茜ちゃんの「島日記」

奄美群島から文化の発信を試みております。自然・文化・民俗学など想い付くままの事柄どうぞお聞きください。

新・サワラちゃんの加計呂麻日記島 & 能面・面打ち 007

2014年03月29日 | 教育

 

 サワラちゃんの

 加計呂麻島日記  能面・面打ち

 

007

 

 

自宅の裏の海岸

 

比較的穏やかな晴れ間が続いております。今日も春霞に覆われた昼下がり。カメラ片手に散歩の途中でパチリ! 絶景でもありませんが、まあそこそこの景色。薄ボンヤリ見えているのが奄美大島本島。手前が加計呂麻島の半島。手前は湾になっております。台風の際は大型船舶が停泊して、汽笛が始終なっております。「戦艦武蔵」も戦時中は停泊していたとか。島のように大きかったでしょうね。それも今は昔のはなし。今は静かな時間だけが流れております。

 

爺の畠の隅にある「ナニワイバラ」の茂み。これから咲き始めます。

 

ナニワイバラ

            

 

拙宅の玄関の「マザー・テレサ」像の下に一輪飾りました。まだ数輪ほどですが、タップリ栄養を去年施しましたので、ことしは壮観な眺めになるでしょう。原種ですので環境に非常に強い。本土から持ってきた他の薔薇はなかなか咲いてくれませんでしたが、この娘だけはまったく関係なし。

中央に造花の薔薇が年から年中咲いております。ここを訪れる方は必ずビックリされる。そして、キリスト教と仏教の混在ですので、またビックリ?

「マザー・テレサ」のお写真は、「十一面観音像」のお写真の額の裏に、どのような訳か入っておりました。爺も今では記憶になし。何故でしょうね??? そのような訳で急遽玄関にお飾りしました。

 

近くに野原には「ハイビスカス」が咲いておりました。

           

 

そして、何時もの通りこんな感じになるのです。近江・三井寺の不動明王のお写真。

 

畠の別な場所に咲く「ナニワイバラ

 

こから数年もしたら、畠の周囲は「ナニワイバラ」で覆われるでしょう。イノシシ除けには最適。奴でもこの薔薇の凄い棘には敵わないでしょうから。大きな強靭な棘が付いております。その割には可憐な白い花。女は怖いね~・・・ 

 

  

 

喫茶店でちょっと一服-01    

 

 

まだまだマレーシアの旅客機の行方不明騒ぎの結論が出ませんね。今のところオーストラリアの西2500km西の深海に飛行機が燃料切れで墜落しているとか???何故、わざわざトンでもないコースを選択して、飛行したのでしょうか。

大きな謎?予想も付きません。

黒海のクリミヤ半島の大騒ぎの影響で、影が薄くなってしまいました。240名程の乗員ですが・・・・・・・・ウクライナ情勢も混沌として、G8は開かれないそうで、G7のメンバーが大騒ぎ。ロシアは永久にメンバーから外れるとか。キューバ危機以来の大騒ぎです。

中国の態度が今一度曖昧。 黙って見ているのでしょう。何れはこの事件が尖閣諸島問題に関わってきます。また、北方領土問題にも又同じ。安部首相も大変でしょう。隣の国の方は強健姿勢を崩さず。オバマ大統領も頭が痛い!

 

 

何時もながらの暗い話ばかり。金融市場も動きは鈍い。当面調整場面でしょう。 暫く静観でしょう。このような時は市場から手を引くか、昼寝しかありませんね。世界中にフラストレーションが溜まりつつあり。大きな爆発にならなければ宜しいのですが。それにしてもマレーシア航空機事故はどのような意味合いを持つのでしょうか????

今年は「午年」・・・予想外に跳ねるかもしれません。自然災害、人災と案件は目白押し。 人は都会に集中し田舎は過疎化から無人化していく現実。日本も確実にその傾向にあるとか。

良いことなのか悪いことなのか、一概には言えませんがね。

 

  

 

 

 

喫茶店でちょっと一服-02    

 

 以前ご紹介しました能面の写真。東京都下・羽村在住 新井 達矢 氏の打たれた能面をご紹介しました。その時うっかりミスで能面の名称を間違えました。ご本人から指摘を受けましたので、急遽、訂正致します。

 

若女・新井 達矢 作 

                                         

 

 落ち着いて見ればすぐ気が付くのですが、いろいろ事情がございまして間違ってしまいました。

 

増女・新井 達矢 作

                                   

 

如何でありましょうか! この2つの女面は面の「毛書き」が同じ。大事な毛書きで、一目で区別が付かない。何処が違うの??? 一つのポイントは「口の切り方」に有る。面の裏表を見ると口の切り方が違うのが分かります。それから面全体から受ける感じ・・・マカ、曖昧な表現ですがね。 違いますね。

 <ワカラニャ~ン sawara

 

いずれにしても、両面とも大変上手です。この方の師匠・長沢 氏春師は「河内」の生まれ変わりと言われるほどの名人でした。女面を見るとすぐ納得できる。 新井氏は32歳でこのレベル。後30年したら何処まで行くんでしょうな。予想が難しいですね。

最近良く思うのですが、このレベルで表現出来るのは男の能面師だからであろうと思います。女性の能面師にも上手い方は数人居られますが、女は女を心底知っておりますので、このような表現の女面は無理かもしれません。逆に男には逆立ちしても表現できない部分も有るようです。男と女の持って生まれた性(さが)の違いでしょうな。

これも<ワカラニャ~ン sawara > 

 

というわけで、「能面・面打ち」のコーナーでは、今回急遽、予定の「孫次郎」をお休みしまして、何故爺が間違ったかの言い訳を、いま少し掘り下げて書いてみたいと思います。

 

 

 

 

能面・面打ち  

 

「若女」増女 

 

喫茶店でちょっと一服-02 でもご紹介しましたが、この女面は類似点が多く、なかなか手ごわい女面です。ちょっと見にはその違いが判別出来かねる上、能舞台の見所からでは、その識別は可なり難しい代物。

 

増女 ・ 宝来

 

 

上記の面は江戸時代に現在の岡山県・池田藩所蔵の「宝増」という名称のある面を舞台で掛けたものです。

 

                                 

 

「宝増」とは能面師・宝来の「宝」から来たものです。宝来は福来石王兵衛正友の子です。福来は足利時代の作家・「六作」の内の一人。その中には 増阿彌久次、 三光坊等の名人が居ります。爺は当初「宝来」には関心が無かったのですが、「池田家伝来能面集」で彼の作品を見てから、評価が大きく変わりました。 <う~ん、上手い>

新井達矢氏の「増」はこの宝来の作品を参考にして打たれた模様。本面を前にしてではなく、能面集の写真を見てこれだけの作品を打つとは、非凡な才能だと思います。木型が傍にあって、且つ「当て型」が有っても、碌な物が打てない爺とは大違い。頭の中にプログラムがすでにインプットされているのでしょう。

デッサン

胡粉下塗り前の段階

                            

 

彼の他の能面製作の例ですが・・・能面集の正面の写真と側面の写真をデッサンして、それだけで三次元的に木を彫り込みます。精神医学の話になりますが、「サバン症候群」の患者は得意な能力を持っておりまして、立体を僅か見るだけで後は記憶だけで粘土で再現することができます。ある面では天才的な能力でもあります。

 ヴァイオリニストの千住真理子氏のようにあの複雑なスコアーを一目で記憶し、練習は頭に浮かぶ記憶に頼って演奏するとか。常人にはない天才的な能力です。・・・(お二人とも精神疾患とはまったく無縁ですので、間違わないでください!) 芸術家には常人にはない得意な能力を持つ人が多いですね。盲目のピアニスト・辻井 伸行氏は一度で音階を記憶し、再現できる能力が備わっております。正に天が生まれながらに与えた超能力でしょうか。

三次元システム

 

爺は昔「三次元CAD」のシステムに関わってきました。コンピューターに平面図、側面図、立面図などのデーターを入力し、キーボードを押しますと、しばらくするとCRTに三次元の立体図がカラーで描画されます。初めは大変なやっちゃな~と思いましたが、しばらくすると爺の頭のほうがコンピューターより速く、脳裏に三次元画像を思い描くことが出来るようになりました。訓練なのですね。この程度ならば。でも、能面の面打ちではなかなか行けません。 レベルが格段に違うのです。

 

能面の女面の歴史

 

能面の中で女面や若い男面は面の起状が少なくのっぺりとしておりますので、面を打つ側としては大変難しいですね。名人が申しているほどですから間違いないと思います。コンマ何mmの彫り間違いで、面の表情が変わってしまいます。それ程の微妙さです。

女面は当初「小姫」という基本的な面が15世紀程から存在していたようです。女面の名手・石川龍右衛門重正の作が存在します。面の感じは「小面」のような毛書がされており、少し神がかった表情をしております。その後それがだんだん定式化され「小面」に変化し、現在までに定型化されました。名人といわれる方の「小面」はかなり存在しますが、確かに良い出来です。先般紹介しました赤鶴作の「小面」は、現在「丹波篠山能楽資料館」に所蔵されておりますが、絶品ですね。

 

小姫

                                                      

 

その後、増阿弥久次作の「節木増」「増女」が出来上がり、その他「深井」などと共に、各宗家で使われるようになりました。書き出してみますと・・

A- 観世流 ・・・・ 若女・・河内作   B- 金春流 ・・・・ 小面・・龍右衛門作

C 金剛流 ・・・・孫次郎・・孫次郎作  D- 宝生流 ・・・・節木増・・増阿彌作

E 喜多流 ・・・・小面・・大和作 

各流派の細かい分家などでもそれぞれ細かい約束事が有るようです。「若女」は学者の意見では、江戸時代の名工・河内が創作した事になっております。小面と増女の系統から分かれてきたような面の表現です。このようなことから爺がうっかり増女と若女を見間違うのも、無理はない訳・・・・・・爺の言い訳・・・・(その通り! サワラちゃん 

* 「金春流」はかなり古い時代では「今春流」と書かれておりました。能面の修理の際に胡粉の下地の上に「今春」とかかれた面が「丹波篠山能楽資料館」で所蔵されております。

それでは最後に名人の名作をご紹介しましょう。

 

 

節木増 ・ 増阿彌久次 作 本面

 

増女から派生した「節木増」の写しは下記の通りです。

節木増 ・ 越前出目 作 ・ 観世宗家蔵

 

 

 

観世宗家でもっとも大事にしている女面で、「若女」と呼ばれている 宝生家に伝わる室町時代の増阿彌久次作の本面の写しです。

この辺りが間違いやすい原因になる。 爺の目で見ますと「若女」のように見えますが。

同じ作者が同時に二面製作したと思われる「節木増

作者が同じでも微妙に面は違うもの。同じ写しは出来るものではない。

 

節木増 ・ 越前出目 作(山之内家伝来

 

 

 

さればもうひとつ 

節木増 ・ 出目満茂 ・ 片山家

                            

銘・うたたね

 

 

 同じ節木増でも、作者が違うとかなり違った表現になりますが、さすが上手いですね。

では、小面と増女から派生した「若女」はどの様になりましょうか。

 

若女

 

若女 ・ 河内 家重 作 ・ 観世宗家蔵

 

 

 

江戸時代の名工・天下一 河内 家重の創作したという女面です。

 

                            

 

若女 ・ 河内 家重  ・ 片山家 

 ・ 白菊

 

 

 

同じ河内の作品でも随分面の表情が違いますね。  

 

 

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新・サワラちゃんの加計呂麻日記島 & 能面・面打ち 006

2014年03月21日 | 教育

 

 

 サワラちゃんの

 加計呂麻島日記  能面・面打ち

006

 

 

 

自宅の裏の山の景色

 

 

西南諸島は何時冬が終わりを告げ、何時春になったかその境目を告げる景色もなく、桜が何時の間にか咲き、畑ではキャベツ・ジャガイモ・白菜などの野菜の収穫も終わって、今は畑は次の季節の野菜に移行中です。

<ハイビスカス>が年中咲き誇り、海水が何時も泳げるような生暖かい水温なれば、日本の四季の明確さなど何処吹く風の地でもあるのです。山は見渡せば木々に新芽が付き、それなりには春ですね。でも、木々が枯れるいう現象は所々あっても、全山紅葉などという現象にはお目に掛からないのです。四季が何時もごちゃ混ぜの状態でしょうか。

 

早くから夥しい数の鳥達が自慢の歌声を奏で、それが夕暮れのとっぷり暮れるまで続くのです。中には能楽の能管のような雅な鳴き声を聴かす粋な鳥も居ります。始めはそれを人間の笛を奏でる音と勘違いして、暫しの間分かりませんでした。かと思えばカラスの気分の悪い鳴き声、石でもぶつけてやりたい感じ。都会田舎を問わず嫌われ者です。

 

 

何の実でしょうか。小鳥が啄ばんで行き、そこら中に散らばっております。金柑はカラスの大好物。道路のそこら中に殻が転がっております。実だけを上手に食べ葉っぱと茎と実の皮だけになっています。白菜やキャベツの外側だけを食べて、内側だけを残して置いてくれます。人間+虫+鳥で一個を完食でしょうか。

でもついつい植えすぎて結局畑に腐らして残してしまう状態になります。次回はもう少し加減して種や苗を植えねばならないでしょう。のんびりとした農業経済です。 

 

      

        喫茶店でちょっと一服-01     

 

 

相変わらず遭難機の行方が分かりません。どこへ行ったんでしょうかね???。 かと思ったら黒海のクリミア半島のロシア併合の問題が大きな争いに発展しそうです。そして中国の経済の理財商品の販売のデフォルト(償還不能)が現実問題になり、近い将来大きな問題が起こりそうです。ロイターなどの昨年初めの欧州情報が現実問題になってきました。

 

 

上海市場の低迷で一時NY市場に並びかけた、東京市場も持ち合い低迷状態です。逆毛抜き整理型になるのか、底が抜けるか危うい状態です。先般来不安視してきた事が現実に起こってきました。落ち着いて静観をした方がよろしいかも。但し、今の所 相場は壊れておりません

 

 

ロシアのプーチン大統領は相変わらず脇が深いですね。柔道の寝技に欧米各国は持ち込まれました。どちらも国際法違反を声高に喚いておりますが、さて、どちらがそれに該当しましょうか。日本の安部首相も頭が痛いところでしょうね。難問山積です。恐らく尖閣諸島は今後もっと炎が燃え上がるかも。されば、爺の住む加計呂麻島は嫌な雰囲気が漂いそうです。

折角、南西諸島が世界自然遺産に該当するかという大事な局面ですからね。困ったものです。

 

第二次米ソ冷戦時代の幕開けになるのでしょうか。英国は早速ロシアのG8の永久除名を考えているとか。これは米国の政策の代弁でしょう。 9.11の時も同じ行動でしたね。 

 

 

臭い、危ない話はここまで 

 

     

             喫茶店でちょっと一服   

  

どこかの喫茶店・・HPより拝借しました。

 

 

爺もとうとう本格的にやる気になりました。雑音も少し入るのですがカラスが鳴くのと同様最近は直に止みます。それで今回能面用の尾州檜を購入しました、部屋中「」の香ばしい香りが漂っております。何時になってもこの香りは宜しいですね。 

木材の材質は「木目」です。これが一番。能面の中には「板目」も多いのですが。板目の場合は面の裏表の木取に賛否両論あります。定見はなしのようです。「脂」の出方が問題の根拠。

 

                柾目 ↓

                   

 

 檜は仏像彫刻にも使われる最高の材料なのですが、脂が出るのが難点。それで木取りを間違うと彩色の上に滲み出て来ます。これでオシャカになってしまいます。中にはそれがかえって名面となる例もあります。「木汁怪士(アヤカシ)」や「節木増」などの作例はあります。

節木増 本面写し 堀 安右衛門

鼻の付け根の右横と目元との間付近にが出ています。

見えるかな~、見えないだろうな~ 

 

 

 

いかがでしょうか! 微かに見えますでしょうか?

 

木も高くなりまして一個7~8.000~15.000円位。オイソレと打ち間違ってホカセマセン。それで削りすぎた場合は「木くそ」を使って補填して、再度削るという具合で修正します。名人以外は修正以外に救う道がありませんので・・・・

 

 

 

能面・面打ち 

 

 

雪の小面」について-004

 

 

都合3回ほど石川龍右衛門重政作の「雪の小面」について書いてきました。実際に15世紀頃に京都に在住した能面師として、本人が存在したことは確かなようですが、各宗家や能面資料館、博物館等に存在する<伝・石川龍右衛門重政>作の全ての面が、本人の作かどうかは疑問が残ります。学者の研究もさることながら、可也の厚さを持つ各宗家や博物館等の能面集を観てみましたが、爺の眼でも疑問が出る面は何面か有りました。特定はいろいろ問題が出ますので、指摘はしませんが・・・

 

 

駄作が余りないと言われる能面師ですが、中にはちょっと首を傾げたくなるような面も存在します。確定的な証拠が面にないので、伝承とか極め書に頼ることから、そのような問題が出て来るのでしょう。いろいろ政治的な問題も絡んで、止むを得ずということからそのような結果になるのでしょう。

 

・花・ について 

 

小面には3種類の小面があります。揃いの小面でしょうか。この他にも「深井」などの女面にも、同じような呼び名の面が存在します。何処がその区別のキーポイントになるのでしょうか。それは堀 安右衛門師が度々書物に書かれているごとく、面の「鼻の振り方」に有るのです。

 

左右不対象が当たり前の能面

         

        

 

 

小面3面を良くご覧ください。左右の眼の位置が微妙にずれているのが分かると思います。何れも名人級の能面師の作です。

能面は用途の必要性から初めから、左右非対称にして打たれているのです。

人間の顔は正面に向かって右が神佛の顔。左が人間の顔と言われております。この考え方が能面に取られております。正面右が「悟りの世界」、左が「迷いの世界」ということになります。つまり、2つの世界に存在する人間を、一面で表した事になります。

鼻の先端が面の中心線から見て、右側に振られている面を「」、中央にあるのを「」、左に振られているのが「」です。男面では殆ど「月」だそうですが、女面やその他にもこのような分け方をされた面が存在します。写真の歪みではありません。

本面・孫次郎

 

上下の孫次郎(拡大)を比較してみましょう。これだけ直線を引いて見ますと、顔の構成部分が故意に歪められている事が分かると思います。勿論、故有っての事です。にもかかわらず全体的に破綻はして居らず、非常に魅力ある面立ちとなっております。

 

下記の写真は歪んだ孫次郎ではありません。本面そのままです。

孫次郎 

 

 

多くの「孫次郎」以後の名人がこの女面を写しております。現代にも2名ほど居られますが、何れもこの面の写しの困難さを語って居られます。女面の中でも最高のレベルの面です。詳細については次回以降に書いて見ましょう。

能面は特に女面は左右非対称が原則なのです。爺も含めて面打ちを始めて行う段階では、左右対称を疑わないで造作し始めますが、写真や本面、本面の写しの古作品を鑑賞するうちに、この原則が嘘であることが理解出来るようになります。名作の中にも左右対称に近いものも可也有りますが、この事を今回は理解していただきたいと思います。

堀 安右衛門師の記述によりますと・・・・観世宗家の増阿彌作本面「増女」も、越智作本面深井も、某家蔵の曲見、小面、節木増、瘦女(やせおんな) も右、左振りの二面があります。ただし、右振りの面の数はごくわずか・・・とあります。

さて、次回は非対称製作の根拠と「孫次郎」について詳しく書いてみましょう。

 

 

 

 

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新・サワラちゃんの加計呂麻島日記 & 能面・面打ち 005

2014年03月14日 | 教育

 

 サワラちゃんの

 加計呂麻島日記  能面・面打ち

005

 

 

 西阿室海岸

 

もう3月中順に入ったのにもかかわらず、朝の気温が11~13℃程度の奄美の冬の気温。北海道生まれにしては情けないが、春から冬に戻った天気にご機嫌悪し。その代わりカラッと晴れてくれたので、太平洋岸の「西阿室(にしあむろ)」という集落の海岸に出かけました。

主目的は「貝殻拾い」の筈ですが・・・・その前に先ずは地元の教会の「マリア像」を写真に収める事から始めました。以前、ここを通り掛かった時写真機を持参しておりませんでしたので、今回は始めての撮影と相成りました。

集落の中程の通りに面した所に、こじんまりとその教会は有りました。爺は観音様を信仰する仏教徒ですが、先般教会の傍を通りかかった時に偶然見つけたマリア像が、今日のような天気の良い日光の光の中で、眩いばかりに美しく見えたものですから、次回は是非写真機をと考えておりました。本日も、ご覧の通りの晴天。前回と同じ様子。

 

西阿室カソリック教会 

 

 

マリア像

 

 

如何ですか。仏教の観音像の中にも素晴らしく美しい像が多々有りますが、それに勝るとも劣らない美しさ。美術的にどうとか言うことではなしに、思わず手を合わせたくなるような。何方が製作された(作者)像かは分かりませんが、作者の心のレベルがすぐに分かりますね。

爺の他のブログで「能面」や「仏像」を数々紹介しておりますが、なかなかこの像のような癖のないお顔立ちのものは、なかなかお目にかかるものでは有りません。作者の人格がすぐ反映されますので、或る面ではとても怖いことなのです。

 

                          

 

鄙びた小さな漁村に教会は似合うかもしれません。あるいは小さな観音堂もそうでしょう。ご大層に大きな宗教施設は不釣合いですね。まさに、このマリア像はこの像1体で、後は何もいらないかもしれません。その方が良いかも。

 

加計呂麻島にはお寺や石仏、道祖神などは一切有りません。ちょっと寂しい感じもするのですが、爺としてはここの教会のマリア像で充分だと思います。それにしてもお綺麗な顔立ちです。

 

天草諸島にはこのような光景が沢山あるようですが・・・・その辺りでも「マリア観音」という信仰形態が存在するようですので、爺などは何の違和感もなくスーッと、マリア像に近寄ることが出来ますね。

 

海岸ではヤギの親子がのんびり昼休み。穏やかな顔立ちです。

 

本日は貝の収集は散々で、貝のブログ作成に困るくらい。

それで貝に代えて周辺の風景写真を沢山撮ってきました。

                ↓                            ここまで登っていきます!150m位かな?

         

 

断崖絶壁の斜面を穿った林道を登っていきます。三輪バイクですから怖いですよ!

眼下に西阿室の里の集落が見下ろせます。 

 

 

林道の峠の休み場

 

 

如何ですか。絶景でしょう。人は船以外は立ち寄れません。潜ったらどれ程の素晴らしい貝が生きていることでしょう。唯、指を咥えて見下ろすのみです。

 

 

誰が造ったか、ブランコ一つ。とても怖くて乗れるものでありません。柵なしの数百mの断崖が傍ですよ。足が竦みます。でも、ここで昼ご飯を食べたら美味しいでしょうな。

次回は握り飯持参で行く積り。

しかし、ここから次の集落へは恐怖の九重九曲りの坂道。崖崩れがそこら中に起きていて、気も抜けない。にもかかわらずブレーキだけでエンジンを切って里まで降りて行きました。特攻隊気分

無事、里の「花富(けどみ)」に着陸しました。(子供は真似しちゃいけませんよ!) 御年69歳にもなるのに何時もこの調子。 高所恐怖症の割にはクソ度胸あり。 

 

     

             喫茶店でちょっと一服-01     

どこかの喫茶店・・HPより拝借しました。

 

 

加計呂麻島の外界は大事件が頻繁に起きて大変。戦争。テロ。飛行機の遭難中

何処に行ってしまったんでしょうか。03/14現在も所在不明。小型機ならいざ知らず、大型ジェット777がレーダーにも補足出来ないとは。神隠しみたいですね。人工衛星で何かを発見したようですが、未だ未確認?・・・通信が途絶えてから4時間もの間、エンジンからの通信をロールスロイス社が傍受とか?・・・・アラビア海まで飛べる距離とか???・・・ 240人程度の旅客ですから、大変なことになりました。もうそろそろ1週間程度も行方不明とは・・・憂鬱になります。

中国金融界のデフォルト懸念をとうとう国家が認めました。中国からの外国企業の撤退が相次いでいるとか。日本企業も相当の数に上るでしょう。過去にあった東南アジア経済危機の状態と良く似てきております。3~5月は金融の年度末・決算期・・・大荒れになるかも。十分気を付けましょう。

 

 

 

能面・面打ち 

 

 

雪の小面」について-003

 

 先回までは「小面」について、特に有名な龍右衛門作の「雪の小面」について書いてみました。この面は現在は金剛流の宗家が所蔵しております。15世紀に京都に居住したとされる龍右衛門重政。何を打っても水準を超えた技量を持ち、作品に打ち手の癖がないのもその特徴。

雪の小面

 

 

上記の写真のように打ち手独特の癖が見えません。それは名人と言う証拠。現代の名人・長沢氏春師の面もそれが言えます。15世紀の同時代の増阿彌久次の面も同じですね。そして特に女面に素晴らしいものが多い。抜群の技量を持っていると思います。

赤鶴吉成や夜叉、氷見宗忠など個性の強い面を打った名人や、赤鶴、是閑のような男性的な気魂を感じさせる打ち手、鈴木慶雲、堀 安右衛門師のように、心根の優しさが面に現れている能面も有ります。特にこの面の作者龍右衛門の面には、全般に渡って言えることは「上品な美意識」を感じさせます。「瘦せ女、瘦せ男」や「般若系の面」でさえもそれが感じます。

桃山・江戸時代初期に掛けて活躍した名工・河内 家重の作品も、龍右衛門を強く意識した関係からか同じような傾向があります。作品に癖がなく美しさを常に感じます。余り駄作がない作家でもあったようです。各種の宗家から発行された、あるいは美術館から発行された能面集を見てみますと、その事が感じられます。

 

花の小面

 

 

花の小面」も龍右衛門作の小面と伝承されております。この面については次回以降に詳細に書きますが、とは少し面立ちが違っております。細工の仕方が違うのがその理由です。現在は三井文庫に所蔵されております。唯、江戸時代・文化十年書上「金剛流重代本面譜」によると、「雪は火災に係り、月は行方不明、金剛家ののみ存す」と有るそうです。

江戸時代の資料が正しければ、現在金剛宗家に所蔵された「雪の小面」は誰の作????・・・巷の話の中にはこの面を巡るいろいろな話が有ります。穿った推量をすると、現在の面は龍右衛門の真作を写した面かもと言うような???ということにもなります。でも、大変な名作ですね。

河内か誰かが写した「雪の小面」が、現在真作の本面・雪の小面として存在しているのかも。そして「月の小面」は今もどこかに存在するのかもしれません。

歴史的史実は嘘で嘘を塗りつぶした事が多いので、トンでもハップンの事実が隠されているかもしれません。面の面裏の「鉋目」や「焼印」すら偽造した贋物が有るのですから。それにしてもこの「雪の小面」はどんな事情が裏に隠されようとも、名品には間違いありません。

事実、学者の研究では龍右衛門作の面の中には、相当数の別人が紛れ込んでいる可能性が有るとの事。余りにも素晴らしい打ち手であったが故に、名前を無断で権力を嵩にして借用したようです。その一大原因は「江戸の大名に対する式楽制度」にあります。

ミステリーですね。

 

  

 

喫茶店でちょっと一服-02    

どこかの喫茶店・・HPより拝借しました。

 

爺の迷作

 

箱の中を探していたら、大変な迷作が飛び出てきました。「黒式尉」らしい。途中で彫るのを止めた小造り段階らしい。眼の周りに<粉くそ>を塗ってあります。彫りすぎたのでしょうね。師匠から木型を借りて彫っていたものらしい。今から見るとさ程悪くはないんですが・・・

後は<引き回し鋸>で顎を切り落とし、皺を掘り、肝心の眼を完成し、裏を彫り上げればOKのはずだが??? 今となっては数十年前のこととて記憶になし??

まだまだ修正可能なのだが・・何が気に食わなかったかね~?

裏も途中半端・・・まだまだ堀りが足りな~い

仕様がないので、今回修正して完成させる積り。とんだものをご紹介いたしました。 

堀 安右衛門師のビデオを観ておりましたら、「木というものは300年位の成長したものを使っているので、ほかしたらイケマセン」と有りました。正にその通り。それで思い起こして完成させることになりました。小造り、仕上げ、下地塗り、古色、彩色・・・・まだまだ道中はなが~い道のりです。

 

海岸で日向ぼっこの親子ヤギ左は母親、右が息子)

 

 

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新・サワラちゃんの加計呂麻島日記 & 能面・面打ち-004

2014年03月08日 | 教育

 

 サワラちゃんの

 加計呂麻島日記  能面・面打ち

004

 

 

研究所出入口の緋寒桜

 

少々季節外れの写真になりますが、本土の皆さんにはピッ足しカンカン・・

研究所では「鮪」の飼育を研究しております。戦時中は近所の三浦に旧海軍の特攻隊基地の司令部的な機関が有りましたので、ここにもその関係の建物があり、戦後農林水産省の研究機関になったのかも知れません。詳細は不明です。

 

 

これからは桜前線が九州から北海道に向かって数ヶ月の旅を続けることになります。奄美は当に桜は散ってしまい、5月にもなれば梅雨の到来間近になるでしょう。鳥が朝から晩まで騒がしく飛び交い、カラスが屋根の上をパタパタ走り回り、騒がしい毎日です。暑くもなく寒くもなく一年中で、一番良い季節でしょうか。4月の終わり頃には大潮での潮干狩りが始まります。今年こそは道具も揃えましたので、インノーに潜って貝の採取をしたいと思っておりますが・・・

 

  

  

喫茶店でちょっと一服     

 

ソチオリンピックが終わった途端、世界中がまた騒がしくなりました。爺の思ったとおり中国の西側のクリミヤ半島当たり・・・ウクライナ共和国の黒海沿岸付近・・・・旧ソ連の領土であったところ。

 

 

と思ったら 中国の昆明で大量の死傷者が出る大騒ぎ! ウイグル族が関与とか。やっぱしね。経済状況は大混乱。ロシアの通貨・ルーブルは大暴落!

今年は荒れるね。思った通りになってしまいました。東京市場は整理の中盤段階。逆毛抜き(W底)形成中か? ロシアとの政治経済が難しい局面に入りました。北方四島問題は上手く行くのでしょうか。少し暗雲が立ち込めてきました。

2014.03.07 東京市場 大引け 15.274.07  139.32 ↑

プーチン大統領 VS オバマ大統領 双方面子をかけて話し合い・・1時間程。

東京市場は予想通り「逆毛抜き」となりました。円は103円台。ナンダカンダ言ったって中期予想はチャート通り。そう簡単に壊れはしません。怖い臭い話はここまでです。  

 

 

 

 

 

能面・面打ち 

 

 

雪の小面」について-002

 

石川龍右衛門重政作・雪の小面

 

 

先回は石川龍右衛門重政作の「雪の小面」について書いてみました。小面と言ったら龍右衛門というくらい有名な代表的な面です。15~16歳位の処女娘の顔を表しており、見た目にも京言葉の「はんなり」をそのまま表しております。品格もあり結構な面です。

石川龍右衛門重政は15世紀頃に京都に在住していた能面師ですが、実はそれほど詳しいことは分かっていないのが現実です。能面師の場合、僧侶や武士、能楽関係者が多いのですが、彼がどのような出自の者かは詳らかではありません。

大体において女面や男面などに名作が多いのですが、それ以外の面もなかなかの出来です。打ちあがった面の表情はどれも美しいものが多いのが特徴でしょうか。そのような意味では、桃山から江戸時代初期にかけて活躍した河内家重も似た様な作家に思えます。

唯、各宗家の所蔵の能面集を具に鑑賞してみて分かった事ですが、宗家所蔵の龍右衛門作の面が全て真作であるかどうかは、なかなか断定は難しいように思えます。龍右衛門作の中にも出来不出来が有るようで、別な方の作を「龍右衛門」と称しているのではないかと思われる面も存在します。

また、逆に作者不明の中にも相当の秀作があり、意外と龍右衛門作と見まごうような面もあります。今回はその代表的な小面をご紹介しましょう。

 

江戸時代初期 作者不明 小面

 

 

先ずは真作の本面上記の面の表情を比較してみてください。若干、写真(口の部分・・筆者の撮影ミス)が歪んでいる部分もありますが、写したとしても良く本面の表情を正確に捕らえております。

 

本面・小面の裏

 

作者不明の小面 裏

 

真作と作者不明の面裏を比較してみてください。鼻の窪みの淵の部分の周囲に、龍右衛門独特の鉋目(隠し鉋)が有ります。さらに、顎の部分に縦長の鑿跡、さらに中央横に3本の微かに斜めに彫った跡が残っております。龍右衛門の焼印は有りませんが、極め書がなくとも、この作者不明の小面は本面(真作)を横において、打ったに相違ないか、あるいは室町時代の作で龍右衛門その人の作ではないでしょうか。

 

龍右衛門の小面の写しは、可也の面打ち師が写しておりますが、この作者不明の小面を超える面は、資料の中では見たことが有りません。堀 安右衛門師のビデオを丹念に見ておりまして、この事に気が付いた次第です。面の鑑定の際この鉋目は大事なポイントだそうで、このことからこの作者不明の面は大変興味のある面です。

 

 

いろいろ能面集を見ておりまして、河内の小面は見当たらないので、案外彼が龍右衛門を尊敬してやまなかった為に、敢えて作者不明のままにて、上記の小面が宗家に伝承されているのではないでしょうか・・・・・・・・

と思っておりましたら・・・・有りました。有りました・・・・・以前、鈴木 慶雲師の著書に・・・・「河内の小面は見たことなし」と書いてあったのを読んでおりましたので・・・・

つい無いと思っておりましたが。

梅若流宗家」で河内の小面を所蔵しておりました。これをご紹介しましょう。

 

河内家重 作・小面 (梅若流所蔵

 

面裏

 

裏に間違いなく河内の「焼印」が押されておりました。

 

 

 

赤鶴作 ・ 小面 ・ 室町時代初期

 

同 面裏

 

上記の面は丹波篠山にある「篠山能楽資料館」に所蔵されている。赤鶴一刀斎吉成の作とされている小面です。赤鶴は切れ味の鋭い鬼畜系の面で有名な作家ですが、小面を打ってもご覧の通り。金春家に伝わった逸品です。四国の幕末の外様大名・山内 容堂が所持していた面という経緯が有ると言う伝承があります。

中央に「竹田七郎」の刻名があります。これは大変な秀作です。裏は厚く漆を塗りこんであり美しいです。左右の極め書きは後代のものですから確証にはなりません。

次回は別な作家の「小面」をいろいろご紹介しましょう。

 

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新・サワラちゃんの加計呂麻島日記 & 能面・面打ち-003

2014年03月03日 | 教育

 

 サワラちゃんの

 加計呂麻島日記  能面・面打ち

003

 

しばらくご無沙汰いたしました!本日より再開致します。

今日は「桃の節句で~す!

 

 

 

 

 加計呂麻島寸描

 

半月位ご無沙汰しました。そんな中でもいろいろ有りました。

その一つが「ソチオリンピック・フギアースケート」の華が有りました。 

そう!、浅田真央ちゃんです。

 

         

SPが始まってから、爺の腹が急に痛み出した。畑に行っても痛みが止まらない。解剖学的には胃の上部であることは間違いない。一瞬、「癌」・・まさか??

朝まで痛みが引っ切り無しに続く。早朝、HPを見て仰天。SPは16位????

何度も眼を擦った。何度見ても6位ではない。他のHPも同じ。マサカ!

十一面観音菩薩」のお写真に向かってお祈りしました。

最近やけに韓国のジャーナリストがしつこく付き纏っていた。

これを心配していたのです。

やろ~、ゆるさね~ぞ>なんて思って、「不動明王・不動真言」をしばらく念じておりました。

タラソワコーチ

そうしたら・・・急反転!・・・奇跡が起きた! 

この方、「元・・・・・ だとさ。

 

 <孫にも娘にも怒られてしまいました・・・・・・

お前さん、前から何時も一言多いんだよ! 

でも、Freeは自己最高得点!

全世界から大声援!と賛美の言葉。

 

 

6位に終わったけれど、結果的にはTopレベルでした。

爺は名古屋に13年居たからではないけれど、彼女の直向な向上心を買っておりました。

ロシアのタラソワ元コーチを初めとして様々な方々が絶賛!

驚いた事に中国の市民の中国版Twitterには北京・精華大の学生が絶賛!思わず涙が出そうになった。そして、何時の間にか胃の痛みも霧散解消。

彼女は金メダル・プレーヤーです。世界選手権もがんばって!

 

 

 

能面・面打ち 

 

節木増 ・ 堀 安右衛門 作

 

 

沢山の小刀や鑿や道具類を研ぎ始めて2週間。なかなか思うようには進みません。錆の度合いが本土よりも進み易いようです。潮風と湿度がその原因です。電気製品のプリント基板がすぐ錆付いて故障を起こしてしまうのです。刃物はいとも簡単。それでもやっと準備は形ばかり揃いました。始めは突き鑿とヨキと鋸さえあればOK! 以後は順次必要な道具を研ぎ揃えれば宜しいのです。

 

                                     ↓ 突き鑿 ・ 丸鑿 ・ ヨキ

 

以前にも書きましたとおり、能面の中で女面が一番難しく、一面覚えるのに名人でも10年掛かるとされております。当年69歳の爺では、黄泉の国に行くまで順調に行っても、2面がやっとでしょうか

でもそれではちょっと悲しいので欲張って、浮世絵師・歌川 豊国 六代目を目標に97歳まで生きると仮定して、3面と大きな目標を立てました。 (爺大丈夫?? サワラちゃん 

 

       大見得きって出した目標の面  

 

1- 天下一 友閑 満康 ・・「小面」     

 

2- 石川 龍右衛門 重政 ・・「小面」(雪の小面)    

 

 3- 能楽師 増阿弥 久次 ・・「節木増」         

 

*************************************************** 

以下は出来うればの話

   4-  天下一大宮大和 実盛 ・・・「逆髪」      

   

   5- 金剛孫次郎・・・「孫次郎」           

 

その他の面は来世に目出度く生まれ変わることが出来たら、打たせていただきます。但し、飽くまでも「拙い写し」を打つだけのこと。それだけの事です。時々疲れたら<般若>や<黒式尉>も打ってみたいですね。  

 

  

喫茶店でちょっと一服    

 

                                         

 

如何でしょうか。 「増女」です。 当年32歳で能面人生25年の大ベテラン。6歳頃から能面を打っている勘定になる。  ピアノ、ヴァイオリンも4~5歳ですからね。

爺が能面に関心を持ったのが18歳。 能面を打ち始めたのが32歳!  あらま~!

新井 達矢 氏 ・東京都下 羽村在住

とにかく脱帽! 癖がないのと、面に品格がある。既に能舞台で使用されている面です。

一目で相当の力量があると判断できます。当代随一の能面師・長沢 氏春師のお弟子さんとか。ここまで来ると生れ付きの才能ですね。前世は師と同じような天下一クラスの能面師に違いないと思います。いやはや大変な人ですね。 とにかく脱帽致します。 

油が乗り切ってきたら何処まで行くのでしょうか????? 

 

 

雪の小面」について

上記の本文中で「雪の小面」について書きましたが、女面には小面以外にも「雪・花・月」の名称の付いた能面が存在します。その中で「小面」が一番有名です。

 

石川龍右衛門重政 雪の小面・本面

 

豊臣秀吉が所有していた雪・月・花の小面の中の「雪」を金春流の宗家・金春岌蓮(きゅうれん)に与えたとされております。しかし時代の騒乱の中で金春流から流失し、その後金剛流の贔屓筋の大阪の商人がこれを買い求め、現在は金剛流にて所持されている。

下の小面は「石川龍右衛門重政」作の写しの例です。

出目康久 作 

上記の小面を写した能面の例

堀 安右衛門  

 

 

因みに「」は現在「三井財団」にて所有され、「」は徳川家康に与えられたが、江戸城炎上の際消失とされているが、実際は行方不明状態です。雪の本面とその写しを比較してみてください。

今般時間が有りましたので、能面集を再度全て見直してみました。

各流派の宗家の能面の中に、超一流の能面師の作が沢山見られました。これからは出来る限りこのブログで紹介したいと思います。

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