茜ちゃんの「島日記」

奄美群島から文化の発信を試みております。自然・文化・民俗学など想い付くままの事柄どうぞお聞きください。

新・茜ちゃんとサワラちゃんの宇宙・素粒子物理学入門-023

2013年03月23日 | 教育

 

                          Akaneちゃん

  

sawaraちゃん

 

次回の新規更改は 4/06 となります。

 

 いよいよ来週辺りからお花見が出来るような季節になった所もあると思います。ここ、西南諸島は相変わらずの初夏のような陽気です。海水は暖かくウエットスーツでも着れば、十分泳ぐことが出来ます。4月の初旬から日中に大潮の干潮が見られ、潮干狩りが出来ます。遠浅の海岸は沖の珊瑚礁の岩礁まで干上がり、貝やイカ、蛸が採れそうです。 岩礁の穴や裂け目には珍しい生きた貝や貝殻がはまっております。これを見つけるのが楽しみ!

 

* 2個の陽子の衝突後にヒッグス粒子が出現し、それは2つの流れ、ハドロンと2個の電子の流れになっている。(Wikiより)

 

ヒッグス粒子の存在を CERN で事実上断定!

 

CERN欧州合同原子核研究機関)は昨年発見した新粒子は最新データ解析結果によって、ヒッグス粒子の存在を実験で確認したようです。事実上の断定の模様です。これにより、<標準理論>で唯一、存在が予想され確認できなかった未知の粒子・ヒッグス粒子の存在を確定したことになります。

米国・イリノイ州バタビアにあるフェルミ国立加速器研究所の衝突型加速器(TEVATRON)が2011年9月30日に閉鎖されました。TEVATRONは2014年までの延長案が出ていましたが、結局2011年にSTOPしてしまいました。原因が膨大な費用に懸念が有ったためです。

               CERN

 

CERNLHC)とTEVATRONの比較

                     CERN               TEVATRON  

衝突させる粒子            陽子・陽子           陽子・反陽子

主リンク  円周            27km              6km

衝突エネルギー            14000GeV          2000Gev    

実験    期間            2008年~             2001年~2009年 

所在地                 ジュネーブ郊外           シカゴ郊外    

  ヒッグス粒子に入る前に、米国での加速器の建設計画SSCについて、予め説明してみましょう。SSCとは「超伝導型陽子衝突加速器」を意味します。結果的にはこの計画は、レーガン大統領の時代に中止に追い込まれました。余りにも膨大な資金が必要な計画でした。テキサス州ダラスの2000年ころ完成する予定でした。

 

                CERN(加速器断面)  

SSC計画の目的

 SSCの装置は周囲を電磁石で囲まれた周囲80kmの巨大なトンネルで、このトンネルの内部で二本の陽子線(陽子ビーム)を光速に近い速度でまで加速する。1本の陽子線は右回りに運動し、もう1本は左回りに運動するため、究極のエネルギーに達したところで、二本の陽子線を正面衝突させます。その際のエネルギーは40T(テラ)電子ボルト(40兆電子ボルト)という膨大なものとなります。

この時陽子を構成する素粒子が破片となって飛び散るので、これを検出器で分析するわけです。SSCもCERNもTEVATRONも基本的には同じようなメカニズムです。ただ、SSCは何十億ドルもの費用なので、とうとう中止になったと言うわけです。

では、SSCが完成されていたら、何が発見できたのでしょうか?

                   TEVATRON

 

 科学者がSSCを使って、新粒子の発見を期待していました。標準理論で予想されていたヒッグス粒子のようなものでした。ヒッグス粒子はクオークの質量の源になっているとされております。物質の質量の起源は、このヒッグス粒子によるものです。

米国はSSCが中止になりましたので、シカゴ郊外のフェルミ国立加速器研究所にTEVATRONを設置し、実験を始めました。ここでもヒッグス粒子の発見によって、物質の質量の起源の謎を解くことでした。 2008年からヨーロッパのジュネーブ郊外に巨大な加速器装置を設置し、実験を開始し、データの検討をしていたところ、今回、ほほヒッグス粒子の存在を確認したのでした。

 現在はCERNとTEVATRONは同じ目的で、セメギあっているのです。この後、実験でこのヒッグス粒子の存在が確認されれば、先般ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎博士の1961年に発表した「カイラル対称性の自発的破れ」という理論が再評価されることになります。

では、次回はヒッグス粒子について、少し詳しく書いてみたいと思います。

 

       古典論と量子論の橋渡し

                        001

              ファン ・ デル ・ ワース(-001

           1837-1923  

 先回までは「ノーベル賞を逃した人」について、ケルビン卿、ポアンカレ、メンデレーエフの3人に対して書きました。今回は<橋渡し>というカテゴリーに嵌ると見られる、ファン・デル・ワースについて書いてみましょう。これも「ノーベル賞で語る・現代物理学」(池内 了)に基づいております。   

                     

 1910年にノーベル物理学賞を受賞したオランダの物理学者です。 「分子間力」を考慮した気体の状態方程式を発見しました。この方程式は気体と液体を区別無く扱うという特性があります。つまり、気体と液体は連続体と言う考え方です。非常に普遍性のあった方程式であったため、当時まだ液化されてなかった、水素とへリウの状態方程式を予測できました。

彼の科学者としての特徴は・・・これまでの古典物理学に依拠しながら、新しい物理学への橋渡しをした・・・という方でした。別な面から見れば、彼は物性物理学の創始者とも言うべき存在でした。  

では、続きは次回とします。  

今回は「カク・ミチオ 宇宙空間」はお休みします!

 

 

 

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新・茜ちゃんとサワラちゃんの宇宙・素粒子物理学入門-022

2013年03月08日 | 教育

      Akaneちゃん

  

sawaraちゃん

 

 

                           お知らせ

            次回は3/23 (土) に更改いたします。

 

    *****************************************

 中国大陸から黄砂に混じって、有害物質が飛んでくると言う情報が、TV・ラジオなどで毎日話題になっております。黄砂だけでも洗濯物がすっかり汚れてしまうほどですから・・・・

花粉症の患者がメッキリ増えてきている現在、この上に大気汚染物質は叶いません。無差別な自然破壊がその根底にあるようですから、人災ですね。タクラマカン砂漠の黄砂が黄河の流れに乗って、そして、偏西風という250km/hという、プロペラ飛行機の巡航速度並みの速度で、日本を横断していくのです。途中で黄海、日本海、日本列島、太平洋に黄砂は落下していきます。当然のことながら、汚染物質もです。

中国・甘粛省の黄砂

話変わって

NASAからの情報では、八プル望遠鏡にへんてこりんなものが映っているとか。

 

インベーダーだと大騒ぎになったとか。実は望遠鏡の赤外線カメラが20億光年離れた銀河団「アベル68」をとらえた画像だそうで、この銀河団の背後にある渦巻銀河が、銀河団の重力で曲げられて、このような形に見えているとか。アインシュタインの重力レンズ効果の現実の姿でした。・・・・でも、最初はびっくりしたでしょうね (^-^)

 

重力レンズ効果

上の写真にも写っておりますが、リング状の恒星が見えてます。アインシュタインリンとされております。

 

 

 古典物理学の最後の輝き・物理学史

 「ノーベル賞を逃した人達」 

メンデレーエフ 

以下は「現代物理学」・池内 了 の抄訳です。

メンデレーエフ と云えば、皆さんはすぐ例の表を連想するでしょう。

そうです。化学や物理学の教科書の一番最初か一番後のページに印刷されていた・・・

元素の周期律表

見るだけでウンザリする方も居るかもしれません。(^-^) メンデレーエフは西シベリアで生まれ、以後、サンクトペテルブルグに移り、ここでサンクトペテルブルグ大学を卒業し、その後大学教授となりました。研究分野は化学・物理学とその近接領域です。

         

1869年にメンデレーエフは周期律表を発表しました。「元素を<原子量>順に並べることによって、規則的な性質が周期的に現れてくる」ことを見出した。1860年代には63種類の元素が発見されており、そこになんらかの規則性があるのではないかと、研究者が競って研究をしておりました。

                 

ところがほぼ同時期に、ドイツの化学者<ユリウス・ロータル・メイヤー>が同様の周期律表を発表したのでした。結果的には彼の周期律表の発表が、メンデレーエフの周期律表は化学者の信頼を得ることが出来たのでした。

ユリウス・ロータル・メイヤー

1857年に血液中のヘモグロビンが酸素と結びつくことを発表していました。

メンデレーエフがノーベル賞を受賞できなかった原因もその辺りに有ったといわれております。彼の素晴らしい業績は、

A-元素を原子量の順で並べたら、化学的性質が周期的に現れる。

B-まだ未発見で空白になっている場所に元素が存在することを予言した。Ga・ガリューム、Ge・ゲルマニューム、Sc・スカンジニュームなど。

メンデレーエフが周期律表を「視野を広げる望遠鏡」と呼んだそうですが、このことが元素の分類、化学結合、そして量子論に発展していく導きの手になったとされております。

 

   Tea Time  

 ところで皆さん、周期律表を克明に見たことがお有りでしょうか。良く見るとおかしいところが都合2箇所あります。 原子番号28,29つまりCoNiです。これらの原子量はCo=58.93、Ni=58.69・・・いつの間にか逆転しておりました。

それではと他を探しましたら、原子番号90,91つまりThトリューム)とPaプロトアクチニューム)でした。 Th=232.0、Pa=231.0

その答えは「特性X線」でした。それぞれの元素は固有の波長のX線(特性X線)を放射しますが、その振動数は元素が持つ電荷(原子番号)の数の平方根に比例するのです。このことから原子番号順に並べると、元素の規則性は完全に保障されるとのことです。そのようなわけで、上記の周期律表は正確でした。

・・・・不思議な並び方・・・

90・Th(トリューム)、91・Pa(プロトアクチニューム)、92・(ウラン)、93・Np(ネプチニューム)、94・Pu(プルトニューム)、95、Am(アメリシューム)・・・・・お分かりですね。一つ置きに原爆の材料になる核物質が出てきます。

今回は「カク・ミチオ 宇宙空間」はお休みします!

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新・茜ちゃんとサワラちゃんの宇宙・素粒子物理学入門-021

2013年03月02日 | 教育

Akaneちゃん

  

sawaraちゃん

 

 少しお休みしました。2月の初旬に自宅の畑に琉球イノシシが侵入したり、PCウイルスがシステムに侵入したりと大賑わい。お陰ですっかり予定が狂いましたが、以前より状況改善な状態になり、現在順調に推移しております。

 

超新星爆発:「宇宙線」の証拠発見 京大など・・・NASA

宇宙から地球に降り注ぐ粒子「宇宙線」の大部分は、星が一生を終える時に起こる大爆発「超新星爆発」の残骸から出ている証拠を発見したと、京都大などの国際研究チームが発表した・・・・毎日新聞 

宇宙線の内訳は、90%が陽子、9%がヘリウムなどの原子核、1%が電子だそうで、チームは超新星爆発の残骸のうち、地球から約5000光年離れた「IC443」と、約9000光年離れた「W44」を、NASAの天文衛星フェルミで08〜12年に観測したデータを解析。この結果、宇宙線の陽子が周辺のガスと衝突した時に生じるガンマ線の存在が明らかになり、陽子も超新星爆発の残骸から出ている証拠としたとしています。

超新星爆発によって、宇宙空間に様々な物質がばら撒かれ、それらが長い年月の間に凝集し、星雲となり、そこから新しい恒星や惑星集団が出来上がる。この繰り返しの中でこの宇宙空間に無数の銀河が出来上がったということでしょうか。

仏教哲学の輪廻転生はこの宇宙の真理かもしれません。全てのものが消滅し、また再生するという・・・・

 

古典物理学の最後の輝き・・物理学史

 

「ノーベル賞を逃した人たち」

 

ポアンカレ(Jules-Hennri Poincaré)-02

 

 
以下は「現代物理学」・池内 了 の抄訳です。
 
先回はポアンカレについて書きましたが、今回も引き続きポアンカレ。先回は「ポアンカレ予想」について書いてみましたが、ポアンカレと言えば数学者と言うだけでなく、物理学・天文学・科学方法論・科学基礎論などの分野でも有名です。
 
日本の大学でも講座として「科学基礎論」などは、最近開かれたのが多いのではないでしょうか。ポアンカレは初め量子論を否定していたそうですが、1911年に開催されたソルベー会議でネルンスト、マリー・キュリー、アインシュタイン、プランクなどと席を共にしたことにより、それが転機になり量子論を論証する立場に転向したとされております。
 
そして、その後ポアンカレは天文学の天体力学に進んでいきました。「三体問題」という言葉をご存知でしょうか。昔のことですが、筆者が高校生のころのお話・・・・
 
 筆者の学校は北海道大学の傍の高校でしたので、北大の研究者が講師によく来ており、当時は「地学」を教えてくれました。やんちゃ盛りでしたから、ワザと難しい質問をして、先生をやり込めるのが生徒の魂胆。 その日も流体速度に関する質問をする。
 
・・・ その時先生しばらく考えて、慎重に仰った。<三体問題というのがあるんだがな~>って。<ギョッ!> <予想外の答え>・・三体問題って??
ここで、物理学の難問で「三体問題」というものが有ると言う新知識を吸収。無論ポアンカレの何なんて分かろうはずもないが・・ひょんなことで高等物理学に接したと言うわけ・・・・
 
三体問題・・・重力で相互作用する天体が二体あれば解が明確に得られるのに、三体になれば途端に解が不定にとなってしまう・・・

 

 これはその後非線形系の<カオス>に繋がっていく。その時はコンピューターが未発達の時だから、問題の指摘にとどまったが、それ以後の物理学に大きな影響を及ぼしました。

北大の研究者が<三体問題>を口にしたのが、1960年代も初頭。当然PCなんか陰も形もない時代でした。

どのような理由でこのような学者が、ノーベル賞を受賞出来なかったか分からないが、実に不思議なものですね。運がないというか。

 

特集・008    宇宙文明について(ミチオ・カク・・超空間 

 

 

        文明の誕生滅亡

太陽の死&銀河の死

 

 先回は <宇宙のニアミス>について書いた途端、本当に空から彗星か何かの破片が落下して来ました。重量1万トン。 そのまま激突したら水爆クラスの衝撃になっていたことでしょう。こんなことは遠い未来ではなく、いつでも起こり、何時でのも我々はとんでもない危機に直面するのだと言うことを、思い知らされたわけです。

隕石に体当たりし、貫通した物体は何だったんでしょうか。UFOでしょうか、それともロシアのミサイルでしょうか。ミサイルでしたら貫通は無理かと思いますが?実態は謎の中・・・

 

 

皆さんもご承知の通り、現在科学は我が太陽系の質量の大部分を占めている、太陽の寿命です。後50億年もすると赤色矮星になり、爆発的に膨張し、火星の軌道をも飲み込む大きさになるとされております。そうなれば当然のことながら地球は灼熱地獄に飲み込まれ、地球上のあらゆる生命体は焼き尽くされるという事態に遭遇します。

我が太陽系は天の川銀河と言われる銀河の<オリオン腕>と呼ばれるところに存在しておりますが、天の川銀河から200万光年の先には、アンドロメダ銀河が存在し、この銀河が125Km/sという途方もない速さで、こちらに向かっているとのこと。今日明日に衝突することは有りませんが、50~100億年以内には衝突してしまうとか。その時どうなるかは予想も付きませんが、途方もないスケールの状態になるでしょう。

 

 

人間という種がそれまで持ちこたえるかは、予想もできませんが・・・・開いた宇宙がこのまま無限に拡大し、絶対零度K=0に無限に近くなって、宇宙的死を迎えるか、あるいはある時から収縮を初め、特異点まで収縮して、再度ビッグバンが始まるのか・・・宇宙の動きをコントロールすることは、我々の科学力では到底無理なことなのかもしれません。

この我々の宇宙が始まってから137億年と言うけれども、循環する宇宙の一番新しい宇宙なのかもしれません。されば、すでにこの宇宙は何兆年の時間が経過しているのかも知れません。

 

 

 

 

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