金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

フリーセックスと男女格差

2008年12月16日 | うんちく・小ネタ

フリーセックスは和製英語で英語ではpromiscuity(相手を選ばない)というのが「学術的」なようだ。カジュアル・セックスという表現は英語にあるが定義が曖昧なようだ。何故こんな話をするかというとエコノミスト誌という硬い雑誌に国別の「相手を選ばないセックス度合いのランク」という記事が出ていたからだ。そのもとになっている研究はBradley大学のSchmittという教授が行ったものだ。

記事から主な国のランクを選ぶと1位はフィンランド、2位はニュージーランド、8位にイスラエル、11位に英国、12位にドイツ、22位に米国、23位にフランス、24位にトルコ、29位にイタリア、日本は43番目で韓国は46番目だ。

エコノミスト誌の短い記事の中には、国別のセックスに対する態度の違いがどこから来るのかという分析は出ていなかった。そこで私はある仮定を立てて、ちょっとした分析を行ってみた。

その仮定というのは「相手を選ばないセックスというのは男女の自立した関係から生まれるので、女性の地位が相対的に高い国つまり男女格差が少ない国で発展するのではないか?」というものだ。これは「北欧を中心とした欧州で相手を選ばないセックス度合いが多い」「北欧等欧州で男女格差が少なそうだ」という直感から来ている。

男女格差については「世界経済フォーラム」が発表しているGender gap 2008の資料を使った。これは「雇用・経済参加」「政治参加」「教育」「健康」の点でその国の男女格差を点数化して国別ランクをつけたものである。

私の仮定はある程度当たっている。具体的にいうとフィンランドは「相手選ばず」で1位、「格差」で2位(順番が高い程格差が少ない)、ニュージーランドは「相手」で2位で「格差」で5位、ラトビアは「相手」で6位で「格差」で10位だ。この当りは高い相関関係を示している。英国は「相手」で11位「格差」で13位だ。だが相関関係があまりない場合もある。フィリピンは世界で6番目に男女格差が少ない国だが「相手」では37位だ。もっと極端な例もある。それはモロッコで「相手」は15位だが、格差では世界最低に近い125位だ。

因みに「相手」で43位の日本は男女間格差では98位と先進国最低レベルだ。これは見事に仮説に乗っている。

「相手を選ばないセックス度合い」が低いのは日本(43位)、香港(44位)、韓国(46位)、台湾(48位調査国中最下位)など極東の儒教文化圏である(中国は調査対象外だったようだ)。ただしイスラム圏の中でもモロッコ(15位)やトルコ(24位)が健闘?しているように宗教の違いも必ずしも説明要因にはならないようだ。

いずれにしても「相手を選ばないセックス度合い」を男女格差や宗教の違いで回帰的に説明するのは簡単ではない。

それにしても日本の男女格差は悪すぎる。これでは色々な意味で「良い男女関係」は生まれないということは確かだろう。

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Sit on ones hand (イディオム・シリーズ)

2008年12月16日 | 英語

昨日米国で11月の鉱工業生産指数が発表された。0.6%のマイナスである。台風の復旧作業で鉱業生産や電力は伸びるなどプラス要因はあったが、全体としては経済活動は縮小している。

ニューヨーク・タイムズはあるエコノミストのコメントを引用していた。"I think it's an indication of extreme contraction in the manufacturing sector," he said. "Right now, I think people are sitting on their hands."

「私はそれ(鉱工業生産指数)は製造業が極端に収縮している兆候だと思う」と彼は言った。「現時点で人々は手をこまねいていると私は考えている」

Sit on ones hand(s)とは「問題に対して行動を起こさない」という意味だ。問題は自然に解決する場合もあるが、放置しておくと悪化が続くことも多い。今回の不況のような場合、民間の力だけでは景気は中々回復しない。政府や中央銀行が積極的に関与することが肝心だ。

米国連銀は政策金利を0.25%か0.5%切り下げることが予想されている。金利の引き下げだけで景気を浮揚させることは不可能だが、日銀のように我関せずという立場を取っているのも多いに問題だ。

その内BOJ is sitting on its handsと言われるだろう。

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