まりました。10/08の山中教授に続いて物理学賞を日本でも期待したんですけれども、今年は駄目でした。
来年に期待しましょう。
 
 
         デービット・ワインランド博士
          
 
                              セルジュ・アロシュ博士
                               
 
 
 <量子粒子という量子物理学の幽霊のようなものを制御するという実験方法を考案した>ことがノーベル物理学賞の受賞理由になりました。
この功績は1- セシュ-ム原子時計よりも100倍以上正確な時計の製造につながる。 2- 量子コンピューターの実現に向けての基礎を築いた と説明されております。
 
いずれも1944年度生まれの物理学者で、セルジュ・アロシュ博士はフランスのコレージュ・ド・フランスとパリ高等師範学校の教授。 デービット・ワインランド博士は米国の国立標準技術研究所とコロラド大学の教授です。
 
 
              
 
 今年の物理学賞は素粒子物理学特有の理論である、量子物理学の成果が取り上げられました。以前にも書きましたが、物理学の世界には古典物理学であるニュートン物理学の分野と、原子、電子、あるいはより微細な世界を範囲とする量子物理学の分野があります。
 
古典物理学とアインシュタインの相対性理論までが一つの分野であり、マクロ分野の物理学と考えてよろしいとおもいます。 1mmの1000万分の1の世界、分子よりさらに小さい世界は一般の常識を遥かに超えた不思議で神秘的な世界観が原理として存在しています。
 
 
            「量子コンピューター」について
 
 
 Express5800
 
 
 コンピュータはアナログ・コンピュータデジタル・コンピュータの2種類に分かれるが、殆どのものはデジタル・コンピュータである。1940年代に最初のコンピュータが登場して、現在まで基本的にはノイマン型の構成を受け継いでいる
 ノイマン・・・ジョン・フォン・ノイマン
 
現在のコンピュータであるフォン・ノイマン型はあらゆる情報を二進数の数字に置き換えて計算処理しているが、二進数は「0」と「1」の2つの数字だけで処理を行っている。コンピュータ内では電気が流れない場合は「0」、流れれば「1」と認識する。 
 
コンピュータの心臓部では半導体のプロセッサが使用されていますが、LSI(大規模集積回路)からさらに進化した超LSI、超超LSIと次第に発展してきました。しかし半導体の世界では<ムーアの法則>というものが存在し、2020年度までには半導体は原子とほぼ同じ大きさまで、小型高密度化されるものと予測されています。
 
 IBM提供   半導体
 
 
           <光の波長の限界が半導体の限界
 
 現在の半導体は写真技術を応用し回路を写しこみ、薬品で回路以外の部分を削除するというエッチングという手法で製作されています。しかし、原子レベルまでの微細な回路を形成するようになると、現在は光を照射する技術で行っている関係上、光の大きさまでしか彫れないことになります。
 
ここまで来ると光の波長を今以上に短くするという余地は残っているのですが、先程も説明しましたとおり、原子レベルの世界では量子力学の世界の不思議な現象が大きく作用してくることになります。
 
                CRAY- one
 
 
ではどのような困難な現象が起こるのでしょうか。
 
半導体が原子レベルまで微細になると、電子が量子力学の波の性質を現し、電子は絶縁体をすり抜けて、隣の回路に移動してしまうという現象が起こってしまいます。・・・・<トンネル効果
 
これらのことから半導体はこれ以上小さくすることが出来なくなりました。その問題を解決する手法が「量子コンピューター」です。
さ~て、ややこしい事になってきました。
 
次回は<波の性質>と<トンネル効果>の量子力学の初歩について学んで見ましょう。
 
      
                              
 
 
            ビッグバンインフレーション
 
 
 
 
 先回は量子力学の世界の最も最先端の、宇宙の創生の時の状態について書いてみました。書いてる本人が余り分からない世界なのですから・・無責任ですが・・・現代科学でもこのことについては、所論多数有りでハッキリ分かっていないのです。ただ、今のところ世界中の物理学者の大部分が認めている宇宙創成の理論は<ビッグ・バン>理論であるということです。
 
少し整理してみましょう。
 
宇宙が出現してから・・・    1/10^44秒後 ( ^ は累乗
 
インフレーション開始・・・    1/10^36秒後
 
インフレーション終了・・・     1/10^34秒後
 
以上の宇宙創成の展開が、<ビッグ・バン>です。
では、どのような観測事実がビッグ・バン理論を支えているのでしょうか。
 
- ハップルの法則
- 宇宙マイクロ背景放射
- ビッグ・バン元素合成
 
以上3つが挙げられています。では、少し詳しく説明していきましょう。その前に<インフレーション>とは何でしょうか?
 
JAXAの説明は・・・・宇宙誕生直後、1/10^36秒~1/10^34秒のごく僅かの間に、宇宙が指数関数的に膨張し、宇宙が一気に10^43倍に大きく広がった・・・・
としています。 常識的感覚では掴めない瞬間。 10^43倍って皆さんピ~ンと来ますか。
図を東京大学から借りてきました。如何でしょうか。時間的感覚は狐に鼻をつままれた感じ!
 
東京大学 佐藤勝彦研究室より掲載 
 
 
 
ビッグ・バン理論は当初から幾つかの問題点を抱えておりました。
 
1- 平坦性問題
2- 地平線問題
3- モノポール問題
 
以上3つでしたが、この問題を上手に回避し、観測される宇宙の構造を説明したのが、東京大の佐藤 勝彦教授とアメリカのアラン・グースでした。         これが<インフレーション理論>です。1981年のことです。
 
次回は3個のビッグバンの問題点を<インフレーション理論>がどのように解決したかを説明してみたいと想います。
本日はいずれもくしくも「量子力学」について書いていますので、少しは理解が行きましたでしょうか。
 
 
         
 
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新・サワラちゃんの宇宙・素粒子物理学入門-003

2012年10月08日 | 教育

sawarachan

                        

 

                             

                     新・サワラちゃんの 

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宇宙素粒子
物理学入門
 
 
みずがめ(水瓶)座のらせん星雲 
 
 
 上の写真は地球から650光年離れたみずがめ(水瓶)座のらせん星雲を、2つの宇宙望遠鏡を使って撮影した画像を米航空宇宙局(NASA)が4日までに公表された。恒星が寿命を終え、周囲にガスやちり状の物質を振りまきながら死にゆく姿。地球の近くにある太陽も、50億年後には同じ運命をたどると考えられている。
 
 
我々の宇宙がビッグバンで誕生してから137億年。 太陽系の年齢は45.66億年。太陽系が過去に超新星爆発を起こした恒星の残骸から出来上がったというのが20~21世紀宇宙物理学の通説です。これは地球上に金・鉄・ウランといった物質が含まれていることに由来します。当然のことながら地球以外の惑星も同じような状態でしょう。
 
 
 
 
太陽は太陽系の総質量の99.86%を占めており、太陽系の歴史は太陽の歴史そのものです。
 
太陽の歴史
 
太陽誕生 1億年後・・・・・主系列星の段階に入った太陽は、現在までに30%ほど明るさを増してきたとされている
 
主系列星・・・・巨大な質量を持ち誕生後数百万年で超新星となるようなものを除けば、大多数の恒星は生涯のほとんどの時間を主系列に位置する。主系列星の段階は109億年ほど続く。
 
 
 
 
太陽誕生 63億年後・・・・中心核で燃料となる水素が消費し尽くされ、中心核ではなくその周囲で水素の核融合が始まるとされる。その結果、重力により収縮しようとする力と核融合反応により膨張しようとする力のバランスが崩れ、太陽は膨張を開始して赤色巨星の段階に入る。
 
外層は現在の11倍から170倍程度にまで膨張する一方、核融合反応の起きていない中心核は収縮を続ける。この時点で水星と、金星は太陽に飲み込まれ、高温のために融解し蒸発する。
 
太陽誕生 76億年後・・・・中心核の温度は約3億Kにまで上昇し、ヘリウムの燃焼が始まる。最終的に太陽は現在の200倍から800倍にまで巨大化し、膨張した外層は現在の地球軌道近くにまで達すると考えられる
 
 
 
 
 
かつては地球も太陽に飲み込まれるか蒸発してしまうと予測されていたが、20世紀末 - 21世紀初頭の研究では赤色巨星段階の初期に起こる質量放出によって重力が弱まり、惑星の公転軌道が外側に移動するため地球が太陽に飲み込まれることはないだろうとされている。
 
あるいは太陽の活動が強まっている段階で、太陽風が強くなり、その圧力で地球より外周の惑星は太陽系の外側の方へ押し出されるという説も有る。 木星なども気体部分は太陽風に飛ばされ、中心核の岩石部分のみが残るとも考えられている。いずれにしても地球は大気が全て剥ぎ取られ、生命体は残存出来ないでしょう。残ったとしても地中深く生息するバクテリアだけでしょうか。
 
 
 
 
太陽誕生 109億年後・・・赤色巨星の段階に続いて太陽は脈動変光星へと進化し、これによって外層の物質が放出されて惑星状星雲を作り、10 - 50万年にわたってガスを放出する。(みずがめ(水瓶)座のらせん星雲)も同じ状態 その後、太陽は白色矮星となり、何十億年にもわたってゆっくりと冷えていく。123億年後には収縮が止まる。
 
 
これらの星は、もはやエネルギー源が無いため、数百億年かけて次第に低温の星になり、最後は黒色矮星となって電磁波による観測ができなくなるとされている。
 
以上が太陽の3倍以内程度の主系列星の全生涯です。 
 
 
               太陽内の核融合反応
 
 
 
 太陽の核融合は「水素核融合」です。水素原子(H)4個からヘリウム原子(He)1個に変換され、この反応が起こると質量が0.7%減少(質量欠損)します。この僅かな差が光や熱エネルギーに変わるわけです。全てが核融合炉としての巨大な太陽の質量を考えれば、たった0.7%の減少もそれはもう莫大なエネルギーになるわけですね。
 
太陽の場合毎秒約6億トンがヘリウムに変わってます。この時発生するエネルギーは3億8500万メガワットの1兆倍のエネルギーに相当するそうです。想像を絶する巨大なエネルギーになるわけです。


 
                              
 
 
            ビッグバンインフレーション 

 


先回から<ビッグバン>について少し詳しく書いています。一般的に巷間言われていることと、微妙に違うことがお分かりいただけたでしょうか。

 物質も空間も時間さえもない究極の重力的特異点という大きさが零の状態から宇宙が生まれた・・・なぞと言われると、狐につままれた感じになるのは、筆者だけではないと思います。ましてや、「無」の状態から生まれたなぞと言われると、<ホンマかいな?>と思うのは当然だと思います。

仏教の経典を見ると、<>、<>、<>という概念が出てきますが、<有>は存在する・・・物質= <無>・・・存在が無くなった状態 <空>は有と無の中間の状態であるとされております。 そのようなわけですから、常識的に考えると、<無>の状態から宇宙が突然発生する訳はない。と考えるのは止むを得ないと思いますね。

 

 

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は<無のゆらぎの状態>ついて、このように説明しております。

・・の状態が両方とも同時に、ある確立をもって存在している状態をさす。我々の身の回りの物質は細かく分解していけば、全て確率的に存在している・・・・この量子論的な世界が宇宙の始まりにあったと考えられている・・じゃ、私は確率的にこの世に存在してるの?

・・・そのような無と有の状態でかつ時間の無い世界は、宇宙が生まれては消えていく世界で、その中の一つが何らかの原因で消えずに成長したのが、現在の宇宙である・・・・これが国立天文台の説明です。?????

何か落語のジュゲムジュゲムを聴いているような感じ。何らかの原因って?ひょっとしたら、<神様がお作りになったんだ>・・・ そん事かしらと思いたくるような感じ。

 

 

無のゆらぎの状態>というのは、<>ではなく、<真空のエネルギー>で満ち満ちている状態である・・・・ ますます????

例えば<電子・->と<反電子・+>、<陽子・+>と<反陽子・->、<物質・+>と<反物質・->といえば、いかがでしょうか。<無のゆらぎ>の中からこれらが生み出されてきますが、すぐ対消滅を起こして消えていきます。でも、無になったわけでは有りません。そのようなエネルギーに満ち溢れた宇宙空間から、突然消滅しない宇宙が生まれ出たということです。

仏教の理論の<空>=真空エネルギーという解釈をすると、以外に簡単に理解できるのではないでしょうか。今から2000年以上も前の科学もないような時代に、どうしてこんな事が理解出来ていたのでしょうか。

 

 

さらに、国立天文台はこんな説明をしています。

・・ 宇宙が生まれたときは最初は11次元で、やがて余分な次元が小さくなり、空間の3次元と時間の1次元が残った・・・・

ちょっと待ってくださいな、先生!って言いたいくらい。 

4次元空間 ・・・縦、横、高さの3次元+時間・・OK 了解

後の残り7次元は<小さく丸まった>??? 

ミチオ・カクという米国の大学教授の書いた<超空間>という物理学の本に掲載されていた概念ですが、我々の宇宙はこのような構造になっているようです。 チャンドラ・セカールというノーベル賞受賞学者はこの宇宙世界は26次元であると、言っていたそうです。トンデモナイ次元。想像も出来ない!

超弦理論」という素粒子物理学の世界では、この宇宙は11次元で認識されています。残りの次元は顕微鏡でも見えないほどの、小さな世界に丸まってそんざいしているので、4次元空間としてしか認識できないそうで・・・????

 

でも、<ワープする宇宙>のリサ・ランドールの理論では、5次元空間の存在は間違いないと考えているようです。5次元目は余剰次元ということで、重力のみがその次元に関係が有るとの事・・・????

いずれにしても、我々の宇宙空間が生まれた瞬間は、現代物理学でもいろいろな説が行きかい、定説はない状態です。

欧州合同原子核研究機構CERN)に所属する物理学者Gabriele Venezianoによりますと、・ビッグバンより前にも宇宙は存在し、宇宙の時計は果てしない過去から無限の未来まで、永遠の時を刻み続けている・・としています。そして、

 宇宙は最初、希薄なガスが漂う空間であったが、やがて一部が集まって固まりとなり、その後ブラックホールとなり、その中の密度が極限に達したとき、ビックバンが起きて、宇宙が形成された。

 

 

 現在の宇宙は巨大なブラックホールの中にあるということになります。彼は第一世代の超弦理論の研究者で、ミチオ・カクよりも古い研究者です。その後、彼の理論は南部 陽一郎博士の量子色力学にも繋がっていくのです。

如何でしたでしょうか。 堂々巡りのような状態になりましたか。いずれにしても、現代科学では良く解っていないのが現状です。

次回はさらに詳しく時間を追ってビッグバンについて書いてみます。

 

 

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2012年10月05日 | 教育

 

 

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