明日(5月7日)は久しぶりに顧問先に行こうと考えている。連休明けなので、出社する人が多くて3密が起きるかもしれない。その場合は様子を見て止めることもありうるが。
連休明けを迎える日本や中国のみならず、この時期世界的に経済活動再開が起きつつあるので、在宅勤務や自宅待機あるいは長期休暇から、そろりと会社に向かう人が増えそうだ。
政府は「新しい生活様式」に切り替えることを求めている。新型コロナウイルス感染拡大防止に沿った生活様式とは、3密すなわち密閉・密集・密接を避けることだ。日本では今のところ政府が指導している段階にとどまっているが世界的には規制強化の方向にある。これは中国、シンガポールといった当局の規制が強い国だけでなく、米国など個人の自由を尊重する国でも個人的情報の収集など規制強化が強くなりそうだ。
WSJにWelcome back to the office. Your every move will be watched (ようこそオフィスにお戻り。あなたの総ての動きは見られるでしょう)という記事がでていた。
- マンハッタンのミッドタウンのロックフェラーセンターでは、会社に入る人々はサーマルカメラで体温を測定されるだろうし、ビル会社はテナントの会社にその会社の従業員が社会的距離を保っているかどうかモニターするモバイルアプリを開発中である。
- 世界的な会計事務所プライスウォーターハウスクーパースは、今月会社のために従業員が社内でどのようにお互いのコンタクトをとっているか分析するスマートフォンアプリを発表する準備を進めている。はんがポール政府が開発したSafeEntryのような仕組みで、個々の従業員がコロナウイルス感染リスクに晒されたかどうかをピンポイントで特定するものだ。ピンポイントで特定することで会社は事業所全体を閉鎖するような事業リスクを回避できることになる。
- シンガポールの厚生労働省によれば、SafeEntryサービスでは「氏名」「国民識別番号」「電話番号」「建物の入退場時間」が取得されるということだ。これは個人の行動が企業や場合によってはビル管理業者などに筒抜けになることを意味する。
個人情報が管理者側に知られることに神経質になる人が多いと思うが、WSJはロックフェラーセンター管理者の「ビル爆破のテロリズムの後、ビルの入館時にIDカードの提示や車のトランクのチェックが求められた時、最初人々は極端で過激な対応だと感じたが、自分達の安全を守るため役立つことに気が付いた。コロナウイルス感染防止対策についても同じことになるだろう」という言葉を紹介していた。
今「個人情報保護と個人行動の企業等による監視」はtrade-offの関係にある。個人の行動履歴をはっきりさせることで感染経路を明確にして、他人の生活や経済活動への影響を最小化する努力が求められる。
「新しい生活様式」はこのような覚悟を伴うものだ、と私は思うが、唱える政治家も聞く国民の方も真剣に考えていないようなので気になるところだ。