金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

一周遅れのスカイツリーとラファエロ展、肌寒い春の夜

2013年04月11日 | まち歩き

昨日(4月10日)は曇時々晴、肌寒い日だった。夜上野の国立西洋美術館でラファエロのプレミアム鑑賞券を購入していたので、ちょっと足を伸ばしてスカイツリーまで出かけることにした。

ラファエロ展のプレミアムチケットとは、4月10日と5月15日の夜に限り、限定300名で夜間鑑賞+ミニ・セミナー+軽食+小さな冊子を行うというもの。1人7千円と少し高いが、事前にコンビニで手配していた。それに合わせてスカイツリーもネットで入場予約。

実は私もワイフもスカイツリーは今回が初めて。私は高いところにはよく登っているので、スカイツリーはそれ程強く行きたいとは思っていなかったが、ワイフはかなり前から行きたがっていた。

スカイツリーは昨年5月下旬の開業から約1年経っている。平日の午後ということもあり、そんなに混んでいると感じはしなかった。まあ、あまり話題性はないけれど、撮った写真を何枚かご披露します。

Skitree1

こちらはほぼ真下から撮ったもの。首が痛い。広角の単焦点レンズが役に立った。

下の写真は展望デッキから見たアサヒビール本社。例の気になる金色のオブジェが見える。

Asahibeer

その後さらにエレベータで最上部へ。歩いて山に登る場合、1時間に稼ぐ高度は300mというのが標準だ。スカイツリーの最高到達点まで歩くとすると1時間半かかるということになる。

Highestpoint_2

展望デッキの床の一部が透けていて、下まで見通せた。ちょっと気持ち悪いというか落ち着かない感じだ。自分の足で登った高さから下を見るより落ち着かないものである。

Onair

時間に余裕があったので、スカイツリーから浅草まで歩いた。約15分ほどの散歩だった。

吾妻橋からはアサヒビール本社とスカイツリーが並んで見える。浅草経由でスカイツリーに行く場合、時間に余裕があれば吾妻橋経由で歩くというのは良い選択だと思う。

Skitree2

さてラファエロ展のプレミアム鑑賞。名画をゆっくり見ることができたことは評価できるが、主催者側の手順が悪く、「軽食」は中々出てこない上、量も期待したものよりはるかに少なかった。

日頃アンケートにあまり回答しないワイフも食事の貧弱さを書き募っていたようだ。世界の名画も食事には勝てない。

花より団子、なのである。まあ、そのような問題はあったけれど、プレミアム鑑賞という考え方は良い、と思う(ただし7千円はtoo expensiveである)。更にいうと人気の高い特別企画の美術展は総て単位時間あたりの入場者数を制限して落ち着いた鑑賞ができるようにしては?と提案したい。

入場は原則予約制として、空いている時に限り、当日入場を認めるという仕組みだ。

これってスカイツリーの入場方法と同じだ。良いところは美術館もドンドン取り入れるべきだだろう。

Raffaello1

(上の写真は「大公の聖母」をマウス型スキャナでスキャンしたものだ)

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IMFラガルデ専務理事、日本の金融政策を支持

2013年04月11日 | 金融

先週の日銀の金融政策決定会合以来、火がついたように上昇を続ける日本株。昨日のシカゴ・マーカンタイル取引所の大証先物は225ポイント高だから、今朝も勢い良くスタートするだろう。

勢い良いスタートというと、昨日IMFのラガルデ専務理事が来週ワシントンで行われるIMFの春の総会を前に行ったスピーチの要点をFPが紹介する中で、Japan needed to rely more on monetary policy to kick-start growthとフレーズを引用していた。

Kick-startとはオートバイのキックスターターをエンジンを指導させることから、「弾みをつける」という意味だ。文章全体としては「日本は経済成長に弾みをつけるため、より金融政策に頼る必要があった」という意味だ。

ラガルデ専務理事の話をざっと見てみよう。

  • 今年の世界経済の成長は昨年より高いとは期待できない。世界経済は成長スピードで3つのグループに別れるフェーズに入った。3つのグループの成長スピードの差が新たな金融面の不均衡を生み、それが将来の危機のタネになるリスクが発生しうる。
  • 成長速度が早い発展途上国では、過去5年で外貨建て債務は50%拡大した。また昨年銀行与信はラテンアメリカで13%、アジアで11%拡大した。発展途上国は銀行に対する監督を強化する必要がある。
  • 米国、スイス、スェーデンなどが経済成長スピード回復中のグループにはいる。米連銀の量的緩和策は支持できるが、850億ドルの強制的は財政支出削減策についてはまだ多くの求職者がいるこの段階では、経済成長を鈍化させるリスクがある。
  • 経済成長が停滞しているグループにはユーロ圏と日本が入る。ユーロ圏の主な問題は、銀行システムの再構築だ。
  • 日本の場合、GDPの245%に迫る国債は、持続不可能なレベルに近づきつつあるので、その対策に緊急なプライオリティがある。日本はデフレの罠から脱出するため、経済成長を弾みをつけるため、より金融政策に頼る必要がある。

話をまとめると、先進国が金融緩和政策を続けると、財政規律が緩み、国債の発行額が増加する懸念がある。また発展途上国の外貨借入が増え、債務者の為替リスクが増える。このリスクをモニターするには、発展途上国の銀行監督システムの強化が必要。

米国については長期的には財政規律の回復は必要だけれども、米国の政府債務はまだGDPの108%である。財政支出削減を急ぎ過ぎると、折角回復してきた経済成長を損ねるリスクがある。

日本は財政再建策を示す必要があるけれども、デフレ脱却が必須の課題。そのため当面の超金融緩和政策を支持しよう、ということなのだろう。

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花の咲く果報は寝て待つ雪の山   北の旅人

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