ニューヨークのクオモ市長は昨日「ショッキングな話だが100のニューヨークの病院からのデータによるとコロナウイルスによる入院患者の中で一番多かったのは『自宅籠りっ切り』の人で全体の66%、次に多かったのは老人ホームの18%だった」と定期記者会見で発表した~CNBCによる~。
クオモ市長は入院患者の84%近くは通勤者ではなく、その多数は退職者か非雇用人だった。また入院患者の73%は51歳以上だった。また入院患者の多数はマイノリティで半分近くはアフリカン・アメリカンかヒスパニックだったと述べた。
このデータは「通勤等の人の移動がコロナウイルス感染の大きな原因」としてきた行政当局等の見解と矛盾をきたしている。この事実をどう解釈するべきか?という点についてCNBCにコメントは出ていない。
また自宅籠りをしていた人々がいかなるルートでコロナウイルスに感染したか?という感染経路に関する分析も発表されていない。従ってこの記事だけから「自宅籠りはコロナウイルス感染防止の決め手ではない」と結論付けるのはもちろん危険である。ただし自宅籠りを金科玉条のように考えるのも、「角を矯めて牛を殺す」危険性がある。
ウイルス感染には、年齢・住環境の衛生度合い・食生活や健康状態特にストレス状況など多くの要素が影響を与えている。従って「ただ自宅に籠っていればよい」などという指示は、人々の心身の健康・社会と経済の健全な発展を考慮しない愚昧な指示というべきだろう。
少なくとも若くて健康な人が仕事に出かけても、3蜜防止など適切な措置を講じればコロナウイルスに感染して入院するリスクはそれ程高くないということは言えそうだ。