金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【読後感】「終わった人」(内館牧子)を読んで

2016年03月08日 | 本と雑誌

新聞の広告を見てふと電子本で「終わった人」を買ってしまった。

主人公の現役時代の経歴が自分と重なる部分が多いので「さてこの男どうするのか?」と興味がわいたのだ。

余り細かく筋を書くとネタバレになるので、ざっと述べると一流銀行で役員手前まで行った男は頼りにしていた役員が経営会議メンバーから外れたことで、ライバルとの競争に負けて子会社に出向・転籍して定年を迎える。定年後も男は仕事を続けることに固執し、ある新興IT会社の社長になるがその結末は・・・という話だ

内館さんはあとがきの中で次のように書く。

「クラス会やサークルのOB会でふと気づいたのである。若い頃に秀才であろうとなかろうと、美人であろうとなかろうと、一流企業に勤務しようとしまいと、人間の着地点って大差ないのね・・・・」「社会的に『終わった人』になると、同じである。横一列だ。本書の主人公のように、着地点に至るまでの人生が恵まれていれば、かえって「横一列」を受け入れられない不幸もある」

「社会的に終わった人」と聞いて愕然とする人もいるだろう。一方「俺はまだ現役で頑張っている」「俺にはボランティア活動がある」などと自分のアイデンティティを外に求める人もいるはずだ。だが時間の差こそあれ私はサラリーマンには「社会的には終わった人」になる可能性が高いと考えている。

ただそれを「救いがない」と考えるか「そこに何らかの救いを見いだすか」は心の持ち方次第だろう。

内館さんは「重要なのは品格のある衰退だと私は思います」という国際政治学者・坂本義和さんの言葉を引用して一つ示唆を読者に提供する。

坂本さんの言葉は「英国は衰え、弱くなることを受けとめる品格を持つことで、その後もインドと良好な関係を結んでいます」と続く。

内館さんは「これはアンチエイジング至上の現代日本において、また若い者には負けないとする『終わった人』において、大きな示唆である」と述べる・・・

私は自分の電子本「人生という山坂の登り方・降り方」の中で次のように書いた。

「山も人生も登りがあればかならず下りがあるということだ。・・・・山も人生も高く登れば降るのが大変」「下り坂の方が道迷いはリカバリーが難しい」

「時間」と「資金」という資源が限られた人生の下り坂では、道に迷った場合元に戻って正しいルートに出会うのは難しいということだ。

そして山登りでは「できるだけ質の高いものを少量持って荷物を軽くして」歩くことが大切なように人生も身軽にした方が良いとも書いた。

もっとも本の中でも「身軽にして生きることはできていない」と正直に述べているが・・・・

「品格ある衰退」を「下り坂を自分の足でしっかり歩く」と同じ意味だとすると期せずして私も内牧さんと同じようなことを考えていたと言っても良いかもしれない。そしてこの小説の主人公と違いがあるとすれば、「人生には登り坂と下り坂がある」ということを比較的早い時期に考え始めていたことかもしれないと私は思っている。

★    ★    ★

出版した電子本

「人生の山坂の登り方・降り方」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LYDWVPO/

「インフレ時代の人生設計術」 B00UA2T3VK

「海外トレッキングで役に立つ80の英語」

「英語の慣用表現集」 http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LMU9SQE/

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白菜は英語でChinese Cabbage 昔の部下が来日

2016年03月08日 | うんちく・小ネタ

昨日ニューヨーク時代のアメリカ人の部下だった男性が夫婦で東京を訪ねてきたので、往時のスタッフ達と新宿の鳥料理屋で食事をしました。

日頃英語を使うこともないので、やや面倒だな?という気持ちもあったのですが、久しぶり(20年ぶり)に会って話をすると誰はどこの銀行で働いているとかもうリタイアしてカリフォルニアでガーデニングに励んでいるとか話題は結構あるものです。

彼等の間ではフェイスブックが盛んに使われててニューヨークだカリフォルニアだという距離感はあまり感じないのかもしれません。そして時々就職情報なども交換し合っているようです。

英語のメニューのない店で鍋に入っている白菜を見て奥さんが「これは何?」と聞いたので、Chinese Cabbageと答えました。その時は余り自信がなかったのですが、後で調べてみると正しいようです。白菜はかなり一般的な野菜ですから英訳があるのでしょうが、青梗菜(ちんげんさい)などになるとお手上げです。Spinach(ほうれん草)のようなものだ、とでも丸めておくのでしょうか?

そのアメリカ人の彼と働いて時、私は彼を外部の人に紹介する時、部下と呼ばずにともに働く仲間と言っていました。英語でいうとCo-workerですね。

「部下」という言葉を直訳するとSubordinateですが、これはかなり屈辱的な響きがあるそうですね。もしsubordinateと呼んでいたら昨夜のディナーはなかったかもしれません。

外国人の部下との出会いなどは一期一会が普通でまた合うことは希なのでしょうが、ちゃんと対応しておいて良かったな、と感じた一夜でした。

まして長い人生の中で何度も会う機会がありそうな日本の仲間達とは長幼序列を離れて丁寧な対応をしておいた方が仲間の輪が広がりそうですね。

 

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新しい登山時計プロトレックに満足

2016年03月08日 | 

12,3年使っていたスントの登山時計が壊れたことは昨日ブログに書きました。

今朝昨日インターネットで注文していたカシオのプロトレックが早速届きました。

型番は3414p*JAという機種です。ネットで見ると同じような時計があきれるほど数多く並んでいましたが、私が使う基本機能にあまり差がなさそうなので

値段が手頃で小ぶりな機種を選んでみました。

手に取った印象は「少し重量感がある」「ゴム製のベルトがスポーツクラブのロッカーキーのベルトに似ていてcheapな感じ」というところでしょうか?

機能的には「光で発電」「電波で時刻合わせ」「ワールドタイムがわかる」「10気圧防水」と十分です。ただし防水については「防水機種でも入浴時の使用はお避けください」と注意書きがありました。

スントは腕に着けたまま、よく温泉に入っていた(お湯の温度が測定できる)ので寿命を縮めたのかもしれません。これからは腕時計を外して下山後の温泉に入ります。

高度計の高度補正なども比較的簡単で使いやすそうです。その他日の出・日の入り時刻の表示などもスントにはなかった機能です。

もっともストップウオッチ・タイマー機能などあまり使わない機能はマスターしないまま終わりそうです。

ここ10年ほどの間に登山時計も進歩したのだな、と感心しました。特に光発電は電池の消耗を気にしないで済むのでありがたい。

日常使いのシチズンのエコドライブ時計は10数年使っていますが、まったくメンテナンスフリーで問題がありません。おそらくこのプロトレックも乱暴に使わなければそれくらい長持ちするのでしょう。きっと私の終生の登山時計になるような気がします・・・・・

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