金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ドコモの顧客サービスにちょっと疑問

2013年04月26日 | うんちく・小ネタ

最初に断っておくが私はドコモユーザーであり、ドコモの株主でもある。他の携帯キャリアが少々安いプランを提案しても、ipadで攻勢をかけてきても一顧だにしない徹底的なドコモファンである。その理由は明快だ。山岳地など辺鄙なところでは今なおドコモの通信網が他のキャリアを上回っている。最近ソフトバンクの接続実績がトップになった、というコマーシャルを見ることがあるが、山岳地ではやはりドコモの接続実績が優れている。

街中使用で選択する人なら、ソフトバンクでもAUでもなんでも良いが、こと山岳地での利用を考えるならドコモである。「安物買いの銭失い」という言葉があるが、電波の弱い山の中ではソフトバンクなどを使っていると思わぬトラブルに陥ることは今持って事実である。命が惜しくないならソフトバンクでもAuでもお使いください、ということだ。

ところがドコモの顧客サービス姿勢を見ると甚だ嘆かわしくなる。先日ドコモからメールが来た。「ケータイてんけん」のご案内です、という。近くのドコモショップで無料で「外観点検」「診断ツールによる点検」「クリーニング」をするから、近隣店舗に立ち寄ってくれ、という話だ。衣の下からはあわよくば新しい機種に乗り換えを進めようという魂胆がチラチラする。

今の機種に買い換えて1年程度なので、買い換える意図は全くないのだが、数カ月前メールに誘われて、この手の「点検」に立ち寄ったことがある。結果としては20分ほど待たされてスマホのスクリーンを磨いてもらっただけで終わった。一方「無料点検キャンペーン」のために本当にヘルプが必要な人や新規購入者は随分待たされたようだ。

どうもドコモのこの手のキャンペーンはおかしい。顧客サービスの積もりなのだろうが、「必要としない顧客に無駄なサービスを提供する」ことで「顧客が本当に必要とするサービスの提供が阻害されている」という事実に幹部は気が付かないのだろうか?

じわじわとドコモのシェアが下がっているという。ドコモファンとしては寂しい現実だ。ドコモには挽回のためipadを売りだそうという企画があるそうだ。だが本場アメリカではipadの全盛期は終わった。今はアンドロイドが勢いを伸ばしている。ハードやOSに頼ってシェアを伸ばそうという考え方は変化の激しい顧客ニーズに振り回されて終わり、という危険性がある。

ドコモにはもっと堂々とした顧客サービスの王道を追求してほしい、と思う。それは何か?というと「どこでも一番つながる」「冗長性が高く災害時でも一番信頼できる」「野暮ったいけどヘルプやサポートがしっかりしている」「お年寄りやIT不慣れな人でも使い易い」ということだ。

「使い易さ」ということでは他の携帯会社は知らないが、グーグルのNexus7の使いやすさと堅牢性をドコモ仕様の富士通製タブレットarrowsと較べると(実は家内がarrowsを使い私はその後出たNexusを使っている)、Nexusの良さが目立つ。もっともnexusはwifi接続オンリーなのでドコモの回線事業への貢献がないので、ドコモは苦々しい思いをしているだろうが。

延々とドコモの悪口を書いてきた。時間がないので今回は止めにするが、ゆうちょ銀行にも共通点がある。元官製のサービス業には「インフラ面の圧倒的な優位性」を活かし切れない共通点がある。それは「顧客の本当のニーズに合ったサービスを提供していない」ということだ。人によってはそれを「上から目線」とも呼んでいるようだ。

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「々」なんて入力しますか?

2013年04月26日 | うんちく・小ネタ

「順々」「云々」など同じ字の繰り返しで使われる「々」。正しい読み方は知らないが俗には「ノマ」と呼ばれている漢字表記の一種の符号です。「踊り字」ともいうらしい。

さて皆さん、この符号をパソコンに単体で入力する時、どうしていますか?というのが今日の小話。順々ですとジュンジュンと打つと「順々」と漢字転換するのですが、「々」がついてこない場合どうすか?という話です。

私のパソコンですとナドナドは「等など」に転換して「等々」とはなりません(トウトウと打つと「等々」になるので余り良い例ではありませんが)。どのようにして「々」を入力しますか?

その1 順々など「々」がついている言葉を入力し、先頭文字を消して「々」を残す。実は少し前まで私はこの方法でやっていました。余り発生する問題ではなかったので気の利いた方法を探さなかったのです。

ところがちょっと時間があった時、インターネットで調べると次の方法で簡単に入力できることが分かりました。

それは

その2「ノマ」と入力して変換キー(スペースキー)を押す、です。こうすると「々」がでてくる。々はノ+マだからこうなったのでしょうね。

その3 ちなみに「オナジ」「クリカエシ」などと入力して何回か変換キーを押すと「々」が出てくることも分かりました。

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米国、産業全般の成長で2.2%の経済成長~2012年

2013年04月26日 | 金融

昨日(4月25日)米国商務相経済分析局が発表したところでは、昨年の経済成長2.2%には農業以外の全産業が貢献した。建設業界は住宅市場が回復基調なので8年ぶりにプラスの貢献。また金融業は2年ぶりにプラスの貢献だった。

昨年の経済成長を牽引したのは製造業で0.71%のプラス。景気回復による在庫積み増しが大きな貢献要因だ。また卸、小売ともそれぞれ0.5%の貢献。金融は0.43%、建設は0.11%だった。

今日発表予定の第1四半期GDPは3%という高い数値となると予想されているが、季節変動要因の大きなGDPの数値がマーケットに与えるインパクトは余りなさそうだ。

私は住宅市場の回復で米国は持続的な経済成長トレンドに入ってきたと考えている。その効果はじわりと効いてかつ粘り強いだろう。

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なぜ未亡人は元気なのか?

2013年04月25日 | うんちく・小ネタ

「その未亡人はとても快活でその手はすべすべと柔らかかった」などと書きだすと何やら面白そうな話が続きそうだ・・・・と思われる方がいらっしゃるかもしれない。しかし残念ながらこれは近所の理髪店のオバサンの話である。数年前に亡くなったご主人は私と同じ年令だったと記憶しているので、奥さんの年齢は60歳前後といったところだろう。

ご主人が元気だった時も店が混んでくるとハサミを取っていたが目立たない感じだった。ところが最近は娘さん夫婦をリードしてとても活発に理髪店を切り盛りしている。

散髪して貰いながら雑談をする。今年の夏は始めて富士山に登る、そのトレーニングのため来月箱根の金時山に登りに行く予定だ・・・等々。僕も今年の春金時山に行ったよ、などと相槌を打つとハサミを手を止めて話に乗ってくるから散髪が中々はかどらない。

とまあ元気で快活なオバサンである。顔を剃って貰っている時なぜ未亡人は元気なのか?ということを考えてみた。一つは「ワークライフバランスの取り方が上手だ」ということだ。この理髪店は月曜日・火曜日が連続して休みだ。オバサンはそれほどお客さんが多くないから週休2日にした方が楽でお客さんの数も変わらないという。住宅地の理髪店なので馴染みの客は店に合わせて通ってくるからだ。その2日の休みを利用して、バス旅行に出かけたり、友達と旨いものを食べに出かけたりしているようだ。つまり遊びを優先して、あるいは遊びと仕事のバランスを上手に考えてライフスタイルを設計しているということだ。

次に女性は男性に較べて誰とでもすぐ親しくなることができるという特性がある。バスツァーに出かけても見知らぬ人とすぐ話が弾むそうだ。だが「話が弾む」ということについては若干疑問が残る。というのはある時二人のご婦人の会話を聞いていたことがあったが、一人のご婦人は自分の飼い犬の話をし、もう一人のご婦人は相槌を打ちながら自分の猫の話をしている。交互に自分の犬と猫の話をしているのだが、本当に会話なのかしらん、と思ってしまった。でもそれで良いのだろう。黙って座っているより、コミュニケーションがあろうがなかろうが、楽しく声を出していることは良いことだ。

と多少悪口を言ったが、中年女性は男性に較べて「過去のキャリアにとらわれて身構える」「格好をつける」ところがないので、誰とでもすぐ親しくなることができるということには大方の人の賛成が得られると思う。

ところで未亡人というのは「未だ死なない人」という意味。古代中国では夫に先立たれた妻は夫に殉じることが望まれていた時代があった(らしい)。だから妻だけが生き残っていることを恥じた言葉のようだ。

一方その手の小説の中では未亡人という言葉は気高い妖しさを漂わす。

だが現実の世界では未亡人はひたすら元気なのである。元々の意味の未亡人という言葉は夫唱婦随という言葉とともにかなり昔に死語になっている。女性には夫の死をもtake advantageして自分のライフスタイルの地平線を拡大するたくましさがある、だから未亡人は元気なのであると私は感じた。

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景気回復で金持ちはより金持ちに~とりあえず米国の話だが

2013年04月24日 | 社会・経済

ピューリサーチが昨日(4月23日)発表したレポートによると、2009年から2011年にかけての景気回復でお金持ちはよりお金持ちになり、それ以下の人の純資産は減少していることが分かった。

「とりあえず」米国の話とタイトルしたが、その意味は安倍政権がアメリカと同じ(経済規模に対する倍率では日本の方が大きい)金融緩和政策を続けると富の格差の面でも日本でも同じことが起きるということである。

さて米国では09-11年の2年間の間で、上位7%の富裕層の純資産の中央値は247.6万ドルから317.4万ドルへと28%上昇した。一方残り93%の人の純資産の中央値は14万ドルから13.4万ドルへと4%減少した。

米国全体ではその2年間で家計の純資産は35.2兆ドルから40.2兆ドルへ5兆ドル(14%)増加した。また富裕層上位7%が保有する純資産の割合は、56%から63%に上昇した。

富裕層の資産が増えた理由は、富裕層の株式保有比率が高いことである。その2年間でS&P500の価値は34%上昇した。一方残りの人の資産では住宅の占める割合が高いが、住宅価格(ケース・シラー指数)はその2年間で5%低下した。これがお金持ちがよりお金持ちになった最大の理由だ。

日本でも同じことが起きるか?デフレ脱却ムードで株価上昇が続くとすれば、富裕層とそれ以外の人の資産格差は拡大する。(というようなことを書くと「資産格差を是認するのか?」というような批判がでそうだが、私はここでは是認も否認もする積もりはない。ただ当然の帰結としてそのようなことが起きると述べるだけである。)

「日本の家計はリスク回避的で米国に較べると有価証券保有比率が低い」と言われている。統計的には日本の家計の有価証券比率は15%弱、米国は40%弱なのでその通りなのだが、富裕層に限って資産構成を見ると、日米間でそれ程の格差はない。

ということは日本でもアベノミックス効果で株価が上昇すると、資産格差は一層拡大するのである。株価の上昇(そして株価には追いつけないにしても住宅価格も多少上昇)が続くということは、円安の持続やデフレ脱却が同時進行することを意味する。つまりお金持ちにとっては資産増加のチャンスが拡大するが、一般の家計にとっては支出増になるということである。無論勤労世帯については給与が上昇する可能性がある。だが恐らく給与の上昇にも格差が伴う可能性が高い。給与上乗せファンドを能力給に回すということだ。

つまりアベノミクスは資産格差を拡大するとともに、それに較べると割合は小さいが所得格差も拡大するのである。繰り返しになるが、そのことの是非を論じるつもりはない。それは国民の多くの人が安倍政権を選んだ当然の帰結に過ぎない。もっともそのことを当然の帰結の考えた人が多かったかどうかは知らないが。

このことを蓋然性の高い近未来の出来事ととらえて行動するか否かで家計の格差は拡大するだろう。

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