昨日(3月11日金曜日)の米国株市場は商いは薄かったものの、3市場とも値上がりして4週連続の値上がりとなった。
ダウは281.18ポイント(1.28%)上昇、S&P500、ナスダックもそれぞれ1.64%、1.85%上昇した。
上昇要因は国際エネルギー機構が「原油価格が底打ちした兆候が出てきた」と発表したことやECBの金融緩和策を好感して欧州株が上昇したことだ。
クルドオイルは1.7%上昇して38.5ドル/バレルになった。
WSJはInvestors took heart in signs of improvement in the U.S. economy.「投資家たちは米国経済の回復兆候に元気ついた」と報じている。
Take heartは「元気づく・気を取り直す」というイディオムだ。
実際4週連続の値上がりでダウの年初来の下落幅は1.2%程度まで縮まってきた。日経平均が年初来11%ほど下落しているのに較べるとかなり健闘している。
もっともこの間ドルに対して円高が進んだので、日本の投資家には為替の含み損が拡大している(あるいは含み益が縮小している)が・・・
さて昨日の株高の記事をロサンゼルス・タイムスで読むと、「1か月前に投資家はリセッション懸念から株を売り投げた」と書かれている。
投資家教育が日本より進んでいる米国でも投資家というものは、「底で売り、天井で買う」傾向があるものだと改めて感じた次第。もっともこれは先月が当面の底だったという仮定に基づく話だが。
個人が株式投資で資産を形成する方法はよく「分散投資と長期保有」であると言われる。逆にパフォーマンスを上げることができない投資方法の一つは下げ相場での狼狽売りだと言われる。
もっともこれらの格言は米国株投資には当てはまるが日本株投資には当てはまらないだろう。
下のグラフは1976年から現在までのダウと日経平均のパフォーマンスを比較したもので、この間ダウは1,642%上昇しているが日経平均は5.75%の上昇にとどまっている。
下のグラフは過去10年間のダウと日経平均を比較したもので、ダウは55%上昇しているが日経平均は5%の上昇にとどまっている。
米国株に投資しているといつかは値上がりに転じるだろうという期待感が持てるので、良いニュースにtake heartすることができるが、日本株の場合
過去の流れを見ると必ずしも楽観視がし難いと私は考えている(証券会社系のアナリストは調子の良いことをいうが・・・)。つまり中々take
heartできないのである。
さてこの先株価は回復基調をたどるのか?それは分らない。ただし株式投資を続けるのであれば、日本株を減らしてその分米国株を買っておくのが一つの戦略だと私は考えている。将来のことを断言することは難しいが、相対的にどちらが良いかという予想は絶対的な予想より易しそうである。