金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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【イディオム】critical mass 7割以上の産油国が減産に仮合意

2016年03月02日 | 英語・経済

Critical massは直訳すると「重要な多数」という意味である。マーケッティング用語としては、ある商品やサービスが一気に拡大する普及率を指し、一般的には商品やサービスの普及率が16%を超えると普及率が急拡大すると言われている。

WSJは1昨日(3月1日)Critical mass of oil producing countries agree to freeze productionという記事の中でロシアのノバク・エネルギー相が「産油国の73%が原油増産凍結に暫定的に合意した」と述べたと報じている。

この場合のcritical massは当然一般的な使われ方である。

昨日の米国のクルドオイルは2%上昇し、1バレル34.42ドルに上昇した。

この原油高やISM製造業景況指数が49.5と市場予想を約1ポイント上回ったことが好感され、米国株は大きく上昇した。ダウは348ポイント(2.11%)、ナスダックは131ポイント(2.89%)上昇し、恐怖指数と呼ばれるボラティリティ指数は10%以上下落して17.7に低下した。これは今年で一番低い数値だった。

年初からの世界的な株安の一つの原因は原油価格の持続的な下落にあった。もし原油の減産が本格的に決まると株式市場にはリスクマネーが大きく戻ってくることが期待できる。

G20の金融安定化声明にはポジティブな反応を示さなかった市場だが、原油価格高や米国の堅調な経済データには素直に反応した。

言葉より事実は強い、ということだろう。

この流れを受けて今日は日本株も大幅上昇で始まりそうだ。

だが最近の日本株は外部要因に左右されている。つまり原油価格が米国株の価格や為替の動きを牽引→米国株や為替が日本株の価格に影響を与えるという構造。短期的な値鞘稼ぎはあまり得意とするところではないが、多少スペキュレーションを試みるならば、株価の動きの源泉になっている原油価格そのものにbetするのも面白いタイミングかもしれないと私は考えている。

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