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ハリス副大統領、僅差でトランプ氏をリード。だが誤差の範囲。

2024年08月30日 | ニュース
 米国大統領選挙まで後2カ月強となった。日本の新聞も米大統領選挙の様子を大きく取り上げ始めた。
 例えば読売新聞は「ハリス氏『共和党員を閣僚に起用』、異なる見解取り入れ中間層強化」…党指名獲得後の初インタビューをいう記事で、ハリス氏が大統領になれば、共和党員を閣僚に起用する方針を明らかにしたことを大きく報じていた。
 これは29日に行われたCNNのインタビューについて報じたもので、WSJにも解説記事が出ていた。
 そのタイトルは「ハリス氏は自分の政策転換を擁護した」というもの。これはハリス氏が副大統領になってから、フラッキング(水圧破砕法を使ったシェールガス・石油の開発)について、禁止支持から禁止反対に転じたことなど、政策転換に対する批判に自己弁護したことを指している。ハリス氏の主張は「価値基準は変わっていない」というものだ。
 一方共和党員を閣僚起用する、という発言については、それほど関心を集めていない。過去に野党側の議員を閣僚に任命したことがあり、それほど目新しい話ではなさそうだ。
 WSJが最近行った調査によると、ハリス氏とトランプ氏の一対一の支持率調査では、48%対47%でハリス氏がリードし、独立候補を含めた世論調査でも47%対45%でハリス氏が2%リードしている。
 ただし調査には±2.5%の誤差があるというから、ハリス氏のリードはまだ誤差の範囲である。
 ただし去年の後半位からバイデン氏に対してかなり優勢を保ってきたトランプ氏が初めて民主党候補(ハリス氏)にリードを許したということで、大統領選挙運動に拍車がかかってくることは間違いない。

 その時の一つの論点は「ハリス氏の政策転換」になるかもしれない。政策を転換することは必ずしも悪い訳ではない。しかし「人気取りのための政策転換
」はアメリカの選挙民から嫌われる。
 ハリス氏はこれから、自分が何故環境問題や移民問題で政策転換したのか?政策転換をしたけれど、なぜ自分の価値基準は変わっていないといえるのか?ということを国民に分かりやすく説明する必要があるだろう。
 現時点でハリス氏が勝つのかトランプ氏が勝つのかは予想はつかない。しかしどちらが勝つにしても、相当激しい論争を通じて、首尾一貫性や説得力が国民の目によってスクリーニングされることは間違いない。
 その厳しい論争を勝ち抜いてくる大統領に日本の新首相が対峙すると考えると、心細さを覚える次第。

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