サワラちゃん![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/00/ce618c72cf64e956d58d6fa78530e009.jpg)
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新・サワラちゃんの
叔父さん、叔母さんの
宇宙・素粒子 物理学入門
012
* 写真はNASAとWIKIから掲載しております。
水星の水の存在発見
太陽に最も近い惑星の水星で、日の当たらないクレーターの奥に大量の氷が存在していることを突き止めたと、米航空宇宙局(NASA)の研究チームが30日、米科学誌サイエンスに発表しました。
水星の北極部分の水の存在する位置
太陽系の中で一番内側の惑星・水星に大量の水の存在を発見したようです。1991年、プエルトリコにあるアレシボ天文台のレーダー観測から極付近に点在する明るい領域が見つかり、それが1970年代にNASAの水星探査機「マリナー10号」がとらえたクレーターの位置と一致していたことで、氷の存在の可能性はさらに高まった。
黄色の部分は水星のクレーターの位置に存在している水。赤は地下に存在している水の位置を示しています。
氷の総量は「ワシントンD.C.と同じ大きさに広げると厚さが3kmほどになる量」(David Lawrence)という。ワシントンD.C.を東京の都心部に置き換えてもほぼ変わりはない。
重ね合わせた状態
水星は地軸が傾いていないので、永久に光の当たらない影の部分が存在するらしいのです。過去に水星に衝突した彗星が持ち込んだものと推定されます。詳細はNASA・HPでご覧下さい。
究極の物質構造を求めて・物質間に働く力-002
先回は4つの力<重力・クーロン力・強い力・弱い力>について書いてみました。この中で重力は素粒子のようなごく軽い質量しか持たない物質では無視し、のこりの力について考えて見ましょう。
これらの力の単独に働く理論を示すと
A- 量子電気力学・・・クーロン力が働く場の理論・・ ノーベル賞受賞者・朝永振一郎がその定式化に成功しました。
B- 量子色力学・・・強い力が働く場の理論 ・・・ノーベル賞受賞者・南部 陽一郎などがその定式化に成功しました。
C- 電弱統一理論・・・ 「弱い力」は量子電気力学と類似的に定式化できるので、特別な呼び方はありません。その後、クーロン力+弱い力=電磁力と統一されました。エネルギーが低いとばらばらに存在する力が、エネルギーが高くなると、同じ強さの力となって区別が付かなくなります。
D- 統一場の理論(万物の理論)・・・現在は電磁力+強い力+重力の4つ力の統一を目指しているそうです。この候補として以前からご紹介してきた、「超弦理論」があります。しかし、素粒子の構造を調べるべき加速器に巨額の費用がかかるようになり、超弦理論のレベルは現在の地球上では達成不可能なエネルギーが必要なことから、理論の理論と揶揄されたりしていますが、今のところ一番可能性があるそうです。
若い方で将来素粒子物理学を目指す方は、この「超弦理論」を目指したください。理論的に解明されれば、ノーベル賞受賞は間違いなしです。
これまでいろいろ量子物理学、相対性理論など古典物理学から最先端の素粒子物理学を外観的にさらーっと巡って来ました。何か解った様な解らないような妙な感じではなかったでしょうか。目の見えない人が象の身体を何故回すような按配ですから無理もありません。
さて、これからはもう少し物理学の内側に立ち入ってみたいと思います。既に述べた事と重複することも有りますが、ご勘弁ください。何かまた得ることもありますので・・
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古典物理学の最後の輝き・・物理学史
古典論と新現象の葛藤
1900年4月に英国のウイリアム・トムソン(ケルビン卿)は2つの物理学上の未解決の問題を提起しました。
< 新理論の創生 >
1-エーテルに対する地球の運動・・・・「特殊相対性理論」
2-熱放射のスペクトル形状・・・・・・・・「量子論」
この頃の物理学会は古典論の最後の輝きを持つ理論と古典論では解決できそうにない新現象が相次いで発見されておりました。
ノーベル物理学賞の受賞者の顔ぶれと受賞内容は次のとおりです。
古典論的物理学
1・ ヘンドリック・ローレンツ・・・磁場がスペクトルに与える影響 1902年
2・ レーリー卿・・・気体の密度に関する研究とアルゴンの発見 1904年
3・ J・J・トムソン・・・気体の電気伝導の理論と実験 1906年
新現象の発見による新しい物理学
1・ レントゲン・・・・X線の発見 1901年
2・ ゼーマン・・・・・磁場中にあるスペクトル線の分裂の発見 1902年
3・ ベクレル&キューリー夫妻・・・・放射線の発見 1903年
4・ レナート・・・・・陰極線の発見 1905年
対比すると解りますように、新現象の発見の中には、量子論に繋がる新しい発見が見られます。詳細は少し後に書いてみたいと思います。
その後、
1908年にはラザフォードによる元素崩壊の発見
1911年にはマリー・キュリーのラジューム・ポロニュームの発見
というようにミクロ物理学の領域に深く入っていくようになって来ました。
特集・001 宇宙文明について(ミチオ・カク・・「超空間」)
第零型文明「ウランの障壁」を考える!
先にご紹介したラザフォードの原子模型の理論、キューリーの放射性元素の研究はその後の・・・ウランの崩壊・・・原子爆弾・・・原発という危険な世界への序曲でもありました。21世紀の現在もこれらの発見に振り回されております。
現在、選挙などで「原発の即時廃止、段階的廃止」などを掲げて、日本中が揺れ動いております。政治的な問題は先ずは横において、たまたま核分裂のところ迄来ましたので、この問題について書いてみましょう。
核分裂反応
原子の核分裂反応の代表として、原爆や原子炉で燃やされる核分裂物質にはウランとプルとニュームが上げられます。 広島型原爆はウラン、長崎型原爆はプルトニュームを使用した核爆弾です。
A-ウラン
天然ウランはのなかには核分裂を簡単に起こすウラン235と起こさないウラン234、ウラン238が含まれている。ウラン235に低速中性子を一つ吸収させると、ウラン原子は大変不安定になり、二つの原子核と幾つかの光速中性子に分裂します![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/eb/403f9119ab3afa250d8c4ca6aee9da77.png)
ウラン235が低速中性子を吸収すると、ウラン236に転換し、すぐに核分裂を起こします。上記の図はウランがクリプトン92とバリウム141に分裂した例。この分裂の際、平均2 - 3個の高速中性子が放出されます。この中性子が別のウラン235に再び吸収され、新たな核分裂反応を引き起こすことを核分裂連鎖反応といいます。所謂原子爆弾です。
広島型原爆「リトルボーイ」
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核分裂のよるエネルギーは非常に大きく、1gのウラン235が核分裂すると約火薬20t分のエネルギーを放出します。1gといえば一円玉一個の重さです。核分裂しやすい物質は放出された中性子によってさらに核分裂が連続して起こることがあります。これを連鎖反応といい
ウラン235は核分裂をする原子で、その臨界量(自然に核分裂する)は20%の濃縮ウランで約20kgです。如何に莫大なエネルギーを生み出すか解りますでしょう。代表的な核分裂反応としては下記のようなものがあります。
放出エネルギーは下記の例で説明が出来ます。
イットリウム95 とヨウ素139 が生成-
左記のU235の質量数は235 です。 右記の質量数は95+139=234ですから、質量数が減少しております。この質量差を質量欠損といいます。1グラムのウラン235が全て核分裂を起こすとおよそ8.2×1010Jのエネルギーが生まれれます。 これが火薬20t分程度のエネルギーになるのです。
B-プルトニューム
軽水炉でウラン燃料を燃焼させた時、質量数235のウランは核分裂を起こし中性子を放出します。この時発生した中性子を核分裂しないウラン238が吸収することによってウラン238からウラン239になります。
このウラン239が半減期23分でβー崩壊してネプツニウム239となり、もう一度ベータ崩壊してプルトニウム239になるのです。さらにこのプルトニウムが中性子を吸収するとプルトニウム240、241、242が生成されます。
すべてのプルトニウムはこのようにして作られているのです。このなかで普通の原子炉(軽水炉)で核分裂をするのは質量数239と241のプルトニウムで核燃料として使用できます。
長崎型原爆「ファットマン」
原子炉の中でできた核分裂をするプルトニウムは現在の原子炉でも燃料として、原子炉に装着したウラン燃料とともに発電に利用され、発電量の30~40%はプルトニウムの核分裂のエネルギーによるものになっています。
因みに、広島型原爆では60kgのウランが使われましたが、プルトニュームでは10kgまで軽量化出来るそうです。北朝鮮で初めはウラン型原爆の核実験を行いましたが、最近はプルトニューム型の原爆に転換する理由はここにあります。
では次回は特集-002でもう少し分け入ってみましょう。
宇宙物理学が少しお休み状態ですが、ミクロ物理学特に量子物理学をおわらせてから、ビッグバン理論、インフレーション理論に戻りたいと思いますので、今しばらくお待ちを!
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